金プラチナ短期相場観
ドイツIFO景況感12月は現況も底打ち、期待は半年ぶり高水準
更新日:2022年12月20日(火)
ドイツの12月IFO景況感指数は88.6となって4ヵ月ぶりの高水準。2年4ヵ月ぶり低水準となった9月(84.3)からは3ヵ月続伸。底打ち後の回復基調が持続していることを示す結果に。
11月には1年9ヵ月ぶり低水準(93.2)まで落ち込んだ現況指数も12月は94.4へ、7ヵ月ぶりの反発で底打ちの可能性を示唆する状況に。
さらに期待指数は2年5ヵ月ぶり低水準となった9月(75.2)からは3ヵ月続伸、6月(85.5)以来半年ぶり高水準。
業種別では建設業を除く全てのセクタで改善。製造業は-5.6で前月からは+5.9の急騰。2年4ヵ月ぶり低水準となった10月の-15.3から続伸で半年ぶり高水準。ほぼ全分野で景況感が改善し、期待指数は大きく上昇。現況への満足度も高まって不確実性は低下。
サービス業は-1.2で前月比+4.1。2年4ヵ月ぶり低水準となった9月の-8.8から3ヵ月続伸で4ヵ月ぶり高水準。今後の見通しでは悲観的な見方が減少し、現況評価も改善。
貿易は-20.0も前月から+6.9、10ヵ月ぶりの急騰となって半年ぶりの高水準。現況もゆるやかに改善し、悲観的な見通しもやや緩和。
卸売は11.5で前月比+5.2、これも10ヵ月ぶりの急騰で5ヵ月ぶりの高水準。小売も-25.1で前月比+6.3、3ヵ月続伸で半年ぶり高水準。
建設業は-22.2で前月から-0.7と唯一低下も、12年8ヵ月ぶり低水準となった10月(-23.9)は下回らず。現状悪化も悲観見通しはわずかに緩和。
エネルギー危機の緩和とインフレ・ピークアウトの可能性、深刻なリセッションは回避可能との見通しなどから、二番底をつけての回復基調は進行中。
19日のNY金相場は-2.5ドル、0.14%の小幅反落。週明け時間外は1800ドル台での小幅保ち合い、ロンドン市場でつけた高値は1810ドルに少し届かず失速。ドル高に押されて1800ドル付近まで反落後、NY市場では米10年債利回り上昇に連れての一段安、1790ドル台前半の安値をつけた後はNY午後にかけて1790ドル台半ばで下げ渋り。ゆるやかな下降基調が続く200日移動平均線(1796.2)との攻防が続くに連れ、微妙に水準を切り下げる格好となって大台割れ。1780ドル台から1830ドルまでの広めのレンジでの保ち合い継続へ、下限を割り込むようなら下値目安1730ドル台へ。
NYプラチナは-12.3ドル、1.23%安となって4日続落。11月18日(984.3)以来、1ヵ月ぶりの安値。週明け時間外は1000ドルの大台を維持し、ロンドン市場では一時1010ドル台まで上昇。しかし、ほぼ水平状態の20日移動平均線(1012.4)上抜けに失敗すると戻り売りとなってNY午後には大台割れ、NY引けにかけて990ドルを割れるとNY引け後につけた安値は980ドル付近まで、自律反発でも990ドルにも届かず。1000ドル台の節目を割れて保ち合い下放れとなった流れは続き、短期下値目安970ドル近辺まで、もう少しの下げ余地。
ドル円は20銭のドル高円安、0.15%の反発。日銀の金融緩和修正への思惑から円高圧力が強まる状態となった週明け、先週末から1円程度水準を切り下げて136円割れからスタートした東京市場では、一時136円60銭台まで反発も買い戻しは続かず、135円70銭台まで反落。136円を挟んでの保ち合いを経て、欧州・NY時間にかけては米10年債利回り上昇に連れてのドル高の流れにサポートされて136円台後半へと反発、NY午後には一時137円10銭台まで上昇。137円を挟んでの攻防から、今朝の東京市場では137円30銭台へ。下降基調の20日移動平均線(137.39)が目先の攻防ラインにも。日銀会合を経て黒田日銀総裁会見を無事通過するともう一段の上値トライへも、138円の節目を上抜けると142円台が意識されるような流れにも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場12/19終値とチャート
20日の国内金価格は+25円、0.29%高で6日ぶりの反発。12月14日(8611)以来、1週間ぶりの高値。緩やかに下降する21日移動平均線(8571)にサポートされ、下抜けたばかりの上昇軌道の9日移動平均線(8593)を上抜け。崩れそうになった堅調局面をなんとか持ち堪えた格好にもなっての切り返し。8620円超へと抜け出すことができれば上値トライ再開へ、短期的には8660円台辺りまでが上値目標に。下方向へは8570円のサポートを割り込むようだと流れは逆転、8500円の大台付近までが短期下値目安に。
プラチナ価格は-32円、0.68%安で4日続落。12月安値を更新し、10月20日(4586)以来2ヵ月ぶりの安値。節目となっていた4800円の大台ライン割れに伴う短期下値目安4660円程度までを目指す流れが急速に進行、もう一段の下値余地。4685円から4700円近辺は中期的に重要なサポート候補。これを維持できない場合には一段安へと向かいやすい状況にも、行き過ぎ警戒水準としては9月安値から11月高値の半値戻し(4564)近辺も。
※参考:金プラチナ国内価格12/20とチャート
- 2022年12月20日(火)時点の相場
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国内金 : 8,598 円 12/20(火) ▲25(0.29%) 国内プラチナ : 4,703 円 12/20(火) ▼32(0.68%) NY金 : 1,797.7 ドル 12/19(月) ▼2.5(0.14%) NYプラチナ : 987.7 ドル 12/19(月) ▼12.3(1.23%) ドル円 : 136.92 円 12/19(月) ▲0.20(0.15%)
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