金プラチナ短期相場観
利上げ停止から先送り、NY金急落も円安で国内金は高止まり
更新日:2023年6月5日(月)
5月で利上げは打ち止め、年後半には利下げフェーズ入りへ、との思惑が後退したかと思えば今度は6月利上げの可能性も意識され、でもやはり6月は据え置きへ。ただし利上げフェーズ終了ではなく、一時停止で先送り。6月据え置き後、7月には追加利上げ予想が台頭。インフレ鈍化の兆候は続くものの依然高水準、労働市場は強弱混在の状況となり、市場のFF金利予想も右往左往。
週末の雇用統計後にNY金は急落も、円安急進となって国内金価格の下げは限定的に。NY金は過去最高値トライにいったん失敗した格好ながら、国内金価格は依然、過去最高値付近での高止まり。
雇用統計後に下げ続けたNY金は週末の1960ドル台半ばから、週明け時間外は1960ドル台前半、上値の重さは継続。NYプラチナは週末の水準1010ドル付近を中心に小幅上下動、戻り売りか反発かの攻防。ドル円は週末の大幅反発の勢いを維持して140円台へと一段高、高値では140円20銭台まで上昇。
5日の国内金価格は先週末から-50円、0.52%の反落。9620円の節目上抜けに伴う短期上値目標9700円近辺を目指す流れは雇用統計後に巻き戻し、過去2番めの高値から5月30日(9595)以来、1週間ぶりの安値水準となって9日移動平均線(9610)を下抜け。21日移動平均線(9599)割れはギリギリ回避したものの、これを維持できなくなれば高値保ち合い崩れとなって失速状態の流れ再加速、それなりの調整局面形成へ。4月末安値(9341)から5月最高値(9679)の半値戻し(9510)から9500円の大台近辺までが短期下値目安に。
日足・一目均衡表では足下の急落で転換線(9606)をわずかに下抜けて三役好転崩れ。三角保ち合い上抜け後に伸び悩んで急反落となり、あらためて高値保ち合い継続の様相に。転換線との攻防状態が維持できなくなれば、基準線(9515)が当面の下値サポート候補に。遅行線は現状維持なら7日後に急騰する価格ラインにぶつかることになり、FOMCのタイミングで急騰か、急反落がの展開にも。
プラチナ価格は+48円、0.99%の続伸で5月31日(4,979)以来の高値。ただし下落局面での戻り目安、5月高値(5197)から6月安値(4853)までの23.6%戻し(4934)にも届かず。下落局面脱出に向けてはこの節目を超えて抵抗線候補となる9日移動平均線(4967)上抜けがポイントに。38.2%戻し(4984)も達成できれば5000円の大台回復も視野に。下方向へは4850円のサポートを割れると4800円の大台前後までの一段安も。
日足・一目均衡表では基準線(5025)、転換線(4969)を下回っての推移が続き、遅行線も26日前の水準(5062)を下抜けて二役逆転。三角保ち合い下放れに伴う急落局面では、雲の上限(4864)にサポートされ、切り上がる上限ラインに沿って反発局面形成の兆しに。FOMC直後には4979円まで水準を切り上げる雲の上限にサポートされ続けると重要水準、高値保ち合い下限(23.6%:4983)付近を回復することにも。雲の上限を維持できない場合、雲の下限(4732)が意識される可能性も。
※参考:金プラチナ国内価格6/5とチャート
- 2023年6月5日(月)時点の相場
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国内金 : 9,602 円 6/5(月) ▼50(0.52%) 国内プラチナ : 4,920 円 6/5(月) ▲48(0.99%) NY金 : 1,969.6 ドル 6/2(金) ▼25.9(1.30%) NYプラチナ : 1,003.5 ドル 6/2(金) ▼6.6(0.65%) ドル円 : 139.97 円 6/2(金) ▲1.16(0.84%)
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