金プラチナ短期相場観
ISM非製造業景況指数も製造業を追随、5月は今年最低に
更新日:2023年6月6日(火)
5月のISM非製造業景況指数が予想以上に低調となり、低迷が続く製造業にも追随する格好にもなり、長期金利低下とドル安急進、NY金は反発の展開に。
ISM非製造業景況指数は50.3となり、市場予想の52.4を下回り、4月の51.9からも低下、12月(49.2)以来5ヵ月ぶり低水準となって今年最低。コロナ後の3年間では2番めの低水準。好不況の節目50割れはギリギリ回避した格好に。
ISM製造業景況指数が5月は46.9となり、7ヵ月連続節目50割れでの低迷が続く状況には及ばないものの、2021年末からは急降下となって製造業を猛追。
構成指数では、事業活動指数が51.5となって4ヵ月続落、50割れこそ回避したものの2020年5月以来3年ぶり低水準でコロナ後最低。
雇用指数は49.2となって3ヵ月続落となって5ヵ月ぶりの節目50割れ、7ヵ月ぶり低水準。
なお、製造業景況指数の雇用は2ヵ月連続で節目50を若干上回る状態。ただし製造業でも非製造業でも雇用指数は節目の50をはさんでの上下動が続き、強弱混在の雇用統計を連想するような状況にも。
また、価格指数も3年ぶり低水準となってコロナ後最低。インフレ鈍化を示唆する状況となり、総合指数などからは景気下ブレへの警戒が高まる状況に。
5日のNY金は先週末から+4.7ドル、0.24%の反発。雇用統計後の急落からNY引け後も下げ止まらなかった流れは週明け時間外も継続、1960ドル台半ばからロンドン序盤には1960ドル割れ、5月30日(1949.6)以来の安値圏1950ドル台前半で下げ渋るとNY市場では反発へ。5月の非製造業PMIが速報値から下方改定され、ISM非製造業景況指数も低調な結果となり、米10年債利回り低下とドル安の流れ急進を受けて1970ドル台へと急騰。NY午後には1970ドル台半ばを維持し、NY引け後には1970ドル台後半へと小幅に水準を切り上げ。5月中旬以降の軟調局面も終盤に差し掛かってきた兆候もあり、右肩下がりの20日移動平均線(1989.9)から2000ドルの大台までが目先の抵抗帯に。これを突破することができれば上値再トライへ、2030ドル台辺りまでが短期上値目標に。逆に1960ドル台に切り上げた下値サポートを維持できないようだと1920ドル近辺までを目安に下値再トライへ。
NYプラチナは+32.9ドル、3.28%の大幅反発。1010ドルを挟んでの小幅保ち合い推移が続いた時間外を経て、NY市場では金の急騰にも追随。安値圏での小幅保ち合い上限、1010ドルの節目をしっかりと上抜け、ほぼ水平状態の90日移動平均線(1015.7)も上抜けると急騰。NY午後には1030ドルを回復し、高値では1040ドル台、NY引けにかけては1030ドル台半ばへ。1010ドルの節目超えに伴う短期上値目標1030ドル台に到達して一服状態にも。90日線が目先の下値サポート候補、上方向には4月高値(1148.9)から6月安値(997.4)の38.2%戻し(1055.3)が意識される状況にも。
ドル円は40銭のドル安円高、0.29%の反落。雇用統計後のドル高円安基調は週明けの東京市場でも継続。139円90銭台から140円20銭台まで上昇し、午後には一服状態も東京市場終了とともに一段高となって欧州序盤には140円40銭台まで上昇。今年高値となった5月30日高値(140.93)以来の水準で頭打ちとなり、NY朝にかけて140円10銭台へとゆるやかに軟調推移。その後は米5月非製造業PMIの下方改定とISM非製造業景況指数の下振れを受けて139円20銭台まで急落。NY午後には米10年債利回りの下げ渋りにも連れ、139円80銭台までの自律反発を経て139円50銭近辺に収束。上ヒゲを残しての反落で流れとしては調整サイクル入りの様相にも。138円80銭が当面の下値サポートとなり、これを割れると137円台半ばまでの一段安も。切り返す展開となって140円の節目を上抜けるようだと高値再トライへ、141円半ばまでが短期上値目標に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場6/5終値とチャート
6日の国内金価格は+15円、0.16%の反発。9590円の節目割れを回避して高値保ち合いをなんとか継続した格好。21日移動平均線(9601)にサポートされて9日移動平均線(9609)も再び上抜け。9日線との揉み合い状態での保ち合い長期化の様相ともなり、保ち合いブレイク後の変動幅拡大エネルギーの蓄積フェーズという状況にも。本格的なブレイクはFOMC後が見込まれるものの、想定外の指標結果や突発的な事象があればフライングも。9600円の節目を割れると4月末安値(9341)から5月高値(9679)の61.8%戻し(9470)近辺までが下値目安に。9650円台の上限を突破すると最高値更新再トライへ、5月高値から5月安値(9528)の150%戻し(9755)近辺までが上値目標に。
プラチナ価格は+74円、1.5%高で3日続伸。5月30日(5035)以来、1週間ぶりの高値。5月高値(5197)から6月安値(4853)の23.6%戻し(4934)、38.2%戻し(4984)も超え、9日移動平均線(4957)も上抜けて局面打開へ。半値戻し(5025)から21日移動平均線(5033)、5040円の節目までが目先の抵抗帯となり、これを突破できれば高値保ち合い回避へ、5100円近辺までが上値目標に。
※参考:金プラチナ国内価格6/6とチャート
- 2023年6月6日(火)時点の相場
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国内金 : 9,617 円 6/6(火) ▲15(0.16%) 国内プラチナ : 4,994 円 6/6(火) ▲74(1.50%) NY金 : 1,974.3 ドル 6/5(月) ▲4.7(0.24%) NYプラチナ : 1,036.4 ドル 6/5(月) ▲32.9(3.28%) ドル円 : 139.57 円 6/5(月) ▼0.40(0.29%)
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