金プラチナ短期相場観

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米7月PPIも13ヵ月ぶりに加速、コアPPIは下げ渋り

更新日:2023年8月12日(土)

生産者物価指数PPI 2023年7月前日のCPIに続いてこの日はPPIでも、インフレは13ヵ月ぶりに加速。
米労働省発表の7月生産者物価指数、PPIは前年比+0.80%。市場予想の+0.7%を上回り、12ヵ月続落で2年10ヵ月ぶり低水準となっていた6月(0.16)からは0.65%の急上昇。13ヵ月ぶりの反発。
食品とエネルギーを除いたコア指数、コアPPIは前年比+2.39%。市場予想の+2.3%を上回るも、16ヵ月続落となって2021年1月(1.94)以来、2年半ぶりの低水準。ただ6月(+2.41)からはわずかに-0.02%、低下幅は16ヵ月で最小。
食品とエネルギー、貿易サービスを除いたコア指数、コアPPI2は前年比+2.73%。4ヵ月続落で2年4ヵ月ぶり低水準となった6月からは変わらず、横ばい推移。
なお、PPIは2019年までの過去平均+1.70%を3ヵ月連続で下回る状態で反発。コアPPIは過去平均+1.80%まであと0.59%、コアPPI2は過去平均+1.72%まであと1.01%の状態で下げ渋り。

ただし、インフレ期待は低下。
この日発表されたミシガン大の8月速報値で1年先のインフレ期待は3.3%。7月の3.4%から低下し、6月と並んで2年5ヵ月間で最低水準。5年先のインフレ期待も2.9%となり、7月の3.0%からは低下して直近11ヵ月では最低水準。
インフレ指標はCPIもPPIも、足下で下げ渋りの兆候を示したものの、消費者目線では短期も長期もインフレ鈍化継続を見通す状況となったようです。

NY金・日足チャート 2023/7/10 - 8/1111日のNY金は-2.3ドル、0.12%安となって5日続落。7月27日(1945.7)以来2週間ぶり安値圏で反発できずも下げ渋り。5日続落は2月以来、半年ぶりで今年2度め。アジア時間序盤に前日安値を下回るも1940ドル割れは回避、これが安値となって3日連続で下値切り下げも、3日連続1940ドル台で下げ渋る形となって反発へ。ロンドン・NY市場にかけては1950ドルを挟んでの保ち合いとなり、NY市場でつけた高値も1950ドル台前半まで。米PPIの上ブレやミシガン大のインフレ期待低下などを受けての上下動後、NY午後には米10年債利回り上昇とドル高優勢の展開となって軟調推移、NY引けにかけて1940ドル台半ばへと押し戻されて2日連続の上ヒゲ。1960ドル台の節目割れに伴う短期下値目安1940ドル近辺到達後の一服感も、反発し切れない状態が継続。ドル高基調が続くなどして1940ドルを維持できなくなるようだと1920ドル程度までの一段安警戒感も。
週間ベースでは-29.5ドル、1.49%の続落。

NYプラチナ・日足チャート 2023/7/10 - 8/11NYプラチナは-0.2ドル、0.02%の小反落。アジア時間には910ドル付近から920ドル近辺まで一段高、前日の反発の勢い再開の兆しも920ドルが上限となって小幅保ち合い推移。NY朝には一時923ドルまで上昇も、反落局面では910ドル割れへ、この日の高値から安値へと小幅乱高下を経てNY午後には910ドル台半ばへ。結果的に9日移動平均線(919.4)超えに失敗して反発一服状態とはなったものの、910ドルにサポート感もあり、これを維持できれば徐々に反発トライへも。9日線を突破できれば930ドルの節目トライへ、これも上抜けると反発局面形成へ、950ドル台辺りまでが上値目標に。
週間ベースでは-13.9ドル、1.5%安で4週続落。4週続落は2月以来、半年ぶりで今年2度め。

ドル円・日足チャート 2023/7/10 - 8/11ドル円は19銭のドル高円安、0.13%高で5日続伸。NY終値ベースでは6月末の今年高値を更新、昨年11月9日(146.39)以来、9ヵ月ぶりの高値。5日続伸は5月以来、3ヵ月ぶりで今年2度め。休場の東京時間は144円60銭台から80銭台までの小幅レンジで揉み合い推移、欧州時間にはゆるやかな軟調推移となってNY朝には144円40銭台まで下値切り下げも、米7月PPIの結果を受けて144円80銭台まで急反発。しかしミシガン大のインフレ期待が低下したことを受けて再び144円40銭台まで急反落、ただしこれも一時的となってNY午後には144円90銭台へ、高値では145円近辺まで上昇。6月末高値(145.07)には少し届かず、145円ラインにも上値を押さえられる格好にもなったものの、短期上値目標144円台到達後の一段高想定水準145円台にもワンタッチした状態となって一服感も。9日移動平均線(143.36)辺りまでが目先の下値サポート候補。
週間ベースでは+3.15円、2.24%の続伸。上げ幅としては今年最大、148円台まで上昇した昨年10月10日からの週(+3.35円、2.30%)以来、10ヵ月ぶりの急騰。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場8/11終値とチャート

2023年8月12日(土)時点の相場
国内金9,695 円 8/10(木) ▼11(0.11%)
国内プラチナ4,461 円 8/10(木) ▼33(0.73%)
NY金1,946.6 ドル 8/11(金) ▼2.3(0.12%)
NYプラチナ914.6 ドル 8/11(金) ▼0.2(0.02%)
ドル円144.95 円 8/11(金) ▲0.19(0.13%)

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