金プラチナ短期相場観
失業保険継続受給4週移動平均は7週連続増、23ヵ月ぶり高水準
更新日:2023年11月23日(木)
先週分、11月18日までの週間新規失業保険申請件数が20.9万件となり、市場予想を大幅に下回って前の週(23.3)からも大幅減。予想外に米労働市場の改善が示唆される結果となり、FRBのタカ派傾斜が意識されて米10年債利回りが反発し、ドル高の流れへ。
さらに、その後発表されたミシガン大の1年先インフレ期待が4.5%となって7ヵ月ぶりの高水準。11月速報値の4.4%からも上方修正されるプチ・サプライズ。5年先インフレ期待は3.2%で速報からは変わらずも12年8ヵ月ぶりの高水準。インフレ高止まりへの警戒感がドル高局面をサポート。
なお、11月11日までの週の失業保険継続受給者数も184.0万人となり、2年ぶり高水準となった前の週からは2.2万人減と改善。
ただし、4週移動平均では183万6750人。7週連続の増加で2021年12月18日までの週(183万8000人)以来、1年11ヵ月ぶりの高水準。
足下では急増局面を形成し、直近のピークとなった今年4月の水準をわずかに上回り、コロナ直前の水準188万人付近にも相当。
失業保険継続受給者数のトレンドとしては増加傾向再加速フェーズにあり、節目水準突破へと重要局面を迎えつつあります。
22日のNY金は-8.8ドル、0.44%の反落。アジア時間には2000ドルの大台維持をかけた攻防、米10年債利回り低下に連れてロンドン序盤には2010ドル手前まで上昇。前日高値に届かず、2000ドル台後半での上値の重さを確認し、NY朝にかけては2000ドル台前半での小幅保合いに。しかし米失業保険申請件数の大幅改善を受けて大台割れトライ、さらにミシガン大インフレ期待の上振れを受けて大台割れ、NY引け後には一時1990ドル割れも、1990ドル付近ではなんとか下げ渋る状態。1990ドルの節目上抜けに伴う短期上値目標、11月高値圏2010ドル付近到達後の一服から調整局面を形成。2000ドル台が目先の上限となり、1980ドルまでのレンジで保合いの様相に、上抜けできれば10月高値(2019.7)を目標に上値トライへ、下限を維持できないようだと1950ドル近辺を目安に調整へ。
NYプラチナは-15.2ドル、1.61%安で3日ぶりの反落。940ドル維持をかけた攻防状態となったアジア時間から徐々に堅調方向へ、ロンドン市場では10月31日(951.8)以来、3週間ぶり高値となる950ドル付近まで上昇。しかし節目の950ドルにわずかに届かず失速するとNY市場では930ドル近辺へと急反落。安値では一時920ドル台前半まで下落も、前日安値を下回らずに切り返すと930ドル付近で下げ渋り。強めのレジスタンスとなりつつある950ドルの節目を突破できたなら一段高トライへ、9月高値圏990ドル近辺までが上値目標に。引き続き90日移動平均線(918.5)がサポート候補。
ドル円は114銭のドル高円安、0.77%高となって5日ぶりの反発。長めの下ヒゲ陽線を形成した前日の流れを受け継ぐ格好となり、ドル安円高の巻き戻しの流れが継続。東京朝の浅めの押し目では148円を割れず、午後には押し目買いの流れで東京市場終了時には149円台を回復。欧州時間には149円30銭台まで上昇後、NY朝には148円60銭近辺まで再調整、しかし米新規失業保険申請件数の上ブレやインフレ期待上昇などが材料視されてNY午後にかけて149円70銭台まで上昇。ただしNY終盤には149円半ば、今朝の東京時間には149円30銭台へと失速気味。急速に進行したドル安円高の流れは一服状態となり、米指標結果に一喜一憂の展開にも。148円30銭が目先の下値サポートとなり、これを割り込むようだと147円台前半の11月安値圏再トライへ。上方向には20日移動平均線(150.30)を回復できるかどうか。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場11/22終値とチャート
- 2023年11月23日(木)時点の相場
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国内金 : 10,419 円 11/22(水) ▲72(0.70%) 国内プラチナ : 4,837 円 11/22(水) ▲58(1.21%) NY金 : 1,992.8 ドル 11/22(水) ▼8.8(0.44%) NYプラチナ : 930.7 ドル 11/22(水) ▼15.2(1.61%) ドル円 : 149.53 円 11/22(水) ▲1.14(0.77%)
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