金プラチナ短期相場観
世界的インフレ収束と下げ渋りの兆候が見られる国々
更新日:2023年11月21日(火)
世界的なインフレが収束方向へ、着地点見極めフェーズへと向かうなか、その進展状況には格差も。
インフレ鈍化ペースが遅い国もあれば、元々高インフレの国もあり、行き過ぎ?でもはやインフレではない国も。さらに下げ渋りの兆候が見られる国々も。
<インフレ鈍化進行中>
EU(9月)=前年比+4.94%=7ヵ月連続の低下で1年11ヵ月ぶりの低水準。
ユーロ圏(10月)=+2.9%=6ヵ月連速低下で2年3ヵ月ぶりの低水準。
ドイツ(10月)=+3.79%=4ヵ月連続低下で2年3ヵ月ぶり低水準。
フランス(10月)=+4.5%=1年8ヵ月ぶり低水準。
イタリア(10月)=+1.8%=2年3ヵ月ぶり低水準。
オランダ(10月)=-1.0%=2ヵ月連続前年割れで少なくとも2019年以降で最低水準。
ベルギー(10月)=-1.7%=ユーロ圏最低、3年2ヵ月ぶりの前年割れ。
スロバキア(10月)=+7.8%=ユーロ圏最高、8ヵ月連続低下で1年9ヵ月ぶり低水準。
日本(9月)=+3.00%=3ヵ月連続低下で1年ぶりの低水準。
英国(10月)=+4.75%=7-9月の6%台から急低下で1年11ヵ月ぶり低水準。
<下げ渋りの兆候が見られる国>
スペイン(10月)=+3.5%=2年3ヵ月ぶり低水準となった6月(+1.6)から4ヵ月続伸で半年ぶり高水準。
ルクセンブルグ(10月)=+2.1%=2年4ヵ月ぶり低水準の6月(+1.0)から8月(+3.5)まで反発。
ギリシャ(10月)=+3.8%=5ヵ月ぶり高水準。
米国(10月)=+3.24%=2年3ヵ月ぶり低水準の6月(+2.97)の後は3%台での推移。
韓国(10月)=+3.81%=1年10ヵ月ぶり低水準の9月(+2.26)から3ヵ月続伸。
OECD(9月)=+6.23%=1年8ヵ月ぶり低水準の6月(+5.66)から反発、2ヵ月連続6%台。
G20(9月)=+6.08%=1年8ヵ月ぶり低水準の6月(+5.50)から反発、2ヵ月連続6%台。
米リッチモンド連銀のバーキン総裁はこの日、「インフレは落ち着きつつある」と現状に対する好感を示しながらも、「仕事は終わっていない」と今後の「着地点見極め」に向けては慎重姿勢。
週明け20日のNY金は-4.4ドル、0.22%の小幅続落。アジア時間には1970ドル台半ばから1980ドル台後半まで上昇、この日の高値をつけて失速すると戻り売り、ロンドン序盤に1980ドルを割れると一段安、NY市場では一時1970ドル割れ。しかし米10年債利回り低下とゆるやかなドル安の流れにもサポートされる格好となり、NY午後にかけて反発。NY引けにかけて1980ドルを回復すると、水平状態の20日移動平均線(1980.9)との攻防状態を経てNY引け後には上抜けトライ。週末の上ヒゲ十字線の流れを受け継ぐ形となっての下値トライは巻き戻されて今度は下ヒゲ十字線。上昇一服後の上げ渋りからの下げ渋りとなり、1990ドル手前での売り買い交錯状態に。1990ドルの節目を上抜けるようなら一段高へ、11月高値圏2010ドル付近までが短期上値目標に。90-200日移動平均線(1948-1949.4)が当面のサポート候補に。
NYプラチナは+25.7ドル、2.85%の大幅反発で11月3日(944.3)以来、2週間ぶりの高値。週明け時間外スタート時点で一時900ドルをわずかに下回り、安値をつけて切り返し。アジア時間には910ドル近辺で頭打ち、ロンドン・NY朝にかけては900ドル付近へと軟調推移。しかしNY午後にかけてはNY金の反発局面に追随し、920ドル台へと急反発、高値では930ドル付近まで上昇し、NY引け後には920ドル台半ばから後半を維持。20日移動平均線(904.8)を上抜けての一段高となり、2週間ぶりに90日移動平均線(919.7)も上抜けて10月高値(951.8)から11月安値(843.1)の76.4%戻し(926.1)を達成。一服感もあるものの、950ドルの節目を上抜けると980ドル付近を短期上値目標に一段高トライへも。
ドル円は124銭のドル安円高、0.83%安で3日続落。9月22日(148.36)以来、2ヵ月ぶりの安値。東京朝に149円40銭台から150円付近まで上昇、この日の高値をつけて大台回復に失敗すると戻り売りの展開へ。午後には148円70銭近辺まで下げて149円台へと反発。欧州時間には149円20銭近辺から戻り売りとなってNY朝には148円10銭近辺まで下落。150円の節目割れに伴う短期下値目安、7月安値(137.24)から11月高値(151.91)の23.6%戻し(148.45)近辺、148円半ばにしっかり到達。148円70銭近辺までの自律反発も上値は重く、NY午後には148円20銭台を中心に揉み合い推移。今朝の東京市場では148円割れを試す場面も。目先、調整一服となりやすい反面、米10年債利回り低下にも連れて調整局面継続となった場合には38.2%戻し(146.31)近辺までが意識される可能性も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場11/20終値とチャート
21日の国内金価格は-66円、0.63%の続落で10月19日(10273)以来、1ヵ月ぶりの安値。21日移動平均線(10434)に続いて9日移動平均線(10403)も下抜け、保合いレンジ下限10350円をわずかながらも下抜け。一時的な行き過ぎでなければ一段安へ、調整局面拡大へと向かう可能性。10300円割れへ、10270円程度までが短期下値目安に。
プラチナ価格は+84円、1.79%高で3日ぶりの反発。11月6日(4849)以来、2週間ぶりの高値。21日移動平均線(4718)との攻防から抜け出す形にもなり、4760円の節目も上抜けて三役好転、短期トレンドも好転へ。一段高へと向かう可能性も高まり、4800円台へと水準を切り上げ、4860円程度までが短期上値目標に。
※参考:金プラチナ国内価格11/21とチャート
- 2023年11月21日(火)時点の相場
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国内金 : 10,347 円 11/21(火) ▼66(0.63%) 国内プラチナ : 4,779 円 11/21(火) ▲84(1.79%) NY金 : 1,980.3 ドル 11/20(月) ▼4.4(0.22%) NYプラチナ : 927.4 ドル 11/20(月) ▲25.7(2.85%) ドル円 : 148.40 円 11/20(月) ▼1.24(0.83%)
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