金プラチナ短期相場観

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米5月ADP雇用も下振れ、ISM非製造業景況指数は上振れ

更新日:2024年6月6日(木)

ISM製造業・非製造業景況指数+雇用指数 2024年5月週初のISM製造業景況指数、前日の求人件数に続き、この日はADPの民間雇用者数も低調。
5月のADP雇用者数は前月比+15.2万人。市場予想の+17.5万人を下回り、下方修正された4月の+18.8万人も下回り、2ヵ月連続の低下で4ヵ月ぶりの低水準。
週末の雇用統計も低調となれば、利下げへの追い風もさらに強まる可能性。
ただし、最近では注目度低下とともにADP雇用と雇用統計NFPとの相関関係も低下。
3ヵ月平均での雇用統計とADPとの24ヵ月相関係数は昨年6月の0.90台から今年4月時点では0.69台まで低下。

予想を難しくさせる指標結果はISMの指標でも。
この日、ADPの後に発表された5月ISM非製造業景況指数は53.8。市場予想の51.0を上回り、4月の49.4からは急反発となって2ヵ月ぶりに節目50を回復。昨年8月(54.1)以来、9ヵ月ぶりの高水準に。また、前月比+4.4ポイントは1年4ヵ月ぶりの急騰。
同じISMでは製造業景況指数が予想以上に低調となって2ヵ月連続50割れとなったのとは対象的。
比較的好調なサービス業が低調な製造業を牽引する最近の構図には一致するものの、それぞれの構成指数で雇用の結果は微妙。
製造業の雇用指数は51.1となって8ヵ月ぶりの高水準、8ヵ月ぶりに節目50を回復したのに対し、非製造業の雇用指数は47.1。4月の45.9からは上昇も4ヵ月連続の節目50割れと低調。
雇用統計も、微妙な結果となるかもしれません。


5日のNY金は+28.1ドル、1.20%の反発で5月22日(2392.9)以来、2週間ぶりの高値。アジア時間の2340ドル台半ばが安値となり、2360ドルまで上昇後には2350ドル近辺へと反落。2350ドル台前半での揉み合いとなってロンドン・NY市場へ、5月ADP雇用が低調となったことを受けてのドル安局面をきっかけに上値トライ再開。2360ドル台へと上昇後にはISM非製造業景況指数の予想外の好結果を受けての急反落も一時的にとどまり、NY午後には2370ドル台へと一段高。高値では2370ドル台後半まで上昇し、NY引けにかけても2370ドル台半ばを維持。2370ドルの節目上抜けに伴う短期上値目標2420ドル近辺までを目指す流れとなる可能性も、週末の雇用統計次第で目標トライか巻き戻しか、という展開にも。2340ドルの下値サポート割れの場合には2300ドルの大台割れトライへと向かう可能性も。

NYプラチナは+4.4ドル、0.44%高で3日ぶりの反発。990ドル台後半での小幅揉み合い推移となったアジア時間からロンドン序盤に1000ドル台後半の高値をつけて反落も、NY市場では990ドル割れの安値をつけて反発。NY午後には1000ドルの大台を回復して一服状態に。一時前日安値を下回って5月9日安値(982.0)以来4週間ぶりの水準まで下げながらも、直近の下値目安1000ドルの大台付近に戻した格好。目先、990ドルが下値サポートとなり、これを割り込むようだと970ドル近辺までを目安に一段安トライへも。

ドル円は+125銭、0.81高で3日ぶりの反発。前日の下げ幅を取り戻し、5月31日(157.26)以来の水準を回復。東京朝の154円80銭近辺が安値となり、午後には155円40銭台から60銭台へ。欧州時間に156円台を回復すると156円30銭近辺まで上昇。156円20銭近辺での小康状態となったNY朝にはADP雇用が低調となって155円70銭台まで反落。しかし、その後発表されたISM非製造業景況指数が予想以上の好結果となったことを受けて156円40銭台へと急反発。ただし前日高値水準で上値を押さえられ、20日移動平均線(156.30)もレジスタンスとなってNY終盤には156円10銭近辺へ。週末の雇用統計次第の展開ながら、154円80銭の節目を割れると154円割れへと一段安トライへ、20日線をしっかり上抜けて157円30銭の節目を上抜けると今年高値圏再トライへ、158円台後半までが上値目標に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場6/5終値とチャート

6日の国内金価格は+184円、1.44%の大幅反発。前日の大幅安で12880円の節目割れに伴う短期下値目安12750円近辺到達後に、一息つく間もなく急反発となって下げ幅の9割以上を戻す、下に行って来い。9日移動平均線(12931)にもあとわずかとなり、これを回復して12940円の節目も突破できれば調整局面終息に向けての反発トライへ。5月末の戻り高値水準13080円近辺までが短期上値目標に。下方向には12740円が当面の下値サポートに、これを割り込むようだと一段安トライ、重要水準5月安値12630円も下回り、12600円割れを目指す流れにも。

国内プラチナ価格は+51円、0.95%高で3日ぶりの反発。4月末安値(4905)から5月高値(5877)の半値戻し(5391)達成後の一服となり、下げ止まりに向けては38.2%戻し(5506)程度までの巻き戻しも必要か。5380円の節目を維持できない場合には61.8%戻し(5276)近辺までが短期下値目安に。さらには5月初旬の保ち合い安値水準、76.4%戻し(5134)近辺までが一段安警戒水準にも。
※参考:金プラチナ国内価格6/6とチャート

2024年6月6日(木)時点の相場
国内金12,924 円 6/6(木) ▲184(1.44%)
国内プラチナ5,437 円 6/6(木) ▲51(0.95%)
NY金2,375.5 ドル 6/5(水) ▲28.1(1.20%)
NYプラチナ1,000.3 ドル 6/5(水) ▲4.4(0.44%)
ドル円156.12 円 6/5(水) ▲1.25(0.81%)

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