金プラチナ短期相場観

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サーム・ルール0.5%超でリセッション入り、0.3%超でも?

更新日:2024年8月10日(土)

米・失業率×サーム・ルール 2024年7月「米国はまだリセッションに陥ってはいないが、それに「不快なほど近い」」と今週発言したのが元FRBエコノミストのクラウディア・サーム氏。7月雇用統計が低調な結果となったことで、にわかに高まったリセッション懸念。その根拠の一つとして注目度急上昇の「サーム・ルール」を提唱したのがこの人。
失業率の3ヵ月移動平均と過去12ヵ月の最低値との乖離幅(失業率3MA-12ヵ月の最低)が0.5%超となれば、景気後退(リセッション)に陥る可能性が高まる、とされるサーム・ルール。
7月雇用統計で失業率が4.3%へと上昇したことにより、サーム・ルール(の乖離幅)は6月の0.4%から0.5%へと上昇し、リセッション入りサインが点灯。
過去の実績に倣えば、今後予想される展開は失業率急上昇とリセッション入り。
少なくとも、過去4回のリセッション入り局面では、サーム・ルール0.5%超で失業率は10%近辺、もしくはそれ以上へと急騰すると同時にリセッションに。
それ以前でも、1981年、1980年、1973年、1960年なども同じようなパターンでリセッション入りとなってきました。

なお、1969年にはサーム・ルールが0.2%程度までの上昇、失業率も4%程度とわずかな上昇でリセッション入りとなったケースもありました。
しかし、サーム・ルールが0.3%超となった場合には100%の確率で0.5%超、そして1%超へと一段と拡大。と同時に失業率も急騰、そしてリセッション入りとなっています。
過去の実績が100%再現されるとは限りませんが、サーム・ルールが0.3%超となって0.5%に達し、失業率も急騰し始めた現在、今後リセッション入りへと向かう確率は極めて高い状況、ということにはなりそうです。

NY金・日足+20日移動平均線 2024年8月9日9日のNY金は+10.1ドル、0.41%高で3日続伸。終値ベースでは過去最高値となった8月1日(2480.8)以来1週間ぶり、過去2番めの高値。時間外は一時2450ドル台半ばまで下げたのが安値となり、ほぼ2460ドル台での保ち合い推移、ロンドン・NY市場にかけては米10年債利回りがゆるやかに低下した流れに連れて2470ドル近辺へと上昇。米利下げ観測にサポートされての高止まりも、この水準では上値の重さも。次週、CPIなどをきっかけに上値トライとなり、2490ドル超へと抜け出すようなら一時的には最高値(2522.5)更新トライとなる可能性、短期上値目標は2530ドル付近まで。当面の下値サポートは2430ドル、これを割れると2400ドル近辺までは下げやすく、2400ドルの大台も維持できない場合には2370ドル程度までの一段安も。
週間ベースでは+3.6ドル、0.15%の小幅続伸。

NYプラチナ・日足+200日移動平均線 2024年8月9日NYプラチナは-10.0ドル、1.06%安で4日ぶりの反落。アジア時間には940ドル台半ばから上値トライ、前日高値を超えて3日連続の上値切り上げも950ドル手前で失速。200日移動平均線(950.9)にも上値を押さえられる形となって反落するとロンドン序盤には940ドル割れ、NY市場では930ドル台維持をかけた攻防状態に。安値では920ドル台半ばまで下げながらNY引け後には930ドル回復トライ。940ドルから200日線までが目先の抵抗帯となり、これを突破できれば970ドル近辺までを目安に反発トライへ。下方向には910ドルが当面の下値サポート、割り込むようだと890ドル程度までの下値切り下げへも。
金との価格差は1543.5ドル、4日ぶりに過去最大を更新。
週間ベースでは-37.7ドル、3.9%の反落。4月以来4ヵ月ぶりに52週移動平均(945.2)割れ。

USDJPY・日足+200日移動平均線 2024年8月9日ドル円は-62銭、0.42%安で4日ぶりの反落。東京朝には147円20銭台から80銭近辺まで急騰、前日高値を超えての一段高トライも7日高値手前で失速する形となり、147円台後半への抵抗感も増す格好にも。147円台での上下動と不安定な展開を経て午後には146円70銭台まで下落。欧州時間にかけて147円台回復も、NY市場にかけては米10年債利回り低下に連れて軟調推移となり、安値では146円20銭台まで下落、NY午後には146円半ばを回復して小康状態に。147円半ばが目先の上限となり、これを突破できれば149円トライへ、7月高値(161.95)から8月安値(141.70)の38.2%戻し(149.44)が上値目標に。下方向には144円ラインが当面の重要な下値サポート、割り込むようなら142円近辺までの一段安トライも。
週間ベースではわずかに+9銭、0.06%の小幅高となって6週ぶりの小反発。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場8/9終値とチャート

2024年8月10日(土)時点の相場
国内金12,566 円 8/9(金) ▲319(2.60%)
国内プラチナ4,825 円 8/9(金) ▲129(2.75%)
NY金2,473.4 ドル 8/9(金) ▲10.1(0.41%)
NYプラチナ929.9 ドル 8/9(金) ▼10.0(1.06%)
ドル円146.65 円 8/9(金) ▼0.62(0.42%)

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