金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

円キャリートレード終了で円高一服、国内金価格も調整一服へ

更新日:2024年8月13日(火)

IMM通貨先物ポジション(円)×ドル円 2024年8月6日米商品先物取引委員会(CFTC)が発表するシカゴIMM通貨先物ポジションでにおいて、投機筋の円売りポジションがほぼ解消。
8月6日時点でのポジションは売り買い差し引き11,354枚の円売りとなり、2021年3月9日(6,514枚の円買い)以来、3年5ヵ月ぶり低水準、円売り越し転換後では最小。
2021年3月16日に円売りに転換後、今年4月には17年ぶりに過去最大を更新し、7月2日時点では184,223枚まで円売りポジションが拡大。
3年余りかけて拡大してきた円売りポジションは、わずか1ヵ月ほどでそのほぼ全てを解消。

主要国で最低金利の日本円を借り入れて高金利国の金融資産等で運用する、円キャリートレードは、ほぼ終了。
今後は、純粋にドル買円売りと、円買いドル売りとの攻防。
ドル建て支払いや米国資産投資などに必要な円売りドル買いと、日本国内資産投資や円換金ニーズなどによるドル売り円買いとの攻防、
ということになります。
ここまでの急速な円高圧力は一服、ドル円はしばし下げ渋る展開が予想されそうです。
世界の金買いニーズが今後大きく後退しない限り、円高による大幅調整を余儀なくされた国内金価格も、いったん落ち着付きを取り戻す可能性が高まりそうです。

NY金・日足+20日移動平均線 2024年8月12日12日のNY金は+30.6ドル、1.24%の大幅高となって4日続伸。終値ベースでは8月1日(2480.8)以来、11日ぶりで今年26回めの過去最高値更新。終値では史上初めて2500ドルの大台超え。2470ドル付近から週明け時間外をスタートし、アジア時間の2460ドル台前半が安値となって浅めの押し目買い、ロンドン序盤に2480ドル台へと水準を切り上げるとNY市場では2490ドルの節目との攻防。これを突破するとNY午後には2500ドルの大台へ、イランによるイスラエルの報復攻撃が24時間以内、との報道などもあり中東情勢への警戒感や米10年債利回り低下などにもサポートされてNY引け後には2510ドル台へ。目先、不安定な展開も予想されるものの、一時的には最高値(2522.5)更新トライへと向かう可能性、2490ドルの節目超えに伴う短期上値目標としては2530ドル程度まで。

NYプラチナ・日足+200日移動平均線 2024年8月12日NYプラチナは+16.7ドル、1.8%の反発で8月2日(967.6)以来、10日ぶりの高値。アジア時間序盤の920ドル台半ばが安値となり、週末安値をわずかに下回りながらも切り返すと反発基調へ。ロンドン序盤に940ドル台へと水準を切り上げて940ドルの節目超え、NY市場では200日移動平均線(951.2)も上抜け、高値では一時950ドル台半ばまで上昇。しかし、これを維持できずNY午後には200日線がレジスタンスとなる形で940ドル台後半でのもみ合い推移。目先、200日線を上抜けることができれば短期上値目標970ドル近辺トライへ。当面の下値サポートは920ドル、割れると900ドルの大台前後までの下値切り下げへ。
金との価格差は1557.4ドル、2日連続で過去最大を更新。

USDJPY・日足+200日移動平均線 2024年8月12日ドル円は+57銭、0.39%の反発。東京朝の時間帯に146円70銭近辺の安値をつけてゆるやかに上昇、147円台回復トライを経て欧州時間には147円40銭台へ、NY市場では一時10日ぶり高値となる148円20銭台まで上昇。しかし米10年債利回りが低下した流れに連れ、148円台を維持できず、巻き戻しの流れとなってNY終盤には147円前半へ。イラン・イスラエル情勢悪化懸念も重石となった格好で上ヒゲを残す形となり、147円半ばの節目上抜けにも失敗。これをしっかり上抜けると7月高値(161.95)から8月安値(141.70)の38.2%戻し(149.44)近辺までが短期上値目標に。下方向には146円半ばの節目を割れると戻り売りの勢い加速となり、144円割れを目安に一段安トライへ。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場8/12終値とチャート

13日の国内金価格は連休前から+236円、1.88%の大幅高で3営業日続伸。8月2日(12820)以来、10日ぶりの高値。上昇率は今年の絶対値平均騰落率0.70%の2.7倍、今年8番めの大幅高。3日合計で649円、5.34%の急反発局面を形成し、RSIは40.7%まで上昇。9日移動平均線(12566)を上抜け、7月最高値(13743)から8月安値(12153)の38.2%戻し(12760)も達成。12920円の節目から90日移動平均線(12929)が目先の抵抗帯となる可能性、これも突破できれば短期トレンド好転と13000円の大台回復トライへと向かう可能性も。

プラチナ価格は+8円、0.17%高で3日続伸。8月2日(4994)以来、10日ぶりの高値水準を目指す回復局面が進行。しかし急降下を続ける9日移動平均線(4855)手前で失速気味に。7月高値から8月安値(4648)の23.6%戻し(4903)達成に向けては9日線超えは必須となり、これがレジスタンスとなるようだと下落トレンド継続への警戒感も再浮上。
※参考:金プラチナ国内価格8/13とチャート

2024年8月13日(火)時点の相場
国内金12,802 円 8/13(火) ▲236(1.88%)
国内プラチナ4,833 円 8/13(火) ▲8(0.17%)
NY金2,504.0 ドル 8/12(月) ▲30.6(1.24%)
NYプラチナ946.6 ドル 8/12(月) ▲16.7(1.80%)
ドル円147.22 円 8/12(月) ▲0.57(0.39%)

8/12(月)のその他主要マーケット指標

生産者物価、PPIは底打ち反発の流れ一服、7月は急減速 8/14(水)

円キャリートレード終了で円高一服、国内金価格も調整一服へ 8/13(火)

サーム・ルール0.5%超でリセッション入り、0.3%超でも? 8/10(土)

失業保険申請件数も予想を下回ってドル高、でも増加傾向は継続 8/9(金)

世界の金需要-2024年第2四半期 8/8(木)


短期相場観~よく読まれた記事一覧

明日の国内金プラチナ相場価格リアルタイム予想

PIVOT指数から見るNY金相場サポート&レジスタンスライン

PIVOT指数から見るNYプラチナ相場サポート&レジスタンスライン


RSS金プラ短期相場観 RSSリーダーで金プラチナ短期相場観を購読


ページの先頭へ