金プラチナ短期相場観
生産者物価、PPIは底打ち反発の流れ一服、7月は急減速
更新日:2024年8月14日(水)
CPIの前日発表となった7月の生産者物価指数、PPIは予想を下回ってインフレ鈍化を示唆、利下げ観測優勢論には追い風となったようです。
7月PPIは前年比+2.25%。1年4ヵ月ぶり高水準となった6月(2.72)からは-0.47%、半年ぶりの低下となって4ヵ月ぶりの低水準。低下幅は昨年10月(-0.74)以来、9ヵ月ぶりの急低下。
食品とエネルギーを除くコアPPIは前年比+2.42%。1年2ヵ月ぶり高水準となった6月(3.04)から-0.63%で7ヵ月ぶりの低下、4ヵ月ぶり低水準。低下幅は2023年3月(-1.28)以来、1年4ヵ月ぶりの急低下。
食品とエネルギー、貿易サービスを除くコア指数(コアPPI2)は前年比+3.29%。6月から+0.07%の小反発で2ヵ月ぶり高水準、1年3ヵ月では2番めの高水準。
モノの価格は前年比+0.6%となり、6月の-0.4%から急上昇、2ヵ月連続前年割れからの反発で5ヵ月ぶりの高水準。エネルギー価格が6月の-2.1%から7月は+1.9%へと急騰、5ヵ月ぶり高水準となって押し上げ。
いっぽう、サービス価格は前年比-0.2%、6月+0.4%からは急低下となり、7ヵ月ぶりの前年割れ。
生産者物価指数、PPIは2023年夏から秋にかけて底打ちし、反発の流れが続いていましたが、ここに来て一服、7月は急減速。
13日のNY金は+3.8ドル、0.15%高で5日続伸。終値ベースでは2日連続、今年27回めの過去最高値更新。5日続伸は4月以来、4ヵ月ぶりで今年3回め。時間外序盤に2510ドル付近から2510ドル台後半までの上値トライ、前日高値を上回るも2520ドルには届かず、これが高値となって失速すると2500ドル近辺へ。2500ドルの大台割れを何度も試しながらも、大台割れでは下げ渋る底堅さも。NY市場では米10年債利回り低下とドル安傾向の流れに連れて反発、米7月PPIが予想を下回って利下げに追い風となったことも好感しての一段高も2510ドル台半ばまで。時間外の高値には届かず、小さな二番天井の可能性も残して失速するとNY午後には2500ドル付近へ。目先、CPIの結果次第で上値再トライへ、最高値(2522.5)更新と2490ドルの節目上抜けに伴う短期上値目標2530ドル程度までの上昇余地も。
NYプラチナは-0.7ドル、0.07%の小反落。時間外スタート時点の950ドル付近が高値となって軟調推移、アジア時間に940ドル台前半へと小幅に水準を切り下げるとロンドン序盤には940ドル割れトライ、NY市場にかけては940ドルを挟んでの保ち合いとなって下げ渋るとNY午後には940ドル台後半を回復。変動値幅は11.3ドルにとどまり、今年の平均24.7ドルの半分未満。今年2番めの小動き。引き続き200日移動平均線(951.3)への抵抗感が強まる状態も、CPI後にNY金が一段高となってこれに追随する展開となれば、短期上値目標970ドル近辺トライへ。下方向には920ドルの節目を割り込むようだと900ドルの大台割れを試す展開にも。
金との価格差は1561.9ドル、3日連続で過去最大を更新。
ドル円は-39銭、0.26%の反落。東京朝には一時147円割れの押し目を形成して147円50銭台へ、午後には147円70銭台へと一段高。株高に連れての堅調推移で東京市場終了後には147円90銭台まで上昇。しかし148円トライに失敗する形で上値を押さえられ続けるとロンドン・NY市場にかけては米10年債利回り低下にも連れて軟調推移。7月PPIの下振れ後には、一時的には買い戻しの動きも見られたものの、売り優勢の流れ継続でNY午後には147円割れ、安値では一時146円60銭近辺まで下げながらNY終盤には80銭台へと下げ渋り。2日連続で上ヒゲを残して上値の重さを露呈も、結果的に146円半ばから147円半ばまでの小幅保ち合いレンジを維持する形でCPI待ちへ。予想外に上振れて保ち合い上抜けなら7月高値(161.95)から8月安値(141.70)の38.2%戻し(149.44)近辺までを試しに行く展開へ。逆に下抜けると144円割れ再トライへと向かう可能性も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場8/13終値とチャート
14日の国内金価格は-50円、0.39%安で4日ぶりの反落。7月最高値(13743)から8月安値(12153)の38.2%戻し(12760)を達成し、少し行き過ぎたところから巻き戻したような格好にも。12810円の節目を上抜けることができれば反発局面再開へ、ゆるやかに上昇する90日移動平均線(12935)を下抜けた21日移動平均線(12920)突破が上値目標に。下げ止まりつつある9日移動平均線(12549)が下値サポート候補。
プラチナ価格は-5円、0.1%の小幅安で4日ぶりの反落。それでも下落基調が続く9日移動平均線(4822)を上回って弱気のパーフェクトオーダーを解消、短期下落トレンド脱却に向けた流れも維持。7月高値から8月安値(4648)の23.6%戻し(4903)を回復できれれば、その先には38.2%戻し(5061)とともに21日移動平均線(5066)超えも視野に。
※参考:金プラチナ国内価格8/14とチャート
- 2024年8月14日(水)時点の相場
-
国内金 : 12,752 円 8/14(水) ▼50(0.39%) 国内プラチナ : 4,828 円 8/14(水) ▼5(0.10%) NY金 : 2,507.8 ドル 8/13(火) ▲3.8(0.15%) NYプラチナ : 945.9 ドル 8/13(火) ▼0.7(0.07%) ドル円 : 146.83 円 8/13(火) ▼0.39(0.26%)
米7月CPIに波乱なし、スローペースでのインフレ鈍化は進行 8/15(木)
生産者物価、PPIは底打ち反発の流れ一服、7月は急減速 8/14(水)
円キャリートレード終了で円高一服、国内金価格も調整一服へ 8/13(火)
サーム・ルール0.5%超でリセッション入り、0.3%超でも? 8/10(土)
失業保険申請件数も予想を下回ってドル高、でも増加傾向は継続 8/9(金)
PIVOT指数から見るNY金相場サポート&レジスタンスライン
PIVOT指数から見るNYプラチナ相場サポート&レジスタンスライン