金プラチナ短期相場観

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米消費堅調、7月小売売上高の上振れで長期金利とドル急騰

更新日:2024年8月16日(金)

米・小売売上高(前月比) 2024年7月月初の雇用統計悪化を受けて強まった米国のリセッション懸念、この判断材料の一つとして重要な意味を持つ米国の個人消費動向。その状況を示すハードデータとして、注目度がいつにも増して高まっていた小売売上高。
注目度が増した分だけ、過剰に反応したかもしれないような展開にも。

7月の小売売上高は前月比+1.0%。市場予想の+0.4%を大幅に上回り、0.0%から-0.2%へ下方修正された6月からは急反発。伸び率は1年半ぶりの高水準。
自動車関連が+3.6%となって牽引、電気製品も+1.6%、食料品店+1.0%、飲食店+0.9%なども好調。

セントルイス連銀のムサレム総裁はこの日、「金利調整が適切な時期近づいている可能性も」との発言。少し前まで慎重姿勢だったこの人も9月利下げに賛同。
言われなくても9月利下げは確実な状況ながら、リセッション懸念後退とともに9月の0.5%利下げ予想も後退。

NY金・日足+20日移動平均線 2024年8月15日15日のNY金は+12.7ドル、0.51%の反発。前日NY市場での急反落後の自律反発の流れはこの日の時間外もゆるやかに継続、時間外は2480ドル台からロンドン序盤には2490ドル台、NY朝にかけては2500ドルの大台回復トライ、高値では一時2510ドル手前まで上昇。しかし米7月小売売上高の予想外の好結果を受けて急反落、一時2470ドル割れへと30ドル超の下落でこの日の安値をつけて切り返すとNY午後には2490ドル台を回復。リセッション懸念後退で大幅利下げ観測も後退したことを好感する格好にもなり、十字線に近い足型を形成して下げ渋り。下値サポートを2470ドルへと切り上げて2510ドルまでが目先の主要レンジに。高値保ち合い上抜けなら最高値更新へ、短期上値目標は2550ドル近辺、下抜けると2420ドル近辺までを短期下値目安に調整へ。

NYプラチナ・日足+20日移動平均線 2024年8月15日NYプラチナは+35.5ドル、3.82%の大幅高で3日ぶりの反発。8月2日(967.6)以来、2週間ぶりの高値水準へと切り返し。上昇率は今年の絶対値平均騰落率1.40%の2.7倍、今年3番めの急騰。前日安値圏930ドル近辺で下げ渋る状態で時間外をスタート、安値では930ドル割れも前日安値を下回らずに切り返すとロンドン序盤には940ドル台へ。NY朝には米指標結果を受けての乱高下を経て950ドルの節目を上抜け、20日移動平均線(951.1)と200日移動平均線(951.7)も上抜けて一段高、NY午後には高値で970ドル付近まで上昇。安値圏での保ち合いから抜け出す形となり、7月末高値圏990ドル付近までを短期目標にもう一段の上昇余地も。

USDJPY・日足+20日移動平均線 2024年8月15日ドル円は+202銭、1.37%の続伸で7月31日(150.03)以来、半月ぶりの高値。ほぼ147円前半での保ち合い推移で東京・欧州時間を通過、NY朝には米7月小売売上高の上振れを受けて147円20銭台から148円80銭台まで、1円60銭の急騰で反応。予想外の好結果を受けて米10年債利回り急騰ともに高値では149円30銭台まで上昇。その後の反動安局面でも148円80銭近辺までにとどまり、NY終盤には149円40銭付近へと再上昇。消費好調を好感した流れで保ち合いを上抜け、短期上値目標、7月高値(161.95)から8月安値(141.70)の38.2%戻し(149.44)近辺にもほぼ到達。上値トライ一服となり、20日移動平均線(150.23)トライには少し時間も必要に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場8/15終値とチャート

16日の国内金価格は+192円、1.51%の大幅高で3日ぶりの反発。7月31日(12911)以来、半月ぶりの高値水準。反発局面腰折れか、と思われたところからの切り返しで12810円の節目を上抜け、21日移動平均線(12841)も上抜け。反発局面再開となって12900円の大台回復を短期上値目標に、もう少しの上昇余地も。短期下値サポートは12680円、割れると9日移動平均線(12536)近辺、12530円近辺までが短期下値目安に。
週間ベースでは+311円、2.47%の大幅反発。

プラチナ価格は+200円、4.21%の大幅高で3日ぶりの反発。8月2日(4994)以来、2週間ぶりの高値。上昇率は今年の絶対値平均騰落率1.20%の3.5倍、今年3番めの急騰。戻り売りが押し目となって切り返し、9日移動平均線(4780)を再度上抜けて弱気パーフェクトオーダーも解消しての一段高。4840円の節目上抜けに伴う短期上値目標4900円の大台回復も達成してオーバーラン。過熱感はないものの、21日移動平均線(5001)と5000円の大台手前では一服感も。短期トレンド好転後の一段高トライに向けては多少の調整もはさんでその先に。4750円が当面の下値サポート、割り込むようだとトレンド崩れ、8月安値圏4650円近辺再トライへ。
週間ベースでは+127円、2.63%の大幅高で6週ぶりの反発。
※参考:金プラチナ国内価格8/16とチャート

2024年8月16日(金)時点の相場
国内金12,877 円 8/16(金) ▲192(1.51%)
国内プラチナ4,952 円 8/16(金) ▲200(4.21%)
NY金2,492.4 ドル 8/15(木) ▲12.7(0.51%)
NYプラチナ965.1 ドル 8/15(木) ▲35.5(3.82%)
ドル円149.35 円 8/15(木) ▲2.02(1.37%)

8/15(木)のその他主要マーケット指標

ミシガン大消費者信頼感指数も予想を上回って下げ渋り 8/17(土)

米消費堅調、7月小売売上高の上振れで長期金利とドル急騰 8/16(金)

米7月CPIに波乱なし、スローペースでのインフレ鈍化は進行 8/15(木)

生産者物価、PPIは底打ち反発の流れ一服、7月は急減速 8/14(水)

円キャリートレード終了で円高一服、国内金価格も調整一服へ 8/13(火)


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