金プラチナ短期相場観
猛暑の夏終盤、避暑地ジャクソンホールで金融政策正常化へ
更新日:2024年8月19日(月)
身の危険を感じた猛暑も終盤。もう少しの辛抱で「従来の暑さ」へ、暑さレベルも正常化へと向かう可能性も期待される8月第4週。
週末には避暑地、ジャクソンホールで開催されるカンザスシティー連銀主催の年次シンポジウムでパウエルFRB議長が講演。通称「ジャクソンホール講演」で9月利下げ開始が示唆されるとの見方がもっぱら。
米FRBの金融政策正常化への道筋がスタートする可能性は高く、今年のFOMCで投票権を保有する地区連銀総裁たちは先行して利下げ開始を示唆。
FOMC議長を務めるNY連銀ウイリアムズ総裁は7月以降「数カ月以内に利下げ妥当となる可能性」に言及。クリーブランド連銀メスター総裁退任に伴う代理投票権を持つシカゴ連銀グールズビー総裁は先日「必要以上の金融引き締め不要」と利下げ催促を匂わす発言。
リッチモンド連銀バーキン総裁も今月に入って「インフレ鈍化を楽観、政策見極める余地」との発言、アトランタ連銀ボスティック総裁はつい最近、「9月利下げに「オープン」」。サンフランシスコ連銀デイリー総裁も今週「金利調整検討する時期」と積極派に。
パウエルFRB議長も9月利下げに積極姿勢を見せることになれば、市場には安心感。市場のテーマは今後、年内と来年に向けての利下げペースへ、と移行することにも。
19日の国内金価格は+147円、1.14%の大幅続伸で7月24日(13209)以来、4週ぶりの高値。12810円の節目上抜けに伴う短期上値目標12900円の大台に到達。さらに一段高となり、ゆるやかな上昇軌道を維持する90日移動平均線(12955)も7月末以来、3週間ぶりに上抜け。RSIは50.6%と中立に戻して一服、目先は90日線が下値サポートとなるかどうか。値幅的には7月最高値(13743)から8月安値(12153)の半値戻し(12948)を達成した状態。これもサポートとなれば次の上値トライ目標としては61.8%戻し(13136)近辺までが意識される可能性。
一目均衡表では転換線(12589)と基準線(12948)を上抜けて一役好転。雲の下限(13050)と上限(13193)も射程圏内に。遅行線は26日前価格(13422)を大きく下回るものの、次週には26日前価格が急落局面を迎えることから、月末月初に向けてはさらに大きく地合い改善、となる可能性も。ただし、二役逆転から抜け出せない状態が続くようだと下押し圧力が再び強まる可能性も。
プラチナ価格は-41円、0.83%の反落。4840円の節目上抜けに伴う短期上値目標4900円の大台回復達成後のオーバーランから巻き戻し。急降下が続く21日移動平均線(4977)手前では急ブレーキとなった格好にも。下げ止まって反発に転じた9日移動平均線(4792)が目先の下値サポートとなれば、反発局面継続への可能性も。4960円の節目を上抜けると5000円の大台回復が短期上値目標に。
一目均衡表では基準線(5131)を下回るも転換線(4800)を上抜けて一役はもみ合い状態。ただし、雲の下限(5391)を大きく下回り、遅行線と26日前価格(5566)との下方乖離幅はそれ以上。二役逆転解消には相応の時間も必要に。7月高値(5730)を起点に急降下してきた流れで形成するレジスタンスラインにぶつかった格好にもなり、目先の重要な攻防ラインにも。これを突破できれば7月高値から8月安値(4648)の38.2%戻し(5061)回復トライへ。
※参考:金プラチナ国内価格8/19とチャート
- 2024年8月19日(月)時点の相場
-
国内金 : 13,024 円 8/19(月) ▲147(1.14%) 国内プラチナ : 4,911 円 8/19(月) ▼41(0.83%) NY金 : 2,537.8 ドル 8/16(金) ▲45.4(1.82%) NYプラチナ : 962.4 ドル 8/16(金) ▼2.7(0.28%) ドル円 : 147.60 円 8/16(金) ▼1.75(1.17%)
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