金プラチナ短期相場観
コアCPIは予想以上に下げ渋り、失業保険は予想外の大幅増
更新日:2024年10月11日(金)
CPIは鈍化継続、コアCPIは下げ渋り。いずれも市場予想を上回るも、同時に発表された新規失業保険申請件数が予想外の大幅増となり、為替も金も乱高下。
9月の消費者物価指数、CPIは前年比+2.44%。市場予想の+2.3%を上回るも、8月からは-0.09%で6ヵ月連続低下、3年7ヵ月ぶりの低水準。
コアCPIは前年比+3.31%。市場予想の+3.2%を上回り、8月から+0.11%で2ヵ月連続の上昇。5月(3.42)以来、4ヵ月ぶりの高水準。
セクタ別では、
エネルギーが前年比-6.8%。8月の-4.0から一段と低下、1年2ヵ月ぶりの低水準。食品は+2.3%で前月の+2.1%から上昇、8ヵ月ぶりの高水準。
食品とエネルギーを除くモノの価格は-1.0%。前月の-1.9%から上昇、9ヵ月連続の前年割れも、半年ぶりの高水準。
エネルギー関連を除くサービス価格は+4.7%。前月の4.9%から低下、2年半ぶりの低水準。
主な項目では、
ガソリン価格が前年比-15.3%。8月の-10.3%から一段と低下、4ヵ月連続の前年割れで1年2ヵ月ぶりの低水準。
賃貸住宅は前年比+4.8%で8月の+5.0%から低下、2年5ヵ月ぶり低水準。帰属家賃は+5.2%。前月の5.4%から低下、2年4ヵ月ぶり低水準。
エネルギー関連の低下が総合指数の低下に貢献。サービス価格と住宅関連は低下傾向持続も依然として高水準、コアCPIを下支え。
クリーブランド連銀のメディアンCPIは前年比+4.08%。前月から-0.09%の続落で2年9ヵ月ぶりの低水準。
16%トリム平均CPIは前年比+3.17%。前月から-0.05%で6ヵ月連続の低下、3年2ヵ月ぶりの低水準。
アトランタ連銀のスティッキーCPIは前年比+3.98%。前月から-0.1%で6ヵ月続落、2年9ヵ月ぶりの低水準。
いずれもインフレ鈍化は継続中。
10日のNY金は+13.3ドル、0.51%高で5日ぶりの反発。アジア時間には前日安値圏2620ドル台で下げ渋り、2630ドル台へと水準を切り上げてロンドン・NY朝へ。米9月CPIが予想を上回り、新規失業保険申請件数が大幅増となった結果には乱高下の反応。インフレ高止まりで今後の利下げ観測後退懸念から一時2620ドル割れへと急落も、これが安値となって切り返すと2640ドル台へ、2640ドルを挟んでの揉み合いを経てNY引け後には2640ドル台後半へと反発の流れに。結果的に2650ドルの節目割れに伴う短期下値目安2600ドル近辺を目指した流れは2610ドル台後半までにとどまって折り返し。目先は2620ドルを下限に2700ドルまでが主要レンジに。20日移動平均線(2649.1)を上抜けるともう少しの反発局面継続も。2620ドル割れの場合にはあらためて2600ドル近辺再トライへ。
NYプラチナは+18.9ドル、1.97%高で6日ぶりの反発。990ドルの節目割れに伴う短期下値目安940ドル近辺を目指した調整局面は前日安値(953.0)まで、目標には少し届かず折り返し。200日移動平均線(960.6)にサポートされての反発局面はこの日も続き、時間外スタート時点の960ドル近辺がこの日の安値となり、アジア時間には970ドル近辺まで上昇。ロンドン・NY朝にかけては960ドル付近までのレンジで保ち合い、これが押し目となる形で反発局面再開、NY午後には970ドル台後半、NY引け後には980ドル台へと一段高。下値トライを終えて950ドルが当面の主要レンジ下限となる可能性、維持できないようならあらためて940ドル前後までの下値切り下げも。反発方向へは20日移動平均線(990.7)と直近の節目990ドル近辺が抵抗線となるかどうか。
ドル円は-74銭、0.50%安で3日ぶりの反落。東京時間には149円台を維持して午後には一段高トライで149円50銭台まで上昇、8月2日(149.77)以来2ヵ月ぶり高値をつけて失速すると欧州時間には149円割れ。NY朝にはCPIと新規失業保険申請件数の結果を受けて乱高下、148円80銭台から149円50銭台まで、この日の高値近辺まで急騰後には148円20銭台へと急反落。この日の安値をつけた後は148円半ばでの保ち合いを経てNY終盤には148円50銭台へと収束。148円80銭の節目突破に伴う短期上値目標150円台半ばを目指した流れは失業保険申請件数の大幅増を受けて腰折れ、149円50銭台までにとどまって上値トライは一服。揺れ動く利下げ見通しにも左右されながら、高値保ち合いの様相にも。目先、149円40銭超へと抜け出せば上値トライ再開で150円台半ば再トライへ。下方向には148円を割れると147円割れへと一段安トライへ。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場10/10終値とチャート
11日の国内金価格は+99円、0.72%の続伸。9日移動平均線(13649)にサポートされ、強気のパーフェクトオーダーを構成して9月以降の上昇トレンドが継続。短期的には13640円から13850円までのレンジ、最高値圏での保ち合いを形成。下限を割れるとパーフェクトオーダーと上昇トレンドが崩れる形となり、13550円辺りまでが短期下値目安に。上限突破なら13900円の大台トライへ。
週間ベースでは+59円、0.43%高で5週続伸。5週続伸は4月以来、半年ぶりで今年2度め。
プラチナ価格は+93円、1.88%の続伸。上昇軌道の21日移動平均線(4921)にサポートされ、ゆるやかに上昇再開の9日移動平均線(4996)を上抜け、崩れかけた上昇トレンド再開に向けての反発局面が継続。下落基調の90日移動平均線(5105)から5110円の節目までの抵抗帯を突破できれば一段高トライへ、5220円程度までが短期上値目標。4910円の節目割れなら下値トライ再開、4860円程度までが短期下値目安。
週間ベースでは-22円、0.44%の続落。
※参考:金プラチナ国内価格10/11とチャート
- 2024年10月11日(金)時点の相場
-
国内金 : 13,763 円 10/11(金) ▲99(0.72%) 国内プラチナ : 5,029 円 10/11(金) ▲93(1.88%) NY金 : 2,639.3 ドル 10/10(木) ▲13.3(0.51%) NYプラチナ : 976.2 ドル 10/10(木) ▲18.9(1.97%) ドル円 : 148.57 円 10/10(木) ▼0.74(0.50%)
生産者物価PPIも総合指数は鈍化継続、コアPPIは下げ渋り 10/12(土)
コアCPIは予想以上に下げ渋り、失業保険は予想外の大幅増 10/11(金)
原油価格急落で9月CPIも低下予想、実質賃金上昇率は一段高へ 10/10(木)
米8月貿易収支で輸出は過去最大、貿易赤字は5ヵ月ぶり低水準 10/9(水)
10月入りで遅行線は急反発、ドル円月足では148円の攻防へ 10/8(火)
PIVOT指数から見るNY金相場サポート&レジスタンスライン
PIVOT指数から見るNYプラチナ相場サポート&レジスタンスライン