金プラチナ短期相場観

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原油価格急落で9月CPIも低下予想、実質賃金上昇率は一段高へ

更新日:2024年10月10日(木)

実質賃金上昇率(賃金上昇-CPI) 2024年8月NY原油価格は月間平均で8月の75.31ドルから9月は69.24ドル、3年1ヵ月ぶり安値へと急低下。
原油価格の急落により、CPIの総合指数も8月の前年比+2.5%台から9月は+2.3%程度へ一段と低下することが予想されています。
足下で賃金上昇率が下げ渋っていることにより、賃金上昇率からCPIを差し引いた実質賃金上昇率は8月時点で13ヵ月ぶり高水準となっていましたが、9月には一段と上昇することが予想されます。
CPIが予想通り+2.30%なら、実質賃金上昇率は8月の前年比+1.36%から9月は1.67%へと上昇。2023年6月(1.69)以来、1年3ヵ月ぶり高水準に。
もし、CPIが前年比+2.27%以下へと低下した場合の実質賃金上昇率は+1.70%となり、2021年3月(1.86)以来、3年半ぶりの高水準に。

前年比+3.2%程度で横ばい推移が予想されるコアCPIとの格差で見ると、8月時点での実質賃金は+0.70%。これでも14ヵ月連続のプラス圏推移で2021年10月(0.89)以来、2年10ヵ月ぶりの高水準。
コアCPIが9月も+3.20%で横ばい推移となった場合、実質賃金は+0.77%。コアCPIがもし、+3.07%以下へと低下した場合の実質賃金は+0.90%となり、2021年3月(2.84)以来、3年半ぶりの高水準に。
いずれにしても、市場予想どおりのインフレ鈍化ペースでも実質賃金は高止まり、予想よりも少しインフレ鈍化が進行すれば実質賃金上昇率は一段と加速することに。
米国の個人消費を下支え、から押し上げへ、米国経済の好調持続要因となり、ひいては今後のインフレ押し上げ要因となる可能性も孕みそうです。

NY金・日足+20日移動平均線 2024年10月9日9日のNY金は-9.4ドル、0.36%安で4日続落。9月19日(2614.6)以来、3週間ぶりの安値。時間外は2640ドル台前半が高値となって何度も上値を押さえられ、下値は徐々に切り下げる形で2630ドル割れを試す場面も。NY市場では米10年債利回り上昇とドル高の流れに押されて上値も切り下げ、NY午後には2620ドル台へと収束。今年の平均値幅33.4ドルに対してこの日は20.1ドルと6割の小動きにとどまるなかでゆるやかに水準を切り下げる格好にとなり、2650ドルの節目割れに伴う短期下値目安2600ドル近辺を目指す流れが進行。もう少しの調整余地。

NYプラチナ・日足+200日移動平均線 2024年10月9日NYプラチナは-4.7ドル、0.49%安で5日続落。9月11日(956.2)以来、4週間ぶりの安値。時間外の960ドル台後半が高値となり、NY市場では950ドル台へ。安値では950ドル台前半まで下げながらNY引け後には960ドル台へと反発。この日の変動値幅は16.4ドル、今年の平均24.6ドルの3分の2にとどまる小動き。990ドルの節目割れに伴う短期下値目安940ドル近辺を目指す調整局面が続き、もう少しの下げ余地を残しながら、水平状態の200日移動平均線(960.6)との攻防にも。

USDJPY・日足+20日移動平均線 2024年10月9日ドル円は+111銭、0.75%の続伸で8月15日(149.35)以来、2ヵ月ぶりの高値。前日の下ヒゲ十字線で下げ渋った流れを受け継ぐ形で堅調推移。東京朝の148円ちょうど付近が安値となり、東京市場終了時には148円60銭台、欧州時間には148円70銭台へと上値を切り上げ、NY市場では米10年債利回り上昇にも連れ、148円80銭の節目を上抜けて一段高。149円台へと水準を切り上げるとNY午後には高値で149円30銭台まで上昇。目先はCPIの結果次第ながら、上方向には148円80銭の節目突破に伴う短期上値目標150円台半ばを目指す展開へ。下方向へと巻き戻しの展開となった場合、148円の節目を維持できないようだと調整進行、146円割れを目指す流れにも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場10/9終値とチャート

10日の国内金価格は+16円、0.12%高で3日ぶりの小反発。9日移動平均線(13605)手前で下げ渋る形となり、強気のパーフェクトオーダーもなんとかキープ。ただし反発への勢いは弱く、13640円の節目を割れると一段安トライへ、9日線割れへと向かい、13580円程度までが短期下値目安に。少し勢いづくと13470円辺りまでが意識される可能性も。想定外の展開で最高値更新となれば13900円の大台トライへも。

プラチナ価格は+24円、0.49%高で3日ぶりの反発。5050円の節目割れに伴う短期下値目安4950円近辺に到達して一服、若干のオーバーランからの巻き戻しへ。崩れかけた上昇トレンド再開に向けては9日移動平均線(4989)上抜けは必須で、されにこれを上向きへと引き上げる必要も。5110円の節目超えなら上値トライ再開、5220円程度までが上値目標に。4910円の節目割れなら下値トライ再開、21日移動平均線(4905)と4900円の大台割れへ、4860円程度までが短期下値目安に。
※参考:金プラチナ国内価格10/10とチャート

2024年10月10日(木)時点の相場
国内金13,664 円 10/10(木) ▲16(0.12%)
国内プラチナ4,936 円 10/10(木) ▲24(0.49%)
NY金2,626.0 ドル 10/9(水) ▼9.4(0.36%)
NYプラチナ957.3 ドル 10/9(水) ▼4.7(0.49%)
ドル円149.31 円 10/9(水) ▲1.11(0.75%)

10/9(水)のその他主要マーケット指標

コアCPIは予想以上に下げ渋り、失業保険は予想外の大幅増 10/11(金)

原油価格急落で9月CPIも低下予想、実質賃金上昇率は一段高へ 10/10(木)

米8月貿易収支で輸出は過去最大、貿易赤字は5ヵ月ぶり低水準 10/9(水)

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