金プラチナ短期相場観

コアCPIは横ばいもインフレ低下基調継続、利下げ催促も継続
更新日:2025年5月14日(水)
米労働省が発表した4月の消費者物価指数、CPIは前年比+2.31%。市場予想の+2.4%を下回り、前月から-0.08%、小幅に3ヵ月続落で2021年2月(1.68)以来、4年2ヵ月ぶりの低水準。
コアCPIは前年比+2.78%。市場予想の+2.8%にほぼ一致、3月からはわずかに-0.01%。ほぼ同水準ながら3ヵ月続落、2021年3月(1.65)以来、4年1ヵ月ぶりの低水準。2ヵ月連続3%割れ。
セクタ別では食品(+2.8%)とエネルギー(-3.7%)が低下し、サービス価格は前年比+3.6%。依然高水準ながらも2021年11月(3.4)以来、3年5ヵ月ぶりの低水準へと減速。
モノの価格は前年比+0.1%となり、低水準ながら1年4ヵ月ぶりのプラス圏へと上昇。
主要項目では、賃貸住宅が前年比+4.0%で3年2ヵ月ぶり低水準の3月から変わらず、帰属家賃は+4.3%、3年2ヵ月ぶり低水準へとゆるやかな低下傾向が継続。
トランプ関税の影響は4月も限定的に。
クリーブランド連銀のメディアンCPIは前年比+3.46%。3月から-0.02%、ゆるやかながらも13ヵ月続落で2021年10月(3.20)以来、3年半ぶりの低水準。
16%トリム平均CPIは+2.97%。前月から-0.02%、5ヵ月続落で2021年5月(2.71)以来、3年11ヵ月ぶりの低水準。
アトランタ連銀のスティッキーCPIは+3.21%。前月から-0.07%で13ヵ月続落、3年半ぶりの低水準。
いずれの指標でも、インフレはゆるやかに低下傾向が継続中。
この結果を受けてトランプ大統領は再びFRBに利下げを催促。トランプ関税の影響が今後警戒される状況と、雇用情勢が堅調な現状をにらみながら、パウエルFRB議長は我慢の時間が続きます。
13日のNY金は+19.8ドル、0.61%の反発。米中関税一時停止合意を受けてドル買い金売りとなった前日の流れが若干巻き戻され、アジア時間の3220ドルが安値となってロンドン序盤にかけて3270ドルまで上昇。これが高値となって失速するとNY市場にかけては3250ドル台を中心に保ち合い推移、米CPIが市場予想を下回ったものの反応は限定的に。3300ドルの節目割れに伴う短期下値目安3100ドル台前半を目指す流れは前日安値3210ドル付近までにとどまって折り返し、3220ドルが目先の主要レンジ下限となり、3350ドルを上限に保ち合い形成の様相に。あらためて下限を割り込めば3180ドル程度までが短期下値目安に。
NYプラチナは+16.6ドル、1.70%の反発。アジア時間の970ドル台半ばが安値となってNY金の反発局面に追随、ロンドン市場で990ドル台前半まで上昇。しかし990ドル台では上値も重く、NY市場では990ドルをはさんで小幅揉み合い推移。引き続き970ドルから1000ドル近辺までのレンジで保ち合い継続。上限突破に成功すると今年高値圏1050ドル近辺が短期上値目標に、下限割れなら920ドル近辺までを目安に下値トライへ。
ドル円は-101銭、0.68%の反落。5年間で最大の陽線を形成した前日の上げ幅の3分の1を調整、東京朝の148円40銭台が高値となって午後には147円60銭台まで下落。ほぼ147円後半での保ち合いで欧州時間を通過するとNY朝にはCPI発表前までに148円台を回復、結果への反応は限定的ながら一時148円20銭台まで上昇して失速、戻り売りとなってNY午後には147円半ばへ。安値では147円30銭台まで。146円の節目上抜けに伴う短期上値目標147円近辺到達後の一段高で、水準としては1月の今年高堰(158.87)から4月の今年安値(139.89)までの38.2%戻し(147.14)を達成して少し行き過ぎたところからの巻き戻し、という状態に。148円半ばが目先の上限となり、これを突破できれば半値戻し(149.38)、149円半ば辺りまでが次の上値目標に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場5/13終値とチャート
14日の国内金価格は-37円、0.22%の反落で前日の反発分を巻き戻し。今年の絶対値平均騰落値幅140円の4分の1ほどの小動きが続き、ボラティリティ再拡大への警戒感も。16820円から16870円までの小幅保ち合いの形にもなり、下方ブレイクとなれば16580円近辺までを目安に一段安トライへ。上方ブレイクなら最高値更新トライへ、短期上値目標は17130円辺りまで。
プラチナ価格は前日から変わらず、4月2日(5104)以来、6週間ぶり高値圏でフリーズ。昨年春以降のコアレンジと言える4900円から5200円までのなかでもその中心レンジ5000円台、さらにその半ばに位置。90日移動平均線(5024)、200日移動平均線(5020)などが目先のサポートとなって上半分のレンジへと上方シフトできるか。現状の中立水準が抵抗帯となって下半分のレンジへと押し戻されるか。重要水準での攻防が静かに継続中。
※参考:金プラチナ国内価格5/14とチャート
- 2025年5月14日(水)時点の相場
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国内金 : 16,829 円 5/14(水) ▼37(0.22%) 国内プラチナ : 5,060 円 5/14(水) +-0(0.00%) NY金 : 3,247.8 ドル 5/13(火) ▲19.8(0.61%) NYプラチナ : 992.2 ドル 5/13(火) ▲16.6(1.70%) ドル円 : 147.46 円 5/13(火) ▼1.01(0.68%)
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