金プラチナ短期相場観

金を買い続ける中国、2-3年後には世界トップ5の金保有大国に?
更新日:2025年5月13日(火)
コインやインゴッドなど、金現物投資需要と宝飾品需要を合わせた金消費需要では既に世界一の金消費需要大国、中国は、中銀の金保有量でも世界有数の金保有国大国へとその存在感を高めています。
中国人民銀行が公表する金準備は、4月時点で2294.5トンへと増加。
中央銀行が国際決済や外貨準備として保有する通貨の一部として、中国では米ドル依存を減らす意向があるものと推測され、米国債の売却(も推測される)とともに、金の購入が進められています。
2024年には半年ほど横ばい推移が続いた後、トランプ大統領が当選した11月から金の購入を再開、4月までの半年間で30トン余りの増加となっています。
仮に、このペースが続いた場合(上位国に変動がない場合)、今年3月末時点で中銀の金保有量世界7位の中国は8ヵ月後、今年年末にはロシア(2329.6トン)を抜いて世界6位へ。
2年半後の2027年11月頃、トランプ大統領の任期中にもフランス(2437.0トン)を抜き、世界5位の金保有大国となる可能性も。
追加関税の90日間停止を決めた米中協議の今後の行方も、中国人民銀行の金準備積み増し動向に影響を与えるかもしれません。
12日のNY金は先週末から-116.0ドル、3.47%の大幅反落で5月1日(3222.2)以来の安値。下落率は今年の絶対値平均1.05%の3.3倍、今年2番めの急落。週末の米中協議進展を受けてリスク回避の巻き戻しが急速に進行し、週末の3330ドル近辺から週明け時間外は3300ドルの節目を割り込んでスタートし、3250ドル近辺まで急落。一服後は3280ドル近辺まで戻して保ち合い推移となり、ロンドン序盤には「米国は中国製品への関税を145%から30%へ、中国は125%から10%へ90日間引き下げ」との米中共同声明を受けて3250ドル割れへと一段安、安値では3210ドル近辺まで下落。NY市場での自律反発も3250ドル付近までにとどまり、NY引け後にも3200ドル前半での保ち合いに。3300ドルの節目割れに伴う短期下値目安3100ドル台前半を目指す流れは5月安値圏、3200ドル付近でいったんサポートされた可能性も。これを維持できれば3350ドルの上限までのレンジで保ち合い形成にも。
NYプラチナは-26.0ドル、2.60%の反落。週明けスタート時点で一時1000ドル割れ後、アジア時間には大台を維持して1010ドル付近まで上昇して失速。ロンドン序盤の米中共同声明を受けたNY金の急落に追随する格好となり、大台を割り込んで980ドル近辺まで急落。安値では970ドル台前半まで下落もNY市場では970ドル台半ばでは下げ渋り、970ドル台後半での小幅保ち合いに。1000ドルの節目超えに伴う短期上値目標1030ドル近辺を目指す流れは今回も出だしで躓いて失敗。1000ドルの大台近辺の抵抗帯を抜け出せずに反落も、短期下値サポート970ドル付近では踏み止まる形に。これを維持できなくなれば940ドル近辺までを目安に下値トライへ。あらためて1000ドル近辺の抵抗帯を突破できれば今年高値圏1050ドル近辺を目指す流れにも。
ドル円は+310銭、2.13%の大幅反発で4月2日(149.37)以来、6週間ぶりの高値。上昇率では今年の絶対値平均騰落率0.58%の3.67倍、今年最大で2020年3月19日(266銭、2.46%)以来、5年2か月ぶりの急騰。週末の145円30銭台から、週明けは146円10銭台へと大きく窓開けスタート後に145円80銭台へと失速。東京時間は146円を挟んでの保ち合いで通過すると欧州時間序盤に米中の追加関税一時停止報道を受けて146円近辺から148円20銭台まで急騰。147円後半までの下押しを挟んで高値では148円60銭台まで上昇。リスク回避の巻き戻しとともに利下げ観測後退もサポート材料となり、過去最大水準に積みあがっていた円買いポジションの巻き戻しも急速に進行した可能性も。146円の節目上抜けに伴う短期上値目標147円近辺到達後も一段高となり、目先は追加材料がなければ一服、多少の調整も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場5/12終値とチャート
13日の国内金価格は+40円、0.24%高で3日ぶりの反発。5月1日(16363)から8日(17089)までの急騰で最高値を更新後、急騰幅の38.2%戻し(16812)付近まで適度な調整を終えて一服。ただし上値トライ一服感のほうがまだ強く、流れとしては軟調方向へと傾斜。16820円が目先のサポートとならない場合にはもう一段の調整となって16600円割れへ、16580円程度までが短期下値目安に。16820円の節目を維持できれば最高値圏での保ち合い形成へ。
プラチナ価格はわずかに+1円、0.02%の小幅高で3日続伸。4月2日(5104)以来、6週間ぶり高値圏で小康状態に。短期的には多少の行き過ぎからの一服で下げ渋る状態となり、時間調整を含めて5000円の大台を維持し続けるようなら主要レンジ上方シフトへの流れにも。中長期中立水準上抜けに向けては2月の今年高値(5311)から4月の今年安値(4532)の76.4%戻し(5127)が節目にも。
※参考:金プラチナ国内価格5/13とチャート
- 2025年5月13日(火)時点の相場
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国内金 : 16,866 円 5/13(火) ▲40(0.24%) 国内プラチナ : 5,060 円 5/13(火) ▲1(0.02%) NY金 : 3,228.0 ドル 5/12(月) ▼116.0(3.47%) NYプラチナ : 975.6 ドル 5/12(月) ▼26.0(2.60%) ドル円 : 148.47 円 5/12(月) ▲3.10(2.13%)
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