金プラチナ短期相場観

求人件数は予想外に下げ渋り、求人倍率も節目1.0超を維持
更新日:2025年6月4日(水)
米求人件数は大方の予想に反して、増加。
米労働省発表の月次求人労働異動調査(JOLTS:Job Openings and Labor Turnover Survey)で4月の求人件数は739.1万人。市場予想の710万件程度を上回り、3月(720)からは19.1万人の増加、+2.65%で2ヵ月ぶりの高水準。
ただし、2021年2月以降の4年3ヵ月では3番めの低水準(最低は2024年9月の710.3万人)。直近5ヵ月は連続700万人台で下げ渋り。
先月発表された4月の雇用統計では、失業者数が716.5万人。3ヵ月連続の増加で2021年10月(727.9)以来、3年半ぶりの高水準。
失業者数はゆるやかに増加傾向、しかし求人件数の減少傾向にはいったん歯止めがかかり、足下では下げ渋り。
この結果、失業者1人当たりの求人件数、求人倍率も下げ渋り。
4月の求人倍率は1.03件。3年11ヵ月ぶり低水準となった3月(1.02)をわずかに上回り、4年間では3番めの低水準。
直近3ヵ月は1.10未満、13カ月連続1.20未満での推移が続き、節目の1.0件を割り込みそうで割り込まない状態が継続。
トランプ関税などによる経済的不確実性が高まるなか、米労働者への需要は依然として底堅く推移しています。
3日のNY金は-20.1ドル、0.59%の反落。アジア時間序盤に3420ドル手前まで上昇し、5月8日(3422.0)以来4週間ぶりの高値をつけて失速。3350ドルの節目上抜けに伴う短期上値目標3420ドル近辺に到達したことから上値トライ一服となって調整へ。ドル高基調にも連れ、ロンドン序盤には3390ドル割れ、NY市場では米4月求人件数の予想外の好結果を受けて一時3360ドル割れ。ただしNY午後には3370ドル台半ばへと下げ渋り。3310ドルから3400ドルまでが目先の主要レンジとなり、あらためて3400ドル超へと切り返すことができれば最高値圏再トライ、3450ドル近辺までが短期上値目標。3310ドルを維持できなくなれば調整局面入り、3220ドル近辺までが短期下値目安に。
NYプラチナは+7.7ドル、0.72%の続伸。アジア時間は1060ドル台半ばから軟調推移、ロンドン・NY朝にかけては1050ドル台半ばへと水準を切り下げての保ち合いへ。NY朝に一時1050ドル割れの安値をつけて下げ渋ると求人件数上振れ後には株高基調となった流れに追随、NY午後には1070ドル台へと水準を切り上げての保ち合いに。1050ドルから1090ドルまでのレンジ内推移で反発局面が継続。目先、9日移動平均線(1075)を上抜けると強気のパーフェクトオーダー再開となって上限トライへの勢い加速の可能性も、上限突破なら1110ドル程度までの上値切り上げへ。1050ドル割れへと反落の場合には1030ドル近辺へと下値切り下げも。
ドル円は+131銭、0.92%高で4日ぶりの反発。東京朝には142円60銭台から30銭台まで軟調推移、前日安値を下抜けて5月27日(142.11)以来、1週間ぶり安値をつけて切り返すと143円20銭台へと急反発。植田日銀総裁の「利上げ決め打ちではない」発言などもサポート材料となり、142円半ばの節目割れでの底堅さも確認。東京市場終了後の下押しも142円60銭台までにとどまり、欧州・NY時間にかけてはドル高基調を原動力に堅調推移。143円半ばを回復後には米4月求人件数の予想外の好結果を受けて143円80銭台へと一段高、NY午後には高値で144円10銭台まで上昇。142円半ばから144円90銭までの保ち合いレンジ下限から半ばへと切り返す形となり、下押し圧力も緩和。堅調な指標結果が続くなどすれば上限トライへも、144円90銭超へと抜け出せば146円台後半辺りまでが短期上値目標に。逆に142円半ばの節目割れの場合には140円半ば辺りまでの一段安トライへも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場6/3終値とチャート
4日の国内金価格は+20円、0.12%の小幅続伸で5月9日(16992)以来、4週間ぶりの高値。16750円の節目突破に伴う短期上値目標16900円付近到達後も上げ止まり切れず、5月最高値(17089)と4月高値(16990)とで三尊天井、もしくはトリプルトップを形成しつつあり、これらのピーク水準が目先の攻防ラインにもなり、過熱感高騰とともに下押し圧力にも。ピーク水準との攻防に向けては多少の調整も必要か。短期下値サポートは16700円、これを割り込むような展開となった場合には調整局面拡大、16520円辺りまでが短期下値目安に。
プラチナ価格は+89円、1.69%の大幅高で4日ぶりの反発。5320円の節目割れに伴う短期下値目安5260円程度に到達後、一服をはさんで巻き戻し。NYプラチナと同様、9日移動平均線(5348)を上抜けると強気のパーフェクトオーダー再開で上値トライ再開に向けた強力なサポートにも。5420円超へと高堰更新なら5500円の大台近辺トライの流れへ。下方向へは5250円のサポートを割れると5160円辺りまでを目安に調整へ。
※参考:金プラチナ国内価格6/4とチャート
- 2025年6月4日(水)時点の相場
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国内金 : 16,958 円 6/4(水) ▲20(0.12%) 国内プラチナ : 5,342 円 6/4(水) ▲89(1.69%) NY金 : 3,377.1 ドル 6/3(火) ▼20.1(0.59%) NYプラチナ : 1,070.9 ドル 6/3(火) ▲7.7(0.72%) ドル円 : 143.99 円 6/3(火) ▲1.31(0.92%)
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PIVOT指数から見るNY金相場サポート&レジスタンスライン
PIVOT指数から見るNYプラチナ相場サポート&レジスタンスライン