金プラチナ短期相場観

PCEインフレ鈍化継続、コアPCEもSPコアsも4年余りで最低水準
更新日:2025年5月31日(土)
PCE価格指数では、4月もインフレ鈍化継続を示唆。
4月のPCEデフレーターは前年比+2.15%。市場予想の+2.2%を若干下回り、前月から-0.17%の続落で9月(2.10)以来、7ヵ月ぶりの低水準。2021年3月以降の4年2ヵ月で2番めの低水準。
食品とエネルギーを除くコアPCEは前年比+2.52%。市場予想の+2.5%にほぼ一致、前月から-0.14%の続落で2021年3月(2.20)以来、4年1ヵ月ぶりの低水準。
住宅とエネルギーを除くサービス業の価格指数、SPコアPCEsは前年比+3.04%。前月から-0.25%の続落でこれも2021年3月(3.02)以来、4年1ヵ月ぶりの低水準。
カテゴリー別ではサービス価格が前年比+3.3%。2021年5月以来、3年11ヵ月ぶりの低水準。モノの価格は-0.4%で5ヵ月ぶりの低水準、2ヵ月連続前年割れ。
エネルギーは-5.6%で6ヵ月ぶり低水準、食品は+1.9%で2ヵ月ぶり低水準。
PCE構成品目の上位31%と買い24%を除いて算出する、ダラス連銀のトリム平均PCEは前年比+2.54%。3ヵ月続落で2021年9月(2.50)以来3年半ぶり低水準となった3月から変わらず、横ばい推移。
価格変動分布の中央50%台の品目のみで算出する、クリーブランド連銀のメディアンPCEは前年比+3.03%。前月から+0.04%、4ヵ月ぶりの反発で4ヵ月ぶり高水準。2021年10月以降の3年7ヵ月では4番めの低水準。
今後のPCEインフレ下げ渋りへの警戒感も。
30日のNY金は-28.5ドル、0.85%の反落。前日NY市場での高値3350ドル台半ばからの反落の流れが継続、アジア時間の3340ドル台半ばがこの日の高値となり、ドル高基調に連れて3320ドル近辺まで軟調推移。ロンドン市場では下げ渋り、NY朝にはトランプ米大統領の「中国は米国との合意に違反」発言を受けて小幅に反発、米4月PCEの結果を受けて3330ドル台まで上昇して失速。巻き戻しの流れで一時3300ドル割れへと急反落も、NY午後には3310ドル台へと下げ渋り。4月以降は三角保ち合いでレンジを縮小、3350ドルに上限を切り下げて3290ドルまでが目先の主要レンジとなり、次週雇用統計までの一連の主要指標結果に一喜一憂する展開にも。3290ドル割れへと下方ブレイクなら3200ドル近辺までが短期下値目安に、3350ドル超へと切り返すことができれば3420ドル近辺までが短期上値目標に。
週間ベースでは-50.4ドル、1.50%の反落。月間では-3.7ドル、0.11%の小幅安で5ヵ月ぶりの反落。
NYプラチナは-24.5ドル、2.27%の反落で5月19日(1005.9)以来、10日ぶりの安値。ピークアウト後の下げ渋りから、2日連続上ヒゲを残して調整局面が進行。アジア時間の1080ドル台前半が高値となって軟調推移、NY市場ではトランプ発言を受けての株安局面にも追随する形となって1070ドルを割れると1060ドル割れへと急落。NY午後には一時1050ドル付近の安値をつけ1ながら、1050ドル台では下げ渋り。4月安値(878.3)から5月高値(1104.8)の23.6%戻し(1051.3)を達成して一服状態に。次週、もう一段の調整継続なら38.3%戻し(1018.3)辺りまでが意識され、1090ドル超へと切り返すことができれば上値トライ再開、1110ドル程度までが短期上値目標に。
週間ベースでは-33.5ドル、3.08%の反落。月間では+85.5ドル、8.82%の反発。
ドル円は-13銭、0.09%の小幅続落。トランプ関税政策を巡る不透明感から上値の重い展開は続き、143円台後半を中心とした保ち合いに終始。東京朝には国内インフレ指標上振れを受けて144円10銭近辺からの軟調推移で143円40銭台まで下落。これが安値となって下げ渋るも反発局面では144円が上限となり、欧州時間にかけて保ち合い推移、NY朝にはトランプの中国批判発言を受けて143円40銭台まで小幅に急落も東京朝の安値を下回らずに切り返し、PCE結果への反応は限定的となり、NY午後には一時144円40銭台まで上昇する場面も、NY終盤にかけては144円近辺に収束。引き続き142円半ばから145円付近までの主要レンジを維持して雇用統計の週へ。145円超へと反発なら146円台再トライ、142円半ばのサポート割れの場合には141円近辺までを目安に下値トライ再開へ。
週間では+1.46円、1.02%の反発。月間では+0.97円、0.68%高で5ヵ月ぶりの反発。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場5/30終値とチャート
- 2025年5月31日(土)時点の相場
-
国内金 : 16,729 円 5/30(金) ▲28(0.17%) 国内プラチナ : 5,374 円 5/30(金) ▼44(0.81%) NY金 : 3,315.4 ドル 5/30(金) ▼28.5(0.85%) NYプラチナ : 1,054.9 ドル 5/30(金) ▼24.5(2.27%) ドル円 : 144.03 円 5/30(金) ▼0.13(0.09%)
トランプ関税巡る不透明感継続、国内金価格も高値保ち合い継続 6/2(月)
PCEインフレ鈍化継続、コアPCEもSPコアsも4年余りで最低水準 5/31(土)
失業保険継続受給者数も増加傾向、米労働市場にも先行き懸念 5/30(金)
米主要地区連銀製造業景況感も5月は期待先行で急回復 5/29(木)
ユーロ圏景況感指数5月は予想以上に反発も節目100手前で停滞 5/28(水)
PIVOT指数から見るNY金相場サポート&レジスタンスライン
PIVOT指数から見るNYプラチナ相場サポート&レジスタンスライン