金プラチナ短期相場観

7月PPIはコロナ後の急騰局面に匹敵する急上昇、ドルも急反発
更新日:2025年8月15日(金)
ほぼ予想どおりとなったCPIに対してPPIは予想外の上振れ。
米7月生産者物価指数、PPIは前年比+3.29%。市場予想の+2.5%を大幅に上回り、前月から+0.92%の急反発で5ヵ月ぶりの高水準。
食品とエネルギーを除くコアPPIは前年比+3.66%。これも市場予想の+2.9%を大幅に上回り、前月から+1.03%の急反発で4ヵ月ぶりの高水準。
食品とエネルギー、貿易サービスを除いたコア指数、コアPPI2は前年比+2.78%。前月から+0.23%、5ヵ月ぶりの反発で4ヵ月ぶりの高水準。
前年比PPIの前月からの上昇幅+0.92%は、コロナ後でPPIが過去最高となった2022年3月(前年比+11.66%、前月から+1.26%)以来、3年4カ月ぶりの急騰。
コアPPIの+1.03%は2021年4月(前年比+4.57%、前月から+1.53%)以来、4年3ヵ月ぶり、過去2番めの急騰。
コアPPI2の+0.23%も1年3ヵ月ぶりの急上昇。
トランプ関税に伴う輸入コスト上昇を企業が価格に転嫁しつつある可能性を示唆し、一時的な上振れか、持続的かの見極めが重要に。
雇用情勢悪化とインフレ低下による利下げ加速をサポートする状況に異変?の可能性が浮上。
日米金融政策への口先介入のベッセント米財務長官の釈明発言が、言い訳に聞こえてしまうような事態に。
14日のNY金は-25.1ドル、0.74%の反落で7月31日(3348.6)以来、2週間ぶりの安値。アジア時間には前日高値をわずかに上回り、3420ドル台の高値をつけて失速するとロンドン序盤には3400ドル割れ。ロンドン市場での反発局面では3410ドルに届かず、NY朝にはPPIの上振れを受けたドル高の流れに押される形で軟調推移、NY午後には3380ドル割れの安値をつけて一服。過去のレジスタンスでサポートに切り替わる可能性も意識された3390ドルを割り込む形となったことから、軟調局面がもう少し続きやすい展開にも。短期下値目安は3360ドル近辺まで。上方向へは3410ドルの節目を上抜けると3450ドル近辺までの反発トライも。
NYプラチナは+18.7ドル、1.39%の反発で7月30日(1374.9)以来、半月ぶりの高値。アジア時間序盤に前日安値をわずかに下回り、1330ドル台まで小幅急落後に切り返して反発へ。ロンドン序盤に1350ドル台を回復するとNY朝にかけて1360ドル台へと一段高、高値では一時1370ドル台まで急騰し、NY午後には1360ドル台で落ち着く展開に。勢いには欠けるものの、1330ドルから1360ドルまでの小幅保ち合いをわずかながらも上抜ける形となったことで一段高トライへと向かう可能性、短期上値目標は1420ドル近辺まで。1330ドル割れへと反落するようなことがあれば1260ドル近辺までを目安に下値トライへも。
ドル円は+37銭、0.25%高で3日ぶりの反発。前日NY市場でのベッセント米財務長官によるFRBへの9月0.5%利下げ強要と、日限の利上げを支持する口先介入の余波で東京朝にはドル安円高基調が急伸、147円30銭台から146円30銭台まで急落、午後の反発も限定的となって東京市場終了時には146円20銭台の安値をつけて下げ渋り。146円50銭近辺での小幅揉み合い推移となった欧州時間を経てNY朝には予想外のPPI上振れを受けて147円台へと急騰、NY午後には147円後半へと水準を切り上げ、高値では147円90銭台まで上昇。長めの下ヒゲを残しての反発も前日高値は超えられず、20日移動平均線(147.83)もレジスタンスに。目先、147円30銭へと下限を切り上げて148円20銭までのレンジで保ち合い継続へ。あらためて下限を割り込むようなら下値再トライ、144円半ば辺りまでを目指す流れにも、上抜けできれば上値トライへ、150円台半ば辺りまでが上値目標に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場8/14終値とチャート
15日の国内金価格は-71円、0.41%の反落で7月31日(17230)以来、半月ぶりの安値。17440円の節目割れに伴う短期下値目安17320円近辺に到達し、短期的には一服感も。9日移動平均線(17425)と21日移動平均線(17420)との揉み合いが続くうちにこの水準を回復できれば地合い回復へ、当面の上限は17520円。
週間ベースでは-203円、1.16%の反落。
プラチナ価格は+90円、1.31%高で3日ぶりの反発。9日移動平均線(6869)との揉み合いから抜け出して保ち合い上放れ、6900円の節目上抜けに伴う短期上値目標は7140円近辺まで。7月の今年高値(7597)を挟んで6月高値(7153)とで三尊天井形成(の可能性)を目指す展開へ。ただし6850円割れへと反落の場合には巻き戻しの流れが加速する可能性も、短期下値目安は6580円辺りまで。
週間ベースでは+157円、2.31%高で4週ぶりの反発。
※参考:金プラチナ国内価格8/15とチャート
- 2025年8月15日(金)時点の相場
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国内金 : 17,316 円 8/15(金) ▼71(0.41%) 国内プラチナ : 6,949 円 8/15(金) ▲90(1.31%) NY金 : 3,383.2 ドル 8/14(木) ▼25.1(0.74%) NYプラチナ : 1,361.5 ドル 8/14(木) ▲18.7(1.39%) ドル円 : 147.75 円 8/14(木) ▲0.37(0.25%)
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PIVOT指数から見るNYプラチナ相場サポート&レジスタンスライン



