2013年世界の金需要から見る2014年の金相場動向
更新日:2014年02月19日(水)
ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)から昨日発表された2013年の金需要レポートによれば、世界の年間金消費需要は前年から14.9%減少し、3,756トンとなっています。
特徴としては、金ETF関連の投資が前年の279トンの買い越しから881トンの売り越しに転じたことが全体の減少へと大きく影響しています。そして2013年の金相場の大幅下落の主要因となりました。
ただし、金相場下落を受けて現物投資(コインやインゴット)需要や、宝飾品需要は大きく伸びています。
※詳細:
世界の金需要・目的別需要の年間推移
また、国別の消費需要では中国がインドを抜いて世界一の金消費大国となっていますが、経常赤字対策として金の輸入を規制したインドの消費量も前年から12.8%も増加しています。中国とともにインドの金需要も衰えを見せません。
中央銀行の買い越し量は前年から減少したものの、保有量上位の国々では、前年からの変動はあまりなく、トルコなど一部アジアでの買い増しが目立ちました。
※詳細:
世界の金需要・国別消費需要と中央銀行の金保有量
2013年に大幅に売り越した金ETF関連では、今年はそこまでの売り越しとはならないだろうという見方が多いようです。中国やインドを中心としたアジア勢の旺盛な金消費需要にも相場は下支えされ、むしろ持ち直すのでは?という見方まで出てきています。
しかし、消費需要が大幅に伸びた背景には、相場の大幅下落もある訳で、相場上昇にともなう消費ニーズの鈍化懸念もあります。
ただ、逆張り志向の日本人(もしかするとアジア人?)と違い、順張り志向の欧米人はある程度上昇基調となったほうがニーズが高まる傾向もありそうです。2011年のように。
そこそこの現物ニーズ継続とETF関連の売り越しの勢い鈍化により、年間ベースでは多少の下落から横ばい推移に近い程度の変動に収束するのではないか、という見方もできそうです。
連休明けのNY市場、金相場は0.44%の小幅高で2011年7月以来となる9日続伸。昨年10月30日以来の高値水準となり、次の目安としては10月25日の1,352.5ドルが意識される水準。日本時間朝方に一時1,330ドル台の高値をつけて反落の流れ、夜間にはニューヨーク連銀製造業景気指数の下振れなどを受けて少し反発したものの、上下にヒゲを残す足型に。先週末14日時点で昨年2月8日以来1年ぶりに200日移動平均線を超えたことで、この近辺が長期のレジスタンスラインとなり易いこと、今朝時点では21日移動平均線が90日移動平均線をわずかに超えてパーフェクトオーダー完成、オシレータ系指標の過熱感など、反落の可能性を示唆する材料は十分に揃っている状態・・・。
プラチナ相場は0.39%の小幅安で7日ぶりの反落。結局1月後半からの急落値幅に対してちょうど61.8%戻しとなる1,429ドル近辺で調整が入った形。流れは上向きながらも、チャートの足型は反落の可能性を示唆する高値圏での十字線。ただし、再加速となるケースも。
ドル円は0.44%の小幅続伸。日銀の現状維持に101円70銭台まで急落後、直後の金融機関への支援策延長による実体景気刺激策を好感した日本株の急騰に追随するように102円70銭台まで急騰。しかしレンジ上限を上抜けるほどの勢いはなく、その後はジリ安の展開。下方向の節目を101円80銭台に切り上げ、レンジを縮小しての保ち合い継続。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場2/18終値とチャート
国内金価格は0.46%下落し、9日ぶりの反落。NY金連騰に対し為替の円高がそれほど進まず、むしろ底堅さも見え始めてきた状態にあり、NY金の流れが変わる頃にはドル円相場が国内金価格を下支えする可能性も。年明け以降、水曜日6連勝中の日経平均が昨日の大幅高の反動により連勝ストップの可能性も高まり、これに連動するドル円相場が101円台半ばへと下落するようなら要警戒。
プラチナも0.27%の小幅安で続伸は6日でストップ。2月初旬までの急落値幅の半値戻しで一服と程良い頃合い。しかし調整値幅としてはまだ控えめ。短期上昇トレンドに移行しつつあり、38.2%ラインの4,820円程度までの調整は十分に許容ライン。
※参考:
金プラチナ国内価格2/19とチャート
2014年02月19日(水)時点の相場
国内金:4,510 円 2/19(水)
▼21(
0.46%)
国内プラチナ:4,857 円 2/19(水)
▼13(
0.27%)
NY金:1,324.4 ドル 2/18(火)
▲5.8(
0.44%)
NYプラチナ:1,424.5 ドル 2/18(火)
▼5.6(
0.39%)
ドル円:102.35 円 2/18(火)
▲0.45(
0.44%)
2/18(火)のその他主要マーケット指標
進行する中国リスク懸念 02/20(木)失望と期待の狭間で上昇し続ける金 02/18(火)低迷する日経平均も金相場押し上げ要因のひとつ 02/17(月)寒波でマヒする経済指標、市場の流れは変化の兆しも 02/15(土)
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