雪化粧のワシントンと三寒四温で春へと向かう市場
更新日:2014年03月18日(火)
この冬の寒波はやはり特別なようで、ワシントンではまたまた雪化粧。すでに3月も後半にさしかかり、日本では一足早く、三寒四温で春到来の兆しも。
この第一四半期は、冬場に猛威を振るった寒波とともに、市場にも寒波が吹き荒れた形となりました。新興国リスクや中国経済の鈍化懸念、寒波の影響による米経済指標の下振れ、そしてウクライナ情勢悪化によるロシアの孤立と欧米との対立懸念。
そのウクライナ情勢も、結果はともかくとしてクリミアの住民投票を無事終え、軍の一部も撤退と伝わり、緊張緩和につながったことで市場にも一時の安心感が広まった様子。
ただし、クリミアのロシア編入への段取りは着々と進行し、これを認めないと主張する欧米側との対立の構図も平行線のまま。対ロシア制裁強化とロシア側からの対抗措置などへの懸念も。とりあえずは本日夜間に予定されるプーチン大統領の演説が注目されます。
同時に米国では本日からFOMC。
フォワードガイダンスの見直しなどが見込まれますが、当面のゼロ金利維持という意味では同じこと。今月発表の雇用統計は多少の好結果とはなったものの、寒波の影響からは完全に脱しきれず、その他の指標も完全復調にはまだ至らない状況で、緩和縮小ペース減速の可能性も捨て切れませんが、予想は縮小ペース維持が大勢。
FRB副議長に指名されているスタンレー・フィッシャー氏は「指標に状況が反映されるまでに遅れが生じることや、その遅れによって政策決定が経済に影響を及ぼすことを回避するためにも、必要な全てのデータが揃う前でも、迅速に政策を決定することが重要」と発言していました。
今回も、本格的な春到来による好結果の経済指標を待たずして、それを見越しての政策決定、ということになりそうです。
ただ、今後の米経済指標の動向も一朝一夕に上向くとも限りません。クリミアとロシアの動向も同じで、ようやく三寒四温を経て、落ち着く方向へと向かうかどうか、という状況でしょうか。
NY市場、金相場は0.44%安と6日ぶりの下落。昨年9月9日以来の高値1,392.6ドルまで上昇して反落。クリミア住民投票による混乱もなく、欧米によるロシアへの制裁措置も限定的との見方から市場にも若干の落ち着きが戻った様子。株高・ドル高円安の流れに伴う調整売りと目標水準1,380ドル到達の達成感による売りで、RSIのダイバージェンスどおりに下落、今朝には1,360ドル台へ。短期上昇トレンドは継続中。下方向への節目は1,330ドル台。
プラチナ相場は2営業日続落も0.08%の小幅安。金に連れ安の流れも限定的で1,460ドル台から1,490ドルまでの高値揉み合いレンジ内での動きに終始。やや下押し圧力が優勢となりつつある状況も、目先は南アの鉱山スト状況もにらみながらのレンジ傾向継続か。
ドル円は6営業日ぶりの反発で0.4%の上昇。リスク回避一時後退による欧米株1%前後の上昇と比較するとやや控えめな反発度合い。101円40銭台の節目割れからすぐに反発したことで、このまま現状水準以上のレンジキープなら、今回の下落サインがダマシに終わる可能性も。しかし流れは円高方向、しばらくは99円50銭程度までの下落余地が警戒ラインに。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場3/17終値とチャート
国内金価格は0.98%の大幅反落。
昨日時点でかなり高値警戒感が高まっていたことで、下落すべくして下落した形。それでもまだパーフェクトオーダー維持で9日移動平均によるサポート状態もキープ。もう少し深めの調整が入ってもおかしくない状況。サポートラインは4,610円、4,530円。上値目標4,750円近辺も継続。
プラチナは0.22%の小反発。下方向4,870円から上方向5,090円までの広めのレンジ内での居場所探し状態の様子。上下どちらかへのトライには時間を要する可能性も。
※参考:
金プラチナ国内価格3/18とチャート
2014年03月18日(火)時点の相場
国内金:4,662 円 3/18(火)
▼46(
0.98%)
国内プラチナ:4,984 円 3/18(火)
▲11(
0.22%)
NY金:1,372.9 ドル 3/17(月)
▼6.1(
0.44%)
NYプラチナ:1,468.4 ドル 3/17(月)
▼1.2(
0.08%)
ドル円:101.77 円 3/17(月)
▲0.41(
0.40%)
3/17(月)のその他主要マーケット指標
消費増税前の金プラチナ地金駆け込み購入による短期売買リスク 03/19(水)ロシアへ向かうクリミア、円安株高の流れは何処へ 03/17(月)クリミア住民投票を控え警戒感高まるなか弱さ際立つ日経平均 03/15(土)クリミア危機で上昇する金、住民投票後の動向と1,400ドル近辺が目先の節目 03/14(金)
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