中国経済減速懸念に伴う金需要低下と地政学リスクの金買い交錯
更新日:2014年05月06日(火)
昨日HSBCが発表した
中国製造業PMIの改定値は速報値から0.2ポイント、市場予想からは0.3ポイント下回る数値となり、景気拡大と後退の節目となる50を下回る状態が4ヶ月連続。その他の
新興国と欧州の製造業PMIの推移を比較すると、英国とユーロ圏の好調さは持続し、インドはゆるやかな上向き傾向一服、わずかながら上向きかけていたブラジルは急落し、低迷する中国やロシアに追随するように節目の50割れ。欧州の景気回復傾向と新興国の減速傾向が鮮明となりつつあります。
中国では、その影響もあってか金輸入量も減少しているようで、3月には前月から27%減、前年比では38%減とのこと。
世界一の金需要大国の需要減少傾向に伴い、モルガン・スタンレーによる金相場見通しでは、今年第2四半期に1,250ドル、下半期には1,200ドル割れ。
中国と同様、景気減速が顕著となっているロシアはウクライナリスクの渦中にあり、その激化するウクライナ東部の紛争状態は地政学リスクとして金への資金逃避の後押し材料に。
売り材料と買い材料の交錯が続く金相場は1,300ドル近辺での値動きが続きますが、最近では4月22日と5月1日の1,280ドル台を底値、1,300ドルをネックラインとしたダブルボトムを完成し、上値トライの兆しも。もう少し遡ると4月1日にも1,280ドルを記録し、変則トリプルボトムを形成中のようにも。この場合、ネックラインとなる1,330ドルが重要な分岐点に。
NY市場、金相場は0.49%上昇。2営業日続伸で4月14日以来、3週間ぶりの高値水準。高値では1,315ドル台まで上昇し、堅調さを示す場面も。1,300ドルの節目をしっかりと超えてきたことにより、もう一段の上昇余地も。目先の上値目標水準は1,360ドル近辺。その手前、4月の高値水準1,330ドル付近が軽めの抵抗線。下方向には1,280ドル付近が厚めのサポートラインに。
プラチナ相場も0.53%の2日続伸。上値メド
1,450ドル手前の水準を確実にクリアし、一時1,455ドル付近まで上昇。目先1,450-1,470ドル付近は抵抗帯となり易い水準。流れは上方向へと傾きつつあり、目前の抵抗水準との攻防へ。
ドル円は0.05%の小幅続落。4月17日以来となる101円80銭台まで円高が進む軟調地合いからNY時間にはなんとか102円台へと持ち直し、レンジ下限の102円10銭台をかろうじてキープ。102円70銭台を上限とする保ち合い状態が続くなか、101円台半ば辺りまでは下落しやすい状態に。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場5/5終値とチャート
2014年05月06日(火)時点の相場
国内金:4,517 円 5/2(金)
▼29(
0.64%)
国内プラチナ:4,994 円 5/2(金)
▼7(
0.14%)
NY金:1,309.3 ドル 5/5(月)
▲6.4(
0.49%)
NYプラチナ:1,448.4 ドル 5/5(月)
▲7.7(
0.53%)
ドル円:102.14 円 5/5(月)
▼0.05(
0.05%)
5/5(月)のその他主要マーケット指標
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