金とプラチナのニュー・ニュートラル
更新日:2014年06月14日(土)
6月10日火曜日の時点で、金とプラチナの価格差は222.1ドルまで拡大しました。これは今年1月22日の223.8ドルに次ぐ値幅で、金とプラチナの価格逆転状態が解消して以降、最大水準の価格差。厳密には、2011年7月6日以来となるプラチナ高・金安水準でした。しかしその2日後、南アの鉱山スト終結に向けた動きが見られたことでプラチナは40ドル弱の暴落、逆にイラク情勢の緊迫化を背景に金相場が1%上昇し、両者の価格差は急縮小、週末時点では160.9ドルとなっています。
かつて、
金とプラチナの価格差は500ドル以上も開いていた時期もありました。2011年夏場の金価格の暴騰以降、価格差逆転、そして揉み合いの時期を経て2013年春の金価格の暴落以降は、両者の価格水準が大きく切り下がると同時に逆転状態も解消していました。
昨年後半以降の金相場の水準は1,200ドルから1,400ドル、最近では1,200ドル台半ばから1,300ドル台半ば辺りへと縮小傾向の兆しも見せ始めます。
一方のプラチナ相場は1,300ドルから1,500ドル近辺、最近では1,400ドルから1,500ドルへと、やはり縮小傾向となっています。
最近のレンジ下限付近では、両者ともに採算コストラインも意識される状況、逆に上方向にも投資マネーが離れていった現状ではそれほどの高騰も当面は望めない状況に。
最近の価格水準は、高過ぎず、安過ぎず、中立的な水準となっているのかもしれません。金とプラチナの価格差が200ドルを超えると縮小に向かう、という動きも価格差チャートから見て取れます。
金とプラチナにとっては、最近の価格水準が
ニューニュートラルであり、両者の価格差は、100ドル台前半から200ドル程度が
ニューニュートラルな水準となってきたようです。
13日のNY市場、金相場は前日の大幅上昇からほぼ変わらずも5日続伸。5月14日の1,305.9ドルから6月2日の1,244ドルまでの下落幅のちょうど半値戻しとなる1,270ドル台で動きが止まった状態。3月後半から5月半ばまでの下値サポート水準となった1,280ドル付近が今度は上値抵抗線として作用した形。イラク情勢の悪化が最小限で収まるようなら、この抵抗線の存在感が増すことに。もし、内戦状態がさらに悪化するようなら、この抵抗線を超えて上値トライへ。その場合の次の節目は1,290ドル台。
週間ベースでは+21.6ドル(+1.72%)の続伸。
プラチナ相場は0.44%の続落。南ア鉱山スト終結に向けた動きを背景に急落局面を形成し、短期的なサポートライン1,430ドル台まで下落。90日移動平均線と中期的な上昇トレンドの右上がりのサポートラインぎりぎりの水準となり、いったんは買い戻しの動きとなる可能性も。しかし、さらに水準を切り下げるようなら、1,400ドルの大台割れへの可能性が高まることに。
週間では-18.0ドル(-1.24%)の反落。
ドル円は0.34%高で5日ぶりの反発。午前中から買い戻しが進み102円台を回復した後は、日銀の黒田総裁会見と同時に101円80銭台まで下落。既に追加緩和期待は完全に剥落していたはずにもかかわらず、最近お決まりの流れがまたも再現。その後はなんとか102円台に戻した状態で、結局は101円50銭台の200日移動平均線がサポートラインとなって反発。保ち合い状態が続く中、100円90銭程度までの下落リスクを抱え、上方向には102円80銭台が抵抗ライン。
週間では-50銭(-0.49%)の反落。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場6/13終値とチャート
2014年06月14日(土)時点の相場
国内金:4,461 円 6/13(金)
▲27(
0.61%)
国内プラチナ:5,066 円 6/13(金)
▼91(
1.76%)
NY金:1,274.1 ドル 6/13(金)
▲0.1(
0.01%)
NYプラチナ:1,435.0 ドル 6/13(金)
▼6.3(
0.44%)
ドル円:102.04 円 6/13(金)
▲0.35(
0.34%)
6/13(金)のその他主要マーケット指標
2014年6月のFOMCメンバーと注目度高まる金利予想 06/16(月)ワールドカップ出場国の格付けランクとFIFAランクとの関係 06/13(金)主要先進国と新興国の政策金利の推移 06/12(木)イエレン・ダッシュボード2014年6月版 06/11(水)
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