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★金プラチナ短期相場観★

雇用不調もインフレは見通しどおりへ
更新日:2015年08月04日(火)
PCEデフレーター 2015年6月先週末の雇用コスト指数に続き、ISM製造業景況指数の構成指数の雇用も前月から低下し、価格指数も低下してしまったことで、雇用・賃金・インフレ、いずれに対しても黄色信号、という状態となりました。しかし、雇用と賃金動向については週末の雇用統計で今後の見通しを見極めることになります。

インフレについても、6月の個人消費支出の前月比+0.2%は4カ月ぶりの低水準とはなりましたが、個人消費の物価動向を示すPCEデフレーターは好結果を示しました。PCEデフレーターの前年比では、予想の+0.2%に対して+0.3%、PCEコアデフレーターの前年比は予想の+1.2%に対して+1.3%。
また、PCEの4月分が0.2%から0.1%へと下方修正され、コアPCEの5月分は1.2%から1.3%へ上方修正、4月分は1.4%から1.3%へと下方修正。この結果、前回5月分発表時点のチャートではPCE、コアPCEいずれも低迷状態、もしくは下落傾向にすら見えましたが、今回6月分発表時点では、PCEは底入れからの反発傾向へ、コアPCEは年初から1.3%の横ばい推移、という状態となっています。

6月FOMC時点で、FRBの2015年末のPCEインフレ予想中央値は0.6-0.8%、コアPCEは1.3-1.4%でした。コアPCEについては既に年初から予想水準での推移が継続中であり、PCEも0.6%に向けて上昇傾向を示し始め、半年以内に予想水準に向かう可能性も見え始めてきました。
7月分の結果次第では、インフレ2%に向けた確信に変わる可能性も十分に想定され、その場合には9月利上げの可能性も一段と高まることになりそうです。

NY金・日足チャート 2015/7/2 - 8/33日のNY金相場は0.5%の反落。欧州時間にかけてレジスタンスライン1100ドル手前まで買われると戻り売り圧力が強まる最近恒例のパターン。PCEコア指数のインフレ傾向でやや売られ、ISM製造業景況指数の下振れに買われる場面は限定的。今のところは指標への反応よりも、徐々に売り圧力が再び強まる様子。今朝にはレンジ下限となる1080ドル台前半での推移中、このまま1080ドルを割れる展開となれば、1060ドル前後まで水準を切り下げる可能性。

NYプラチナ・日足チャート 2015/7/2 - 8/3プラチナ相場は1.82%の大幅続落。わずかに水準を切り上げる流れから一転、金に先行して保ち合い水準下抜け。終値ベースで安値更新となる960ドル台へと水準を切り下げると今朝時点では既に950ドル割れの攻防。またしても急落リスクが高まり、目標水準は930ドル付近。

ドル円・日足チャート 2015/7/3 - 8/3ドル円は小幅反発で124円台を回復。指標発表に向けての堅調推移も124円台前半のレジスタンスを超えられず、ISM製造業景況指数下振れで124円割れ。しかし123円台後半では底堅く、結局124円前後で揉み合う展開。週末までは123円前半から124円前半までのレンジ推移継続濃厚か。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場8/3終値とチャート

4日の国内金価格は0.9%の反落。反発に向けた流れは逆流、安値揉み合い水準を下方ブレイクして安値更新、昨年11月14日以来の安値水準へ。一段安へと向かう可能性が高まり、目標水準は4550円付近。反発方向へは4670円台が抵抗線に。

プラチナは2.97%の大幅安となり、3日続落。ゆるやかな反発基調からの急反落懸念が現実となり、下値余地4080円近辺までいきなりの到達。2012年9月4日以来、約3年ぶりの安値水準となり、短期目標水準にも到達したことで反発に向かうと考えるのは、現時点ではやや難しい状況か。為替が夏枯れ気味の間にNYプラチナの下げ余地が拡大していることで、国内価格の下方リスクも継続。警戒水準としては、4000円の大台割れ、3900円台後半あたりも。
※参考:金プラチナ国内価格8/4とチャート

2015年08月04日(火)時点の相場
国内金:4,632 円 8/4(火) ▼42(0.90%)
国内プラチナ:4,081 円 8/4(火) ▼125(2.97%)
NY金:1,089.4 ドル 8/3(月) ▼5.5(0.50%)
NYプラチナ:967.1 ドル 8/3(月) ▼17.9(1.82%)
ドル円:124.03 円 8/3(月) ▲0.12(0.10%)
→8/3(月)のその他主要マーケット指標

←9月利上げの織り込み度合い 08/05(水)
→国内金・プラチナ価格の月間高値/安値/終値推移チャート 08/03(月)
→NY金相場安値更新のピンチを救った雇用コスト指数(ECI)急落 08/01(土)
→4回連続の安値更新で120ドル下げた真夏の金相場、5回めの攻防へ 07/31(金)

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