金融政策の潮目でドル高にも変調、国内金は高止まり
更新日:2023年11月06日(月)
なし崩し的に長期金利の変動範囲を再調整した日銀、YCC撤廃から始まるハト派金融政策からの脱却に向けた動きがまもなく活発化しそうな前兆のようにも。
米国では強過ぎた雇用情勢に是正の動きも見られ、好調が続く米経済軟化の兆しとともにセリング・クライマックスとなって急騰した米長期金利の巻き戻しの動きが始まり、ドル高の流れもここに来て急反落。結果的にドル円も150円付近での保合いから急騰後の急反落となって保合い崩れへの警戒感もにわかに高まる状況に。
米FRBの金融政策もタカ派政策を年内で終え、2024年からはハト派政策へと舵を切ることが確実視される状況となったことはNY金の追い風に。しかし、中東情勢悪化に伴うリスク回避の流れで急速に買われてきた結果、足下のドル安局面での買い圧力は限定的に。
結果、国内金価格は過去最高値圏での保合いを形成しての高止まり・・・
6日の国内金価格は3連休前から-37円、0.35%の続落。10月31日(10466)以来の安値となって最高値圏での保合い下限付近に到達。上昇一服状態にある9日移動平均線(10472)を1ヵ月ぶりに割り込み、強気のパーフェクトオーダーも半月ぶりに崩れて短期上昇トレンドも巻き戻し目前。過去最高値を更新し続けた10月後半の勢いは影を潜め、目先は高値保合いを維持できるかどうかが焦点に。10460円の節目を割り込めば高値保合い崩れとなってダブルトップも完成、調整局面入りへと向かう流れで10400円近辺までが短期下値目安に。想定外に10550円超へ最高値更新へと切り返す展開となった場合には一段高トライへ、短期上値目標は9月高値(10063)から10月安値の200%戻し(10614)近辺。
一目均衡表では三役好転を維持。急騰してきた転換線(10466)にサポートされる状態も、このラインは3日連続横ばい推移でピークアウトの兆しにも。転換線下抜けとともに転換線自体も下落基調となれば調整局面入り。基準線(10028)まで距離を残す状態は買われ過ぎの側面も示唆。想定可能なサポート候補としては10月安値(9512)から10月最高値(10544)の23.6%戻し(10300)、調整局面急進となれば38.2%戻し(10150)近辺も。
プラチナ価格は-17円、0.35%の続落。10月30日(4722)以来、1週間ぶりの安値。短期的な行き過ぎからの巻き戻しが進行し、5月の今年高値(5197)と8月高値(4965)を結ぶライン付近まで戻した状態に。中期三角保合い上限ラインを微妙に上回る状態を維持できれば、レジスタンスがサポートに切り替わって新たな中期トレンド形成へと変化のきっかけとなる可能性も。短期的には4920円台の高値を更新できれば一段高トライへ、4970円近辺までが短期上値目標に。調整継続の目安としては、10月安値(4484)から11月高値(4923)の23.6%戻し(4819)近辺も。
一目均衡表では三役好転。転換線(4782)が直近の下値サポートとなり、その下には雲の上限(4754)、下限(4713)、基準線(4704)も。さらに90日移動平均線(4669)も上昇基調となり、4700円台は中期的に強めのサポート帯となる可能性も。反面、過去の三役好転でピークアウト後には急落局面を形成して三役好転が長くは続かない傾向も。早期転換線割れには要注意。
※参考:
金プラチナ国内価格11/6とチャート
2023年11月06日(月)時点の相場
国内金:10,468 円 11/6(月)
▼37(
0.35%)
国内プラチナ:4,849 円 11/6(月)
▼17(
0.35%)
NY金:1,999.2 ドル 11/3(金)
▲5.7(
0.29%)
NYプラチナ:944.3 ドル 11/3(金)
▲13.7(
1.47%)
ドル円:149.39 円 11/3(金)
▼1.09(
0.72%)
11/3(金)のその他主要マーケット指標
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