コアCPIは3年超ぶり低水準、インフレ鈍化と利下げ観測進行
更新日:2024年07月12日(金)
米6月消費者物価は予想以上に低下、インフレ鈍化進行とともに早期利下げ観測も進行、ドル安円高はもっと進行。
6月のCPIは前年比+2.97%。市場予想の+3.1%を下回り、5月から-0.3%で3ヵ月続落、1年ぶりの低水準。3年余りでは最低タイの水準に。
コアCPIは前年比+3.27%。5月から-0.15%で3ヵ月続落、2021年4月(2.96)以来、3年2ヵ月ぶりの低水準。
セクタ別では、
エネルギー関連を除くサービス価格(ウェイト:61.05%)は前年比+5.1%。4-5月の5.3%から0.2%の低下で2年2ヵ月ぶりの低水準。
食品とエネルギーを除くモノの価格(同18.56%)は-1.8%。4ヵ月連続の低下、6ヵ月連続前年割れで少なくとも2018年以降では最低。
主要項目別では、
帰属家賃(ウェイト26.69%)は前年比+5.4%。前月から-0.3%の急低下、14ヵ月連続低下で2年1ヵ月ぶりの低水準。
賃貸住宅(同7.62%)は+5.1%。前月から-0.2%、14ヵ月連続低下で2年2ヵ月ぶりの低水準。
住居費の伸び率鈍化がサービス価格の鈍化を牽引、インフレ鈍化を一段と進行させることに。
クリーブランド連銀のメディアンCPIは前年比+4.15%。前月から-0.07%、16ヵ月続落で2年半ぶりの低水準。
16%トリム平均CPIは前年比+3.34%。前月から-0.07%で3ヵ月続落、2年10ヵ月ぶりの低水準。
アトランタ連銀のスティッキーCPIは前年比+4.19%。前月から-0.06%で3ヵ月続落、2年5ヵ月ぶりの低水準。
サンフランシスコ連銀デーリー総裁は、雇用やインフレに関する最近のデータを踏まえると「金利の調整が正当化」される可能性が高いとの発言。
FRB関係者のハト派化も、今後一段と進行することになるかもしれません。
11日のNY金は+42.2ドル、1.77%の大幅高で3日続伸。今年の絶対値平均騰落率0.73%の2.4倍、今年2番めの急騰で5月21日(2425.9)以来、1ヵ月半ぶりの高値。時間外には2370ドル台から10ドル程水準を切り上げてNY市場へ、米6月CPIの結果を受けて急上昇。米10年債利回りが3ヵ月ぶり低水準となる4.20%近辺へと急落し、ドル安も急進となった流れに押し上げられ、2410ドル台へと急騰、NY午後には高値で一時2430ドルまで上昇。早期利下げ観測再燃となり、2400ドルの節目上抜けに伴う短期上値目標2420ドル近辺にもしっかり到達し、短期的には一服感も。
NYプラチナは+7.7ドル、0.76%の続伸。1000ドル台での小幅揉み合い推移となったアジア時間から、ロンドン序盤には軟調推移となって1000ドルの大台割れも前日安値水準で下げ渋り、20日移動平均線(997.4)にもサポートされて大台回復へ。NY市場ではCPI後の金の急騰に追随、1020ドル近辺へと急上昇、ただし高値は1020ドル台半ばまでにとどまり、NY午後には1010ドル台半ばへと失速。少しづつ下値を切り上げて堅調方向への流れを維持しながらも、上値も重い状態。引き続き990ドルから1050ドルまでの保ち合いレンジ内での推移継続の様相に。
ドル円は-2.83円、1.75%の大幅安で4日ぶりの反落。6月19日(158.09)以来、3週間ぶりの安値。下落率は今年の絶対値平均騰落率0.36%の4.86倍、為替介入があった5月1日(-3.41円、2.16%)以来、2ヵ月ぶりで今年2番めの急落。東京朝の161円40銭台から欧州時間序盤の161円70銭台まで上昇して失速、NY朝にはCPI結果を受けて161円半ばから急落。161円割れへと水準を切り下げて一服後には為替介入とも思われる一方的な下落で159円割れへ、安値では157円40銭台まで下げて158円台後半へと反発してNY午後には落ち着きを取り戻す展開に。160円80銭の節目割れに伴う短期下値目安159円半ばを突き抜けての急落後、今朝の東京市場では159円半ばを回復後に再び158円割れを試す上下動、荒っぽい展開に。水準的には6月安値(154.55)から7月高値(161.95)の61.8%戻し(157.38)付近まで急落後に38.2%戻し(159.12)付近に落ち着こうかという状態に。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場7/11終値とチャート
12日の国内金価格は-13円、0.1%安で3日ぶりの反落。13470円の節目上抜けに伴う短期上値目標13550円近辺トライは失敗。CPI後の波乱の展開によって一段高トライへの流れはいったん腰折れ、13480円が目先の上限となり、このまま反落の流れが続くようだと最高値圏での小さなダブルトップ形成リスクも浮上。堅調維持の9日移動平均線(13379)が目先のサポート候補となり、あらためて13480円超へと切り返すことができれば短期上値目標13550円近辺再トライへ。
週間ベースでは+104円、0.78%の続伸。
プラチナ価格は-48円、0.86%の反落。9日移動平均線(5617)に蓋をされる形で前日の上げ幅を帳消し、軟調方向へのトレンド転換点へと押し戻されたような格好に。目先、5560円の節目を割れると一段安トライへ、21日移動平均線(5528)も下抜けて5500円の大台も割り込んで5470円程度までが短期下値目安に。切り返す展開となって9日線と5620円の節目を突破できれば上値トライ再開へ、5720円辺りまでが短期上値目標に。
週間ベースでは-68円、1.21%安で4週ぶりの反落。
※参考:
金プラチナ国内価格7/12とチャート
2024年07月12日(金)時点の相場
国内金:13,462 円 7/12(金)
▼13(
0.10%)
国内プラチナ:5,566 円 7/12(金)
▼48(
0.86%)
NY金:2,421.9 ドル 7/11(木)
▲42.2(
1.77%)
NYプラチナ:1,014.4 ドル 7/11(木)
▲7.7(
0.76%)
ドル円:158.88 円 7/11(木)
▼2.83(
1.75%)
7/11(木)のその他主要マーケット指標
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