2012年は4年に1度のアメリカ大統領選挙の年。
2大政党の民主党からはオバマ現大統領が再出馬、共和党の予備選も6月末に全て終了し、8月末に行われる共和党大会で、ロムニー前マサチューセッツ州知事が正式指名へ。9月初旬の民主党大会を終えると、そこから11月6日の投票日までが大統領選の後半戦。テレビ討論なども交えて熾烈な戦いが本格化することになる。
全米規模の世論調査ではオバマ大統領とロムニー氏の支持率はほぼ互角とも言われるが、この大統領選挙、単純な多数決ではないだけに、まだまだ予断を許さない状況。
11月第1月曜日の次の火曜日、と決められている投票日に、各州の有権者は自分が支持する大統領候補者へ投票する。
そして州ごとにこの投票結果を集計し、各政党公認の大統領候補者の得票結果が公表される。
ここでポイントになるのが「選挙人制度」と言われる制度で、
1位となった候補者(政党)を推奨する選挙人を全て獲得(各州に割り当てられて選挙人の数が全て得票数となる)。
例えば、55人の選挙人が設定されているカリフォルニア州の選挙では1位となった候補者が、実際の有権者の投票数ではなく、選挙人の数である55票を獲得することになる。
有権者の投票数がたとえ1票差であろうと敗ければ0票。勝者独占の制度なのだ。州の独立性を尊重した制度のようだ。
この時点で各州の1位となった候補者に対応する選挙人の数(カリフォルニア州なら55)を全米で集計し、過半数を獲得した候補者が事実上、大統領に決定。正式には12月に行われる選挙人による選挙により決定するが、この選挙人たちは事前に誓約書にサインするなどして造反することはない為11月の選挙結果が反映される。
ここで問題になってくるのが、各州の選挙人の数の違い。この数は、その州の上院議員2名と下院議員が州の人口に比例して決定される為、最大では上記のカリフォルニア州から、最小のアラスカ州やワシントンD.Cの3名まで、バラツキがある。
共和党支持者と民主党支持者が4割ずつを占めると言われるアメリカでは、州によってかなり偏りが見られ、南部で強い共和党と東西海岸で強い民主党という特徴がある反面、フロリダ、バージニア、ミネソタ州などのように、毎回どちらかに振れる、スイングステートと呼ばれる州がある。
今回の大統領選挙ではこのスイングステートの数も増えていると見られ、それぞれの州の選挙人の数と合わせて、大詰めを迎える選挙戦に向けて両陣営は戦略を練ることになる。
最終更新:2012年07月09日