金プラチナ短期相場観
米製造業の景況感悪化は本当に予想外か
更新日:2012年12月4日(火)
中国の製造業の景況感好転が牽引し、世界の製造業景況感も改善の兆しが見られ始めるなか、順調に上昇し始めたかに思われていた米国の景気指数が悪化しました。米サプライマネジメント協会(ISM)発表の11月の米製造業の景況指数は分岐点の50を割れて49.5に。
2ヶ月間連続で51台と順調に推移し始めていたことで、今回は10月下旬のハリケーンの影響を考慮し、多少の低下を含めても51台前半との市場予想を大幅に下回る結果。ハリケーン「サンディ」の影響が予想以上に大きかったとの見方もあるようですが、もともと米国の製造業は停滞中の状態からあまり回復していない、という見方もあるようです。
直近数値との比較では、分岐点の50を超えての2ヶ月連続上昇直後の反落となり、予想外の下落と言われますが、4ヶ月移動平均での推移を見ると、下落傾向がややなだらかになり、たまたま10月にやや上昇、11月には従来の流れ(なだらかな下落・停滞)に戻った、と見ることもできます。
4ヶ月移動平均の推移はこちらで確認できます。米ISM製造業景況指数の推移
NY市場、金はサポートラインの1,710ドル台からやや反発。下落バイアス優勢ながら右肩上がりの90日移動平均にもサポートされた様子。なんとか節目割れを避けて1,770ドル台の上値目標に望みを繋げたいところ。
プラチナは反発。流れは上方向、早めに1,620ドルラインを突破し、目標値1,650ドル付近への再トライに臨めるか。下方向の節目は1,560ドル。
国内金価格は続落で短期トレンドは下落方向へ。サポートラインは4,700円、4,600円、4,510円。
プラチナも小幅に続落ながらも上昇バイアス優勢。4,400円の節目で反発できないと、強めのサポートラインがあまりなく、下値警戒感が高まることに。11月安値4,119円から高値4,465円までの上昇分の38.2%戻しライン4330円付近が次のサポートライン候補。
ドル円もやや下値警戒感が高まる展開になってきました。82円台前半の狭いレンジでの推移が続いていますが昨日も瞬間的に82円割れを試すなど、下方向へのトレンド逆転も目前の状態。
※参考:本日の金価格、プラチナ価格とチャート12/4
- 2012年12月4日(火)時点の相場
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国内金 : 4,710 円 12/4(火) ▼17(0.36%) 国内プラチナ : 4,418 円 12/4(火) ▼11(0.25%) NY金 : 1,721.1 ドル 12/3(月) ▲8.4(0.49%) NYプラチナ : 1,613.8 ドル 12/3(月) ▲9.2(0.57%) ドル円 : 82.24 円 12/3(月) ▼0.23(0.28%)
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