金プラチナ短期相場観
プラチナ価格低迷の要因
更新日:2013年5月29日(水)
世界のプラチナ産出量の72%を占める南アフリカ共和国。この国の通貨南アフリカランドも、日本円と同様に自国通貨安が進んでいます。
ドル/南アランドは年初1ドル=8.5ランド。これが今朝の時点では1ドル=9.78ランドに。1.28ランドの南アランド安ドル高。15.1%のランド安。
逆方向に見ると、年初の1ランド=0.118ドルから、現在は1ランド=0.102ドル。
ちなみにドル円が年初の1ドル=87.34円から102円まで14.66円、16.8%の円安。日本円だけが飛び抜けて自国通貨安との批判もありましたが、決してそんなことはなく、南アフリカランドも日本に次ぐ自国通貨安の水準となっています。
年初に100ランド分のプラチナをドル建てで輸出すると、11.8ドルだったものが、
現在同じ量、100ランド分のプラチナをドル建てで輸出すると10.2ドルです。
ドル建てでは1.6ドル、13.6%も安くなっている計算です。
プラチナ鉱山の労使問題などによる供給懸念も抱えるものの、これほどの南アランド安は、プラチナ価格低迷の大きな要因の一つとなってきているようです。
昨日発表された南アフリカの今年第1四半期の経済成長率は前期比0.9%で前期の2.1%から大幅減速。予想を超える減速で今後の利下げ懸念によるランド安傾向は、まだしばらく続きそうな状況です。
連休明けのNY市場、金は1,400ドルまで買われたものの、米国の住宅価格指数や消費者信頼感指数がいずれもリーマンショック前の水準となる好結果でNYダウの上昇、ドル高の流れで下落。2営業日続落でまた安値揉み合い圏内に。1,440ドルの上値目標は維持。1,360ドル台がサポートライン。
プラチナは0.68%反発も9日移動平均線を超えられす、緩やかな下落トレンドから抜け出せない状況。最大1,360ドル台までの下落リスク継続。1,480ドル台が上値レジスタンス。
ドル円も株高に連動し、1.39%の円安で102円台を回復。このまま円安の流れで103円台の高値更新トライへ、と順調に進むかどうかはやや微妙。104円のオプションや安倍政権の成長戦略第3弾、月初の重要経済指標発表ウィークを控えての警戒感も。下値目標値100円割れ付近は継続。
※参考:金プラチナ価格とドル円 NY市場5/28終値とチャート
国内、金は狭いレンジで上下に振れる展開から一服、ほぼ横這い推移。4,570円台への下落リスクは残るものの、流れはわずかに上方向へ。4,770円のレジスタンスを突破できるようなら、4月後半以降続くレンジ相場上抜けへの期待も高まるところ。
プラチナは連日1%弱の上昇で5,000円台を回復。しかし流れはまだ下方向優勢で4,870円辺りまでの下落リスク継続。5,100円のレジスタンス超えとなれば流れも大きく変わりそう。
※参考:金プラチナ国内価格5/29とチャート
- 2013年5月29日(水)時点の相場
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国内金 : 4,744 円 5/29(水) ▼1(0.02%) 国内プラチナ : 5,008 円 5/29(水) ▲46(0.93%) NY金 : 1,378.9 ドル 5/28(火) ▼7.7(0.56%) NYプラチナ : 1,461.8 ドル 5/28(火) ▲9.9(0.68%) ドル円 : 102.35 円 5/28(火) ▲1.40(1.38%)
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