金プラチナ短期相場観
欧州で相次ぐ格下げ
更新日:2013年7月13日(土)
今朝、格付け会社フィッチ・レーティングスによってフランスの最上級格付け「AAA」が剥奪されました。低迷するGDP成長率、失業率の高止まり、債務増大懸念によるものとして1段階下の「AA+」へ。しかし、主要格付け会社のうちの他2社とはこれで同格。S&Pは2012年1月に、ムーディーズは2012年の11月に既に格下げ済。しかもこの2社による見通しはいずれも「ネガティブ」で今後の格下げ懸念も伴う状態。
これでユーロ圏17カ国のうち、主要3社全てから最上級の「AAA」格付けを受け、見通しも「安定的」な国はフィンランドのみ。見通し「ネガティブ」を含めるとドイツ、ルクセンブルク、オランダが加わる4カ国。
下は「BB+」以下のジャンク級(投資不適格)を3社から受ける国がポルトガル、キプロス、ギリシャの3カ国。1社でもジャンク級指定されている国を含めると、アイルランド、スロベニアが加わる5カ国。
今月は9日にもイタリアがS&Pにより「BBB+」から「BBB」へ引き下げ。あと2段階でジャンク級。財務相はイタリア政府による成長政策を考慮していないとして非難しましたが、イタリアの失業率はフランスを上回り、ユーロ圏でもワーストクラス。昨年から定期的に格下げが続いています。5日には政局混乱のポルトガルがS&Pによって既にジャンク級の「BB」を見通し「安定的」から「ネガティブ」へ。
南欧の国債利回りも5月以降上昇し始め、ユーロ圏では緊縮疲れも見え始めているようです。
NY市場、金相場は5日ぶりの小反落。1,290-1,300ドル辺りの壁はやや厚そうな状況も目標1,310ドル台を目指す展開。下値サポートは1,250ドル台、1,210ドル。
週間ベースでは+64.9ドル(+5.35%)で4週間ぶりの大幅上昇。
プラチナは一時1,418ドルまで上昇も終値では前日からほとんど変わらず、1,410ドルの目標到達後の小動き状態。
週間での+80.5ドル(+6.07%)の大幅上昇は5週間ぶりの反発。
ドル円は0.37%の反発。安値では下値メド98円60銭台でとどまり、99円台に回復。ドル買い戻し優勢とはなったものの、反発力に力強さは見られず、方向感が見出しにくい状況へ。上方向の節目は101円20銭、100円付近がやや抵抗にも。下値メド98円60銭への警戒感も継続。
週間ベースでは-1円89銭(-1.87%)、4週間ぶりの下落。
※参考:金プラチナ価格とドル円 NY市場7/12終値とチャート
- 2013年7月13日(土)時点の相場
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国内金 : 4,261 円 7/12(金) ▼21(0.49%) 国内プラチナ : 4,685 円 7/12(金) ▲3(0.06%) NY金 : 1,277.6 ドル 7/12(金) ▼2.3(0.18%) NYプラチナ : 1,406.9 ドル 7/12(金) ▼0.7(0.05%) ドル円 : 99.31 円 7/12(金) ▲0.37(0.37%)
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