金プラチナ短期相場観
1年前の不安もよぎる2015年1月のマーケット
更新日:2015年1月3日(土)
2日に発表された米国の12月ISM製造業景況指数は55.5となり、好不況の境目の50を上回る水準を維持。しかし事前予想の57.6を2.1ポイント下回り、高水準が続いた2014年のなかでは半年ぶりにやや低調な結果。マークイット発表の製造業PMIの改定値も53.9となり、1月以来の低水準に。
各国の製造業PMIでも、インドを除いては下落、もしくは50前後の低調ぶりが続き、米国以外の景気回復の遅れと低迷が足を引っ張る形となり、米国の輸出市場の不透明感が懸念される状況。
なお、構成指数のうちの雇用関連指数では、ISMの数値は56.8で18カ月連続上昇と好調ぶりを示すのに対し、マークイットの数値は53と7月以来の低水準とまちまち。
それでも12月分の数値が大きく落ち込んだ1年前の雇用統計の記憶もよみがえります。季節要因による影響も懸念される時期にあり、前月まで好調が続いていた流れも昨年と同様。ドル高傾向に伴う新興国通貨安が進行している状況も昨年と同様。
さらに、ここまでは米株高の流れがピークをつけた可能性もありそうな流れとなっていることも昨年と同様。
1年前も、NYダウは12月中旬から年末にかけて上昇し、年末年始がピークとなって1月の大幅下落へと向かいました。
もし、1年前の不安が再現するような流れになると、安値圏からの反発基調をかろうじて維持する状態の金相場とプラチナ相場も1年前と同様、2015年1月は上昇傾向を強めることになりますが・・・。
2日のNY金相場は0.18%の小幅反発。12月のユーロ圏製造業PMIの下方修正やドラギECB総裁のQE示唆発言などを背景にユーロ売りドル買いが進行すると、金も売り圧力が強まり、一時1カ月ぶり安値圏となる1,167ドルまで下落。その後、米12月ISM製造業景況指数が予想を下回ると1,190ドル台へと急反発。行って来いとなって1,180ドルのサポートライン割れをなんとか回避。上方向には1,200ドルが抵抗線となってレンジを形成。上方向へのブレイクなら1,250ドル近辺まで反発の可能性、下方向なら1,140ドル付近までの下値余地。
週間ベースでは-9.1ドル(-0.76%)となって3週続落。
プラチナ相場は0.49%の続落。1,187ドルまでの下押し後の反発局面では金に追随し切れず。1,200ドルから1,220ドルまでのレンジ状態は継続も反発への可能性がやや優勢か。レンジ上抜けなら1,250ドル近辺を、下抜けなら1,170ドル近辺を目指す流れに。
週間ベースでは-15.5ドル(-1.27%)の反落。
ドル円は0.64%の続伸。対ユーロでのドル買い進行に伴い、対円でもドル買いの流れが継続。しかし、120円70銭のレジスタンスラインで頭打ちとなったところで測ったようにISM製造業景況指数の下振れで急落、119円80銭まで下げると反発傾向へ。119円台での底堅さを示す展開に。119円40銭から120円70銭までのレンジを維持して次週からの2015年本格始動へ。
週間ベースではわずかに+0.1円(+0.09%)となり3週続伸。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場1/2終値とチャート
- 2015年1月3日(土)時点の相場
-
国内金 : 4,908 円 12/30(火) ▼36(0.73%) 国内プラチナ : 4,978 円 12/30(火) ▼32(0.64%) NY金 : 1,186.2 ドル 1/2(金) ▲2.1(0.18%) NYプラチナ : 1,203.0 ドル 1/2(金) ▼5.9(0.49%) ドル円 : 120.49 円 1/2(金) ▲0.76(0.64%)
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