金プラチナ短期相場観

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世界のプラチナ需給 2016年第3四半期

更新日:2016年11月23日(水)

世界のプラチナ産出量-四半期推移 2016年第3四半期WPIC(World Platinum Investment Council)のプラチナ需給レポートによると、2016年第3四半期の世界のプラチ総供給量は62.2トン(鉱山46.3t、リサイクル15.9t)。前期比-9.3%(鉱山-13.6%、リサイクル+6.3%)、前年同期比では-4.5%(鉱山-11.3%、リサイクル+22.9%)となっています。
国別のプラチナ鉱山産出量では、南アフリカでの安全生産問題による停止や年初の供給停止期間の生産者在庫補充により、前期比-4.9%、前年比でも-4.1%と小幅減。
リサイクルの内訳は自動車触媒が9.8t、宝飾品が6.1tとなり、自動車触媒の小幅減を宝飾品リサイクルの大幅増がカバー、中国業者の在庫調整による影響。
在庫増減を除く鉱山精錬高の比率は、南アフリカ72.7%、ロシア11.0%、ジンバブエ7.2%、北米6.3%。2016年第1四半期を除いてほぼ横ばい推移。

目的別プラチナ需要-四半期推移 2016年第3四半期第3四半期の総需要量は、60.3トン(自動車触媒24.7t、宝飾20.7t、産業用13.7t、投資1.2t)。前期比-5.4%、前年同期比-17.3%となり、3期ぶりの水準に低下。
自動車(ディーゼル車)排ガス触媒需要は季節要因からの減少、2015年のVWショックによる影響は限定的となっています。宝飾品需要の小幅増加にはインドでのプラチナ宝飾品需要増が寄与。
投資需要では、地金・コインの現物投資需要が2.2tとなって前期比-36.4%、前年比61.1%の大幅減。価格上昇に伴い、逆張り志向の日本の需要減が影響。
シェアは自動車触媒41%、宝飾34%、産業用23%、投資2%。投資以外は概ね横ばい推移。

2016年通年の見通しでは、総供給量は244.8トン(前年比-0.4%)の小幅減。鉱山産出量は186.9t(-3%)、リサイクル57.9t(+8.8%)。
総需要も250.1トン(前年比-2.7%)で小幅減。自動車触媒105.4t(-0.1%)、宝飾80.2t(-10.4%)、産業用53.5t(+2.1%)、投資10.9t(+14.8%)。

2017年予想も公表され、総供給量は240.9トン(前年比-1.6%)。鉱山186.6t(-0.2%)、リサイクル54.3t(-6.2%)。
総需要は244.0トン(前年比-2.4%)。自動車触媒104.5t(-0.9%)、宝飾81.6t(+1.7%)、産業用50.1t(-6.4%)、投資7.8t(-28.6%)。

プラチナ年間需給バランスと地上在庫 2016年11月年間ベースの需給バランスでは、2017年まで6年連続での供給不足が予想される状況。しかしながら、需要も伸び悩み傾向にあり、不足量は縮小傾向。
ただし、プラチナの地上在庫はゆるやかな減少傾向が続きます。

2016年第4四半期にはプラチナ価格下落に伴い、日本をはじめアジア圏での投資・宝飾需要増も予想される状況と思われます。
なお、11月初旬のインド政府による突然の高額紙幣廃止の影響が、金の現物需要増に加え、プラチナ需要増にもつながる可能性もありそうです。

NY金・日足チャート 2016/10/24 - 11/2222日のNY金相場は0.12%の小幅続伸。9カ月ぶりの安値となった先週末安値の1201ドルからの反発基調は継続し、時間外には1220ドル台まで上昇。しかし、NY市場ではNYダウ、S&P500、NASDAQの主要3指数が連日の史上最高値更新、NYダウは遂に19,000ドル超え。とどまるところを知らないリスクオンの流れに押されて一時1205ドルまでの下落。SPDRゴールドシェアーズの金ETF残高は11月10から9日連続の減少で5カ月ぶりの低水準となる904.91トンまで減少。1210ドル近辺での保ち合いで下げ渋る状態がどこまで続くか。1200ドルの大台ライン割れなら1170ドル付近までが意識されやすく、反発方向には1230ドルラインに抵抗感。なお、RSIの5.9%は昨年11月以来、1年ぶりの異常な低水準。

NYプラチナ・日足チャート 2016/10/24 - 11/22NYプラチナ相場は0.69%高で続伸。金とともに反発基調が続いた時間外のピークは952ドルまで。現状の抵抗水準950ドルが意識されて頭打ち、NY市場での反落は934ドルまでとこれも限定的。920-950ドルのレンジ上抜けなら970ドル台へ、下抜けなら900ドル割れへと動き出す可能性を抱きながらの保ち合い状態はもうしばし継続か。

ドル円・日足チャート 2016/10/24 - 11/22ドル円は0.31%の反発となり、NY終値では4月27日(111.44)以来、ほぼ7カ月ぶりの111円台。米金利上昇一服で111円を挟んでの揉み合い状態となり、米10月の中古住宅販売件数が2007年2月以来9年8カ月ぶりの高水準、11月リッチモンド連銀製造業景気指数も4カ月ぶりのプラス圏回復など好結果を受けてのドル買い加速局面でも上値は111円30銭台まで。前日高値と同水準で上値を押さえられた格好。RSIは90%を超え、2014年8月26日以来2年3カ月ぶりの異常値と言える買われ過ぎ水準。当時は翌日に80台へと低下、しかし80台を維持したままドル高円安が一段と進行していた時期。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場11/22終値とチャート

2016年11月23日(水)時点の相場
国内金4,628 円 11/22(火) ▲17(0.37%)
国内プラチナ3,590 円 11/22(火) ▲61(1.73%)
NY金1,211.2 ドル 11/22(火) ▲1.4(0.12%)
NYプラチナ943.0 ドル 11/22(火) ▲6.5(0.69%)
ドル円111.13 円 11/22(火) ▲0.34(0.31%)

11/22(火)のその他主要マーケット指標

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世界のプラチナ需給 2016年第3四半期 11/23(水)

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