金プラチナ短期相場観

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米大統領選後の新興国通貨・日本円・NY金の下落率

更新日:2016年11月21日(月)

米大統領選後の新興国通貨・日本円・NY金の下落率米大統領選後に新興国通貨安が進行していますが、その度合はそれぞれのお国事情により、かなり開きがあるようです。
※18日時点の対ドルレートで年初来騰落率と、11月8日からの下落率を米大統領選後の下落率として計算し、いずれも1ドル当たりの各国通貨価値(金は1ドル当たりの重量に換算)で比較。

米大統領選後の下落率では、やはりメキシコの壁とトランプ次期大統領の保護主義政策への警戒感からメキシコ・ペソの下落率が12.7%で最大となっています。
米国の12月利上げも確実視される状況となり、資本流出懸念が高まる新興国通貨のなかでもその傾向が顕著に出やすい南アフリカ・ランドが9.7%でこれに続き、相関性の高いNYプラチナ相場も同水準の下落率。
これにトルコリラ、ブラジルレアル、日本円、NY金が5%強の水準で続き、インドルピー、インドネシアルピア、中国人民元、ロシアルーブルは3%未満と比較的小幅安にとどまっている状況です。

年初来騰落率との比較で見ると、
メキシコ・ペソはもともと原油安の影響もあり今年20.1%の大幅下落となっており、そのなかでも大統領選の影響も大きく、一段安の状態。
同様の傾向となっているのはトルコリラ。こちらは政情不安が根底にある状況での一段安。
下落率こそ小さいものの、中国人民元も同じような傾向を示しています。ゆっくりと景気減速不安が進行しているところが気になるところです。

ブラジルレアルは昨年までの下落が底を打ち、今年14.8%の大幅レアル高。一時は22%台まで上昇していました。大幅高進行中のなかでの大幅調整、という状態。
NY金と日本円も同じような展開となっています。なお、大統領選後の下落率で金と円は同水準となっていることにより、国内金価格はほぼ横ばい推移の状態となっています。
インドネシアルピアも変動率は小さいものの同じパターン。

南アランドは一時15%程度の自国通貨高が進行していた状態から、今回の大幅下落でその半分以上を帳消しにしてしまった状況。
NYプラチナもこのパターンです。なお、大統領選後の下落率が日本円を大きく上回ったことにより、国内プラチナ価格はやや軟調推移となっています。

ロシアルーブルは今年大幅高で大統領選の影響は限定的。逆にインドルピーは今年ほぼ横ばい推移の安定状態から大統領選後に小幅急落。

当然のことながら、米国との距離感が近い国の通貨ほど下落幅は大きくなっています。
この傾向が今後もしばらく継続するようなら、南アランドやNYプラチナ相場は今年の上げ幅を全て消してしまうピンチに陥ることになりそうです。

21日の国内金価格は先週末から0.3%の小幅高。週明け東京市場午前の時間帯では、NY金が先週末からほぼ変わらずの1210ドル近辺の水準で静かなスタート、為替は一時1ドル=111円10銭台まで上昇後に小幅反落で111円割れ。あっさりと111円の壁を突破したことでドル高円安の勢いはまだまだ衰えを見せない様子も。足下で水平状態の9日移動平均線に支えられ、その下には右肩上がりの21日移動平均線が4589円まで上昇。少し上にはゆるやかに下降し始めた90日移動平均線が4648円。わずかに上向き傾向の短期的な流れで中期下落トレンドの節目となる90日移動平均線を突破できれば4720円程度まで上値を切り上げるような展開も。下方向には21日移動平均線がサポートラインとなる状態が続くかどうか。下抜けると11月安値4510円台が再び意識される展開へ。

プラチナ価格はわずか2円安となり、小幅に3営業日続落。下方リスクがやや高まってきたNYプラチナは920ドル台で下げ渋り。この状態が続き、為替が111円台再トライへと向うようなら反発への動きも期待され、3550円台の節目を突破するとほぼニュートラルな状態から上向きの流れ再開となる可能性も高まり、上値目安は3630円付近まで。逆の展開なら短期下落トレンド優勢へ、3490円の節目割れで下値目安は3430円近辺へ。
※参考:金プラチナ国内価格11/21とチャート

2016年11月21日(月)時点の相場
国内金4,611 円 11/21(月) ▲14(0.30%)
国内プラチナ3,529 円 11/21(月) ▼2(0.06%)
NY金1,208.7 ドル 11/18(金) ▼8.2(0.67%)
NYプラチナ922.0 ドル 11/18(金) ▼23.1(2.44%)
ドル円110.92 円 11/18(金) ▲0.77(0.70%)

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