金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

強い耐久財受注が強い米国を支援、強すぎるドル高も支援

更新日:2016年11月24日(木)

米・耐久財受注(除輸送機器)2016年10月米商務省が発表した10月の耐久財受注は、市場予想の前月比+1.7%を大幅に上回る+4.8%となり、昨年10月(+4.8)以来1年ぶりの強い伸びを示しました。
変動の大きい輸送機器関連を除いた受注額も前月比+1.0%(チャート)となり、市場予想の+0.2%を大きく上回っています。7月(+1.1)以来3カ月ぶりの水準となり、水準的には過去の好調時と比較してもそれほど強い状況とは言い切れません。
しかし、6カ月平均では3カ月連続のプラス圏推移で+0.25%まで上昇し、2014年9月(+0.37)以来、2年1カ月ぶりの水準を回復しています。2015年9月から今年7月までの11カ月連続マイナス圏となった低迷期を完全に抜け出した状態となり、米製造業の回復基調が加速し始めた状況を示唆しているようです。

民間の設備投資の先行指標、非国防資本財から航空機を除いたコア受注は前月比+0.4%。9月の-1.4%からは急反発となり、6-8月のプラス圏推移と合わせ、9月の低迷が一時的だった可能性を示します。6カ月平均でも9月の-0.1%から+0.2%へと上昇し、今年4-5月の-0.8%からの回復基調が続きます。

GDP算出に用いられるコア資本財(航空機を除く非国防資本財)の出荷は前月比+0.2%となり、9月の+0.4%、8月の+0.1%と、こちらも3カ月連続プラス圏での好調を維持。

トランプ次期大統領決定前の10月分の強い耐久財受注の結果が、強い米国を目指すトランプ次期大統領を支援し始めていた様子です。
この日発表された、11月マークイット製造業PMIも1年ぶり高水準へ、11月ミシガン大消費者信頼感指数も半年ぶり高水準となり、トランプ効果とも相まって強すぎるドル高を支援する材料も後を絶たない状況となってきました。

NY金・日足チャート 2016/10/25 - 11/2323日のNY金相場は1.81%の大幅反落となり、2月5日(1157.7)以来9カ月半ぶりの安値水準に。1210ドル近辺での下げ渋り状態から、NY市場朝の米10月耐久財受注の強い結果を受けて急落。10月新築住宅販売件数の予想下振れ以外は新規失業保険申請件数も好調維持、11月ミシガン大消費者信頼感指数の確報値も大幅上方修正され、11月後半の景況感上向きを示唆。NYダウは連日の過去最高値更新、金利上昇・ドル高も一段と進行し、金の反発は限定的。RSIは5.1%まで低下し、昨年11月18日(4.2)以来1年ぶりの異常低水準をさらに更新。水準的には昨年12月安値から今年7月高値までの61.8%戻し1172.3ドル付近が意識される。

NYプラチナ・日足チャート 2016/10/25 - 11/23NYプラチナ相場も3日ぶりの反落で1.26%安。しかし前日までに940ドル台まで反発していた貯金効果で、足下のレンジ下限920ドル割れは瞬間的にとどまって保ち合い水準での推移を維持。ただし流れは下向き優勢の状態が継続、金に遅れて一段安の展開も警戒されるところ。920ドル割れの場合の下値目安は890ドル近辺まで。今年の上昇幅の76.4%戻し903ドル付近でサポートされるかどうか。

ドル円・日足チャート 2016/10/25 - 11/23ドル円は1.21%の大幅続伸。勤労感謝の日で閑散の東京市場は111円をはさんでの揉み合い状態、欧州市場終盤から徐々にドル高の流れが再開、米経済指標上振れを期待する動きは10月耐久財受注の大幅上振れで急加速。一時3月29日(113.80)以来ほぼ8カ月ぶりのドル高円安水準となる113円寸前まで上昇。RSIは96.3へとさらに上昇し、2011年4月6日(97.0)以来、5年7カ月ぶりの異常水準。当時は東日本大震災直後のG7協調介入によるドル高円安局面で10連騰となった日。現状のドル高の流れも為替介入効果並みの過熱感。それでも歴史的ゴールデンレンジのなかの谷間水準を一気に駆け抜けようかという展開となり、2015年高値から今年安値の50%戻し(112円50銭)を達成。61.8%戻しとなる115円60銭台までの上昇も歴史がサポートする可能性も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場11/23終値とチャート

祝日明け、24日の国内金価格は0.56%の反落。7月高値から9月、11月高値へと上値を切り下げる中期下落トレンドの上値抵抗線付近に到達していることもあり、上値の重い展開に。足下では90日移動平均線が抵抗線状態、目先は4630円が上方向への節目となり、突破できれば90日移動平均線を超えて9月高値(4728)超えが次の目標水準となる可能性も。

プラチナ価格は0.25%の小幅続伸。NYプラチナの下げ幅が比較的大きくならなかったことで円安効果を反映。短期上昇トレンドを維持し、当面の目標水準3630円近辺を目指す流れが継続。ただし9月高値から上値を切り下げる中期下落トレンドの抵抗線付近に到達しており、失速も懸念される水準。3520円台のサポートラインを割れないことが重要。
※参考:金プラチナ国内価格11/24とチャート

2016年11月24日(木)時点の相場
国内金4,602 円 11/24(木) ▼26(0.56%)
国内プラチナ3,599 円 11/24(木) ▲9(0.25%)
NY金1,189.3 ドル 11/23(水) ▼21.9(1.81%)
NYプラチナ931.1 ドル 11/23(水) ▼11.9(1.26%)
ドル円112.48 円 11/23(水) ▲1.35(1.21%)

11/23(水)のその他主要マーケット指標

世界金融危機以来の激動の年となってきた2016年為替市場 11/25(金)

強い耐久財受注が強い米国を支援、強すぎるドル高も支援 11/24(木)

世界のプラチナ需給 2016年第3四半期 11/23(水)

ドル円110円台前半は歴史的ゴールデンレンジのなかの谷間水準 11/22(火)

米大統領選後の新興国通貨・日本円・NY金の下落率 11/21(月)


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