金プラチナ短期相場観
ドル円110円台前半は歴史的ゴールデンレンジのなかの谷間水準
更新日:2016年11月22日(火)
急激なドル高円安の流れが続く為替市場、17日NY終値で1ドル=110円台に到達すると、週明け21日には一時111円台まで上昇し、3日連続で終値でも110円台を維持。
この水準は、ドル円相場にとっての歴史的ゴールデンレンジのなかの谷間水準となっています。
1971年以降のドル円相場の歴史のなかで、終値ベースでの価格が100円以上125円未満だった日は、全営業日数11,766日のうち4,435日。このレンジ内の占有率は37.69%に達します。この水準は、ドル円相場にとっての歴史的ゴールデンレンジと言えます。
さらに5円刻みで分類した場合のに占有率は、
1位(ゴールデンエリア):105円以上110円未満:1109日、9.43%
2位(シルバーエリア):115円以上120円未満:994日、8.45%
3位(ブロンズエリア):120円以上125円未満:952日、8.09%
4位:100円以上105円未満:774日、6.58%
5位:110円以上115円未満:606日、5.15%
110円から115円までのレンジは、この歴史的ゴールデンレンジのなかにあって、滞空日数は極端に少なくなっています。
過去の推移を見ても、なぜか素通りすることが多い、谷間の水準です。
この歴史から見ると、今後さらにドル高円安の流れが加速した場合、シルバーエリアとなる115円台到達までに要する時間は、それほど長くはならない可能性が高そうです。
しかし、加速しない場合、110円割れへと反落し、ゴールデンレンジのなかのゴールデンエリアへと逆戻りする可能性も高くなります。
21日のNY金相場は0.09%の小幅高で4営業日ぶりの反発。米株高の流れは続き、NYダウはまたも史上最高値更新となるなか、米10年債利回りは2.35%台の高値圏では頭打ちとなって2.31%台へと反落、ドルインデックスも13年ぶり高値水準となる101.50ポイント付近から101ポイント割れへと反落するなど、債券安・金利高・ドル高の流れは一服。これを受けて金は1210ドル台を中心に保ち合い推移。明確な反発状態とは言えないまでも、1200ドル台での足場固めも進行中の様相。感謝祭ウィークとなる週後半にかけて市場も閑散となり、やや荒い展開となる可能性もあり、1210ドル近辺を中心に下は1170ドル付近まで、上方向には1250ドル辺りまでの急変動も。
NYプラチナ相場は3営業日ぶりの反発で1.57%の大幅高。先週末の大幅安で930ドルの節目割れに伴う下値トライへの動きは一時的となって巻き戻し、再び揉み合い水準へと逆戻り。金曜のNY市場安値915ドルを底値として反発の流れがコンスタントに続き、今朝の時間外では940ドル台へ。改めて920ドルラインが下方向への節目となり、上方向へは引き続き950ドルが抵抗水準。反発の流れが続いてレンジ上抜けなら次の目安は970ドル台辺りまで、再度下値トライへと向うようなら900ドル割れも。
ドル円は0.11%の小幅安となり3営業日ぶりの反落。東京市場での111円台から欧州市場にかけては110円40銭台まで調整反落、しかし押し目買い意欲も強くNY市場では一時5月30日(111.45)以来のドル高水準となる111円30銭台まで上昇。日本時間早朝の地震に反応し、110円半ばまで急落すると、その後は乱高下を経て今朝の東京市場では一時110円20銭台まで下げて再反発。祝日前の東京市場で早くも荒れ模様の兆しも。ドル円と米10年債利回りとの30日間の相関係数は0.96109となって近年最大。日米金利差との30日相関係数0.94298をも上回る金利連動相場は続く。9日安値から21日高値まで、2週間弱で10円超の上昇幅を達成し、格好の調整タイミングを迎えた感もあり、23.6%戻しとなる109円近辺までの急反落はいつでも起こりうる状況か。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場11/21終値とチャート
22日の国内金価格は0.37%の小幅続伸。NY金の小康状態からやや反発傾向の動きと早朝時間帯からの為替の乱高下気味の展開の間隙を縫っての小幅高となり、上方向への節目4650円へジワリと接近。しかしここからは上値も重くなりやすい水準。週後半にかけての閑散市場が荒い展開となって上方向へと押し上げられた場合には、節目水準突破で9月高値水準4720円台を目指す短期上昇トレンドへと発展する可能性も。下方向には9-21日移動平均線が集中する4590円台がサポート水準候補。
プラチナ価格は1.73%の大幅高となり、4営業日ぶりの反発。NYプラチナの急反発に押し上げられて3550円台の節目を突破、短期上昇トレンド再加速となった形で3630円近辺までもう一段高の余地も。日米の祝日通過後の週末には変動率拡大で相場急変動の可能性も。上方向への流れが予想以上に加速した場合には3700円近辺が次の目安水準に。逆に急反落で3520円台を割り込むような展開となった場合には3400円台前半へと大幅反落も想定可能。
※参考:金プラチナ国内価格11/22とチャート
- 2016年11月22日(火)時点の相場
-
国内金 : 4,628 円 11/22(火) ▲17(0.37%) 国内プラチナ : 3,590 円 11/22(火) ▲61(1.73%) NY金 : 1,209.8 ドル 11/21(月) ▲1.1(0.09%) NYプラチナ : 936.5 ドル 11/21(月) ▲14.5(1.57%) ドル円 : 110.79 円 11/21(月) ▼0.12(0.11%)
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