金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

米7月雇用統計はプチ・サプライズ、賃金上昇率は依然低迷

更新日:2017年8月5日(土)

米雇用統計・平均時給と賃金上昇率 2017年7月米労働省発表の7月雇用統計では、非農業部門雇用者数(NFP)の伸びが予想を上回る好結果となり、3カ月平均でも+19.5万人となって前月の+19.43万人からわずかに上昇。ただし、年間平均では+18.4万人にとどまり、2016年の+18.7万人をわずかに下回り、2012年(+17.9万人)以来5年ぶりの低水準。
失業率は5月と並ぶ4.3%で16年ぶり低水準となりましたが、U6失業率は8.6%で前月から変わらず。9年半ぶり低水準となる8.4%まで低下した5月からは少し反発した水準での足踏み状態。

労働参加率は2カ月続伸で62.9%へと上昇しましたが、2-3月の63%には届かず。回復目安とされていた66.1%には程遠く、最悪時の62.4%から小反発した状態、下げ止まった状態に過ぎません。
そして、長期失業者の割合は25.9%へと上昇し、昨年8月(25.9)以来11カ月ぶりの水準に悪化。8年ぶり低水準となった4月の22.6%からは3カ月連続上昇となり、回復目安19.1%を手前に停滞しています。

平均時給は6月の26.27ドルから7月は26.36ドルへと上昇。コンスタントな上昇傾向は続き、前月比では+0.34%となり、昨年10月(+0.35%)以来9カ月ぶりの大幅な伸びとなっています。
ただし、前年同月比では6月の+2.54%から7月は+2.53%へとわずかに鈍化。1年2カ月ぶり低水準となった5月の+2.46%からはわずかに反発した状態で伸び悩み。12月と2月に約8年ぶり高水準となった2.8%台から急失速した状態が続きます。賃金上昇率は、依然低迷状態が続いています。

ポジティブ・サプライズかのような市場反応とはなりましたが、やや過剰反応のようなイメージも。
インフレ加速に向けての重要指標となる、賃金上昇率の伸びは極めて限定的にとどまっており、プチ・サプライズ程度の好結果ではないでしょうか。

NY金・日足チャート 2017/6/30 - 8/44日のNY金相場は0.77%安となって3日続落。雇用統計の好結果を受けて1270ドル台から1260ドル台へと10ドルほどの急落。内容的にはポジティブながら、サプライズと言えるほどでもない結果を受けての流れを加速させたのは、コーン米国家経済会議(NEC)委員長の大幅減税示唆(現在の35%からOECD平均の23%へ)発言報道だったのかもしれない。ドル売りも米10年債利回り低下の流れもいったんは反発した形となり、NY金は1週間ぶりの水準となって7月安値から8月高値の23.6%戻し(1262.3)の状態。1240ドル台をサポート水準として1290ドル近辺を目指した短期上昇トレンドは1日高値1280.3ドルまででいったん途切れてしまった可能性も。流れとしてはまだ上方向優勢の状態も目先は1240ドル台から1280ドルまでのレンジが意識され、上限突破できればあらためて今年高値更新トライへ、1240ドル台を割り込むようだと下落トレンドへと転換、7月安値圏1210ドル割れまでが下値目安に。
週間ベースでは-3.8ドル(0.3%)となり、4週間ぶりの小反落。

NYプラチナ・日足チャート 2017/6/30 - 8/4NYプラチナ相場は0.46%高となって7日続伸。4月21日(977.6)以来3カ月半ぶりの高値圏で短期上値目標970ドル近辺にしっかり到達後も、さらに上値トライの様相も。しかし、高値では一時974ドルまで上昇も970ドル台を維持出来ず、この重要水準での攻防状態に。過熱感も高まり、反落警戒水準からのいったん調整となれば7月11日安値891.4ドルからこの日の高値までの23.6%戻し(954.8)付近までが目先の下値目安に。中期的には5月高値と6月高値をわずかに上抜け、5月安値と7月安値で構成するダブルボトムをほぼ完成、1040ドル近辺を中期上値目標とする流れがスタートした可能性も。なお、金との価格差は295.6ドルまで急縮小し、2カ月半ぶりの節目300ドル割れ、4月7日(294.7)以来3カ月ぶりの水準。
週間では+32.4ドル(3.46%)の大幅反発。週間上昇率では年初の+7.65%以来、7カ月ぶりの大幅高。

ドル円・日足チャート 2017/7/3 - 8/4ドル円は0.62%のドル高円安となって前日の下落分を取り戻す反発。好結果となった米7月雇用統計後には、米10年債利回りも2.22%近辺の重要水準で反発し、ドルインデックスも長期的な節目93ポイント近辺でいったん下げ止まって反発。ドル円も110円割れでは底堅さを見せた後の急反発で一時111円台を回復したものの、この水準を維持できずに2日前の終値水準110円70銭台へと収束。7月半ばから続いたドル安基調の底打ち、反転の判斷には少なくとも111円台回復が必要で、目先は110円から111円までの小幅レンジで方向感を見極める展開に。次週111円超えなら112円近辺まで上値を伸ばす反発基調へ、110円割れの場合にはドル安トレンド継続で4月安値圏108円半ばが次の下値目安へ。
週間ベースではわずかに+0.02円(0.02%)とプラス転換、4週間ぶりの小反発。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場8/4終値とチャート

2017年8月5日(土)時点の相場
国内金4,810 円 8/4(金) ▼8(0.17%)
国内プラチナ3,657 円 8/4(金) ▲40(1.11%)
NY金1,264.6 ドル 8/4(金) ▼9.8(0.77%)
NYプラチナ969.0 ドル 8/4(金) ▲4.4(0.46%)
ドル円110.72 円 8/4(金) ▲0.68(0.62%)

8/4(金)のその他主要マーケット指標

夏枯れ相場入りの8月、金価格の上値トライはスタート待ち? 8/7(月)

米7月雇用統計はプチ・サプライズ、賃金上昇率は依然低迷 8/5(土)

2017年第2四半期:世界の金需要~8四半期ぶりの低水準 8/4(金)

ドル全面安で迎えるドルインデックスの重要水準と金の攻防ライン 8/3(木)

PCEのコアPCEデッドクロスはインフレ鈍化のサイン 8/2(水)


短期相場観~よく読まれた記事一覧

明日の国内金プラチナ相場価格リアルタイム予想

PIVOT指数から見るNY金相場サポート&レジスタンスライン

PIVOT指数から見るNYプラチナ相場サポート&レジスタンスライン


RSS金プラ短期相場観 RSSリーダーで金プラチナ短期相場観を購読


ページの先頭へ