金プラチナ短期相場観

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3月ISM製造業景況指数は減速も価格指数は7年ぶり高水準

更新日:2018年4月3日(火)

ISM製造業景況指数・価格指数 2018年3月米3月のISM製造業景況指数は、13年9カ月ぶり高水準となった2月の60.8から59.3へと低下。市場予想も下回り、ピークアウトの可能性も示す形となったことで株安とドル売り材料の一つとなったようです。
構成指数のなかでは、価格指数が2月の74.2から3月は78.1へと急騰。4カ月連続の上昇で2011年4月(82.6)以来、6年11カ月ぶりの高水準となっています。
原材料価格は25カ月連続の上昇を示す結果となった模様で、特に3月は鉄鋼・アルミ関税導入も影響しているものと思われます。

折しもこの日は、中国が豚肉やワインなど128の米国製品に最大25%の追加関税を課すとしていた報復関税を発動。
今後も、米国側は中国による知的財産権侵害を理由とする通商法301条発動により中国への高関税を課し、中国側はこれに対しても報復関税で対応するものと見られます。
水面下での交渉も続けながらも、実際にジャブの応酬が始まり、米中貿易戦争激化への懸念もジワリと再燃し始めた様子です。

この状況に、ISM製造業景況指数ではコストプッシュ・インフレの兆しを示す形となり、悪いインフレへの警戒感も高まります。
賃金上昇も加速し、消費需要がさらに強まり、デマンドプル・インフレを期待するFRBとしても、コストプッシュ・インフレで利上げペース加速を余儀なくされる事態は避けたいところです。

米中貿易戦争への懸念により、市場の警戒感もプッシュされた状態がまだしばらく続きそうです。

NY金・日足チャート 2018/2/26 - 4/23連休明け、2日のNY金相場は4日ぶりの反発で1.48%の大幅高。中国の報復関税発動による米中貿易摩擦懸念などを背景に1330ドル台へと水準を切り上げた時間外から堅調な推移が続き、NY市場では米3月ISM製造業景況指数が予想を下回ったことをきっかけに米長期金利の低下とドル売り、米株も大幅安の展開となり、一時1350ドル手前まで上昇。1週間ぶり高値水準へと急反発も、月初の重要指標発表なども続くことから急反落への警戒感も。目先1320ドル台から1360ドルまでが主要レンジとなり、下方向に抜け出した場合でも1300ドルではサポートされる可能性が高く、上方向に抜け出した場合には今年高値更新で1370ドル台までが当面の上値目安に。

NYプラチナ・日足チャート 2018/2/26 - 4/2NYプラチナ相場も4日ぶりの反発で0.42%高。時間外には金に追随して940ドル台へと堅調推移も、NY市場では株安の流れに連れて930ドル台へと失速。この日の変動値幅9.5ドルは1月8日(8.1ドル)以来3カ月ぶりで今年2番め、今年の平均値幅15.7ドルの6割にとどまる小動き。金の大幅反発に追随しきれなかったことで価格差は過去最大を更新し、410.4ドルまで拡大。目先、920ドル台まで若干の下げ余地を残し、950ドル台が抵抗水準。上抜けできれば短期トレンド好転で970ドル台までの反発も。

ドル円・日足チャート 2018/2/27 - 4/2ドル円は0.38%のドル安円高で3日続落。イースターマンデーで欧州市場などの休場が続くなか106円台前半での膠着状態が続いた後、NY市場では米中貿易戦争への警戒感再燃とISM製造業景況指数の下振れなどで米株主要3指数が大幅安となり、これに連れる形で一時105円60銭台まで急反落。3月末に104円60銭台をつけて107円まで反発した値幅の38.2%戻しとなる106円10銭を割り込み、半値戻しとなる105円80銭台に到達。しかし足下3日間の続落でも4日前の大陽線の下限105円半ばを下回らなかったことで反発への可能性も高まる状況に。ただし105円半ばを下回るようだとドル売り円買い圧力がさらに強まって104円台後半の重要な節目水準再トライの展開にも。今朝の東京市場ではリスク回避一服で株価の反発とともに106円をうかがう展開に。週末の雇用統計までは105円台から107円手前までのレンジ推移の様相に。107円手前の節目を突破できればドル高円安加速で次の上値目安は109円台も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場4/2終値とチャート

3日の国内金価格は0.66%高となって5日ぶりの反発。反発方向への勢いが勝る状態となっていたなかで21日移動平均線にもサポートされてようやくの反発。サポート水準を4850円に切り上げて4910円台を上限にレンジを形成することになり、米雇用指標などをきっかけに上昇基調加速か、もしくはその逆か。上限を超えると4950円台までが次の上値目安となり、下限割れの場合には今年安値4790円台再トライで2番底形成へ。

プラチナ価格は0.26%安となって3日続落。ゆっくりと、しかし連日の今年安値更新で昨年安値12月15日の3421円を下回り、2016年10月25日(3394)以来1年5カ月ぶりの安値水準。小幅三角保ち合い下抜けに伴う下値目安3360円台まではもう少し下落余地を残す状況。短期的には金と逆行状態となり、価格差は3月28日に記録した過去最大1452円を大幅に更新する1471円。
※参考:金プラチナ国内価格4/3とチャート

2018年4月3日(火)時点の相場
国内金4,885 円 4/3(火) ▲32(0.66%)
国内プラチナ3,414 円 4/3(火) ▼9(0.26%)
NY金1,346.9 ドル 4/2(月) ▲19.6(1.48%)
NYプラチナ936.5 ドル 4/2(月) ▲3.9(0.42%)
ドル円105.88 円 4/2(月) ▼0.40(0.38%)

4/2(月)のその他主要マーケット指標

高水準維持も急失速のユーロ圏製造業PMI、減速ランキング 4/4(水)

3月ISM製造業景況指数は減速も価格指数は7年ぶり高水準 4/3(火)

5年連続上昇か、6年ぶりの4カ月続落か、4月の金価格攻防ライン 4/2(月)

年初から続いたドル安の流れ反転に向けて23.6%と38.2%の攻防 3/31(土)

PCEサービス価格は1年ぶり高水準、商品価格は低迷続く 3/30(金)


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