金プラチナ短期相場観
高水準維持も急失速のユーロ圏製造業PMI、減速ランキング
更新日:2018年4月4日(水)
昨年12月に60.6の過去最高水準を記録したユーロ圏製造業PMIは年明け以降、減速傾向が続いて3月には56.6。節目の50を大きく上回る高水準は維持しながらも昨年7月(56.6)以来、8カ月ぶりの水準となっています。
前回2月にはユーロ加盟国全般が減速傾向となるなかでもオランダは過去最高へと上昇、ギリシャは17年8カ月ぶり高水準と加速した国もありましたが、今回3月は全ての加盟国が減速。
何カ月ぶりの低水準となったかを比較して減速度合いを比較、ランキングすると、
7位:フランス(53.7)とアイルランド(54.1)は12カ月ぶり低水準。6位:オーストリア(58.0)は10カ月ぶりの低水準。
4位:ドイツ(58.2)とイタリア(55.1)はユーロ圏と同じ8カ月ぶりの低水準。
3位:スペイン(54.8)は6カ月ぶりの低水準。2位:オランダ(61.5)は5カ月ぶりの低水準。
1位:ギリシャ(55.0)は3カ月ぶりの低水準。
2月からの下落率でランキング
8位:ドイツ(-3.960%)、7位:フランス(-3.936%)、6位:アイルランド(-3.737%)、※ユーロ圏(-3.413%)
5位:オランダ(-2.997%)、4位:イタリア(-2.993%)、3位:スペイン(-2.143%)
2位:オーストリア(-2.027%)
1位:ギリシャ(-1.961%)
単純に3月の指数でランキング
8位:フランス(53.7)、7位:アイルランド(54.1)、6位:スペイン(54.8)
5位:ギリシャ(55.0)、4位:イタリア(55.1)、※ユーロ圏(56.6)
3位:オーストリア(58.0)、2位:ドイツ(58.2)、1位:オランダ(61.5)
オランダ、ドイツ、オーストリアはユーロ圏の数値を上回る水準を維持し続け、牽引役となっていると同時に減速度合いも比較的大きくなりやすく、ユーロ圏の数値を押し下げる原動力にもなっています。
ユーロ圏の数値を下回り続け、牽引され続ける国では、
昨年までユーロ圏の水準から大きく下方乖離の状態が続いたギリシャが回復し、3月の指数では5位まで浮上、減速度合いでも2月からの下落率でも耐久力1位を示す結果となっています。微力ながらもユーロ圏の景況感失速の下支えに貢献しています。
先進国の景気が失速の兆しを示し始めた現状でも、新興国では従来よりも比較的底堅く推移する現在の世界情勢の縮図がユーロ圏の動向にも表れているようです。
3日のNY金相場は0.71%の反落で前日大幅上昇の半値戻し。時間外から調整の動きとなってNY市場では長期金利上昇とドル高の流れで1330ドル台へ。トランプ大統領からのバッシングが続くアマゾンに対してホワイトハウスが「措置について議論していない」との発表が伝えられたことで株価も大きく買い戻される展開となってリスク回避の巻き戻しも加速。ややボラティリティが拡大しながらもレンジは縮小傾向となり、週末にかけて大きく動き出す可能性も。1350ドルに切り下げた上限を超えると高値更新トライで1370ドル台までが上値目安に、1320ドル台の下限を割れると1300ドル近辺まで水準を切り下げる展開にも。
NYプラチナ相場は0.56%の反落で前日反発分を帳消し。NY市場では一時12月27日(920.1)以来、3カ月ぶり安値となる921ドルまで下げて短期下値目安920ドル台にもようやく到達。NY時間外にかけては930ドル付近まで反発し、長めの下ヒゲを残していったん下げ止まりの可能性も示唆。反発方向にはこれまで抵抗線となってきた20日移動平均線(921.3)を超えることができれば、3月前半までの節目水準970ドル台までの上昇余地も。
ドル円は0.64%のドル高円安となって4日ぶりの反発。3日続落でも4日前の大陽線の下限を割り込まなかったことで反発の勢いも強まり、東京市場での安値105円60銭台からNY市場での高値106円60銭台までほぼ1円をコンスタントに上昇。米10年債利回りの上昇や株高の流れにもサポートされた格好。保ち合い下限を105円80銭台へと切り上げ、107円手前の上限までのレンジで上下抜け出した方向へと大きめのトレンドを形成する可能性も。下落基調が続いて抵抗線にもなってきた20日移動平均線(106.11)が下げ止まって水平状態となり、これをはさんでの揉み合いを経てサポートラインに切り替わるか、あるいは再度抵抗線となるかの攻防も週末まで続くことに。上方向に抜け出せば当面の上値目標は109円台前半へ、下方向の場合には安値更新へと向かい103円近辺を目指す流れにも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場4/3終値とチャート
4日の国内金価格は0.04%の小反落。ほぼ横ばい推移となり、今年1月高値5127円からの下落基調は3月安値4792円までで終え、ここからは緩やかな反発基調が継続中との見方。38%戻しの4920円手前でいったん上値を押さえられた状態でもあり、この水準が反発基調継続への重要な節目。ここを上抜けることができれば次の目標水準は50%戻しとなる4960円近辺まで。サポートラインとなりつつある21日移動平均線(4855)を完全に割り込んでしまうと流れは逆転、今年安値を目安に2番底をつけに行く展開へ。
プラチナ価格は0.76%安となって4日続落。底入れ・反発の可能性もあった小幅三角保ち合い下放れによって下落圧力が再び強まる展開となり、2016年10月24日(3352)以来1年5カ月ぶりの安値水準で既に三番底を形成する状態。短期下値目安3360円台までもう少しの下げ余地も。金との価格差は連日の過去最大大幅更新となり、1495円まで拡大。
※参考:金プラチナ国内価格4/4とチャート
- 2018年4月4日(水)時点の相場
-
国内金 : 4,883 円 4/4(水) ▼2(0.04%) 国内プラチナ : 3,388 円 4/4(水) ▼26(0.76%) NY金 : 1,337.3 ドル 4/3(火) ▼9.6(0.71%) NYプラチナ : 931.3 ドル 4/3(火) ▼5.2(0.56%) ドル円 : 106.56 円 4/3(火) ▲0.68(0.64%)
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