金プラチナ短期相場観

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ISM価格指数は7年ぶり高水準、原材料価格は26カ月連続上昇

更新日:2018年5月2日(水)

ISM製造業景況指数・価格・入荷遅延 2018年4月米4月のISM製造業景況指数は、13年9カ月ぶり高水準となった2月の60.8がピークとなり、2カ月連続の低下で57.3。昨年7月(56.5)以来9カ月ぶりの水準まで急減速。60前後の高水準を維持していた状態から水準を切り下げ、ピークアウトの兆しが強まる形となっています。

ただし、依然として高水準は維持しており、「新規受注率が出荷率を上回っている」との声も聞かれ、「トラックやドライバーの不足が配送時間に影響を与えている」というケースもあるようです。この結果、入荷遅延指数は60ポイント台の高水準を維持する状態が続きます。
引き続き需要は強く、労働市場の引き締まりによる影響も見られます。

その一方で、価格指数は79.3まで上昇。指数としては5カ月連続の上昇で2011年4月(82.6)以来、7年ぶりの高水準となっています。特に原材料価格の上昇は26カ月連続となり、コスト高が懸念される状態が続きます。
現場からは、「最近の鉄鋼関税は原材料の調達を困難にしている」、「製品需要は高まっているが、関税のために鉄鋼などの商品価格が上昇」、中国の知的財産権侵害への報復措置としての「米通商法301条発動による関税は非常に懸念される」などの声も上がっているようです。

3日から北京で行われる米中通商協議によって、米中貿易摩擦懸念が緩和され、米製造業での原料輸入におけるコスト高も緩和されるかどうかも注目されます。
いずれも緩和されることになれば、ISM製造業景況指数のピークアウト警戒感緩和にもつながることになりそうですが。

NY金・日足チャート 2018/3/27 - 5/11日のNY金相場は0.94%の続落。6月利上げを100%織り込んだ状態で迎える5月FOMCを目前にドル全面高の流れ。欧州時間には英4月製造業PMIが予想を下回り1年5カ月ぶり低水準となったことをきっかけにポンド売りが急進、ユーロとともに欧州通貨安がドル高を牽引した形となり、NY金は時間外からNY市場までコンスタントに下落。安値では12月29日(1296.1)以来4カ月ぶり安値となる1302ドルまで下落し、1310ドル割れに伴う下値目安1300ドル前後まで到達。米4月ISM製造業景況指数が予想を下回る結果となったことを受けて1300ドル割れは回避した格好に。短期的には下げ止まりやすい水準に到達していることでFOMCと雇用統計でサプライズがなければ買い戻しの展開にも。1320ドル台の節目を超えると1350ドル付近までの反発余地も。ただし今年のレンジ下限付近に位置し、1300ドルを大きく割り込むような展開になると中期的なレンジが切り替わる可能性への警戒感も。3日から北京で行われる米中通商協議の行方なども波乱要因に。

NYプラチナ・日足チャート 2018/3/27 - 5/1NYプラチナ相場は1.13%の大幅続落。NY朝に900ドルを割れると一時893ドルまで下落し、4カ月半ぶりの安値となり、短期的な下落余地890ドル前後にもほぼ到達。金とともに下げ止まって反発できれば920ドルが目先の抵抗水準となり、突破できれば上値余地は940ドル近辺まで拡大。

ドル円・日足チャート 2018/3/28 - 5/1ドル円は0.52%のドル高円安となって続伸、2月2日(110.18)以来3カ月ぶりのドル高円安水準に。109円台前半での堅調推移の流れは欧州時間にドル全面高となって加速。4日連続で上値を押さえられていた109円台半ばの抵抗水準を上抜けるとNY市場では109円80銭近辺まで上昇。ISM製造業景況指数下振れや株安の流れを受けての反落でも109円50銭台で反発、今朝の東京市場にかけては一時109円90銭台まで上昇。節目を抜けたことで短期的な上値余地は110円半ば辺りまで拡大。ただし1カ月半続く上昇トレンドではRSIも80台を超えて過熱感を増し、昨年11月からの半値戻し(109円70銭)を達成したこと、今回のFOMCではサプライズ的な内容はあまり期待されないことなどから、材料出尽くしの調整局面入りも警戒されるところ。目先のサポート水準109円を割れると107円台後半までの調整局面形成も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場5/1終値とチャート

2日の国内金価格は0.14%の小幅安で4日続落。4940円台半ばの水準をわずかに下回り、4月半ばから続いた保ち合いを下方ブレイクの兆し。一時的な下振れの可能性も残されるものの、流れとしては反落基調がスタートしている状態にもなり、当面の下値目安としては3月前半の保ち合い水準となる4850円台まで。
週間ベースでは-10円(0.2%)で小幅続落。

プラチナ価格は0.41%安となって4日続落。4月6日(3374)以来1カ月ぶりの安値水準となり、保ち合い下方ブレイクに伴う下落基調が進行し始めた様子。金との価格差も4月26日の1540円を上回る1545円まで拡大。当面の下値目安は最大で3270円台辺りまで。NYプラチナが下げ止まりの可能性を示す状況にもあることから、かなり手前の水準で折り返す可能性と、材料出尽くしでのドル円急反落が下押し要因となる可能性にも警戒。
週間では-18円(0.53%)の続落。
※参考:金プラチナ国内価格5/2とチャート

2018年5月2日(水)時点の相場
国内金4,941 円 5/2(水) ▼7(0.14%)
国内プラチナ3,396 円 5/2(水) ▼14(0.41%)
NY金1,306.8 ドル 5/1(火) ▼12.4(0.94%)
NYプラチナ894.2 ドル 5/1(火) ▼10.2(1.13%)
ドル円109.85 円 5/1(火) ▲0.57(0.52%)

5/1(火)のその他主要マーケット指標

ほぼ無風通過のFOMC、半値戻しでドル高金安の流れ一服も 5/3(木)

ISM価格指数は7年ぶり高水準、原材料価格は26カ月連続上昇 5/2(水)

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米1-3月期GDP速報上振れ、雇用コスト指数も10年ぶり高水準 4/28(土)

ゴールデン・ウィークの金プラチナ相場傾向 4/27(金)


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