金プラチナ短期相場観

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5月求人件数は3カ月ぶり低水準、過去最大更新は半年間なし

更新日:2019年7月10日(水)

米・求人件数 2019年5月米労働省が発表した5月の月次求人労働異動調査(JOLTS:Job Openings and Labor Turnover Survey)で、求人件数は732.3万件。市場予想の747万件を下回り、4月の737.2万件(744.9万件から下方修正)からも小幅に減少。
2月(714.2)以来3カ月ぶりの低水準となり、直近1年間では2番めの低水準。

最後に過去最大を更新したのが昨年11月(762.6)、その後の半年間は過去最大を更新できず、6カ月のうち4カ月が前月比マイナスとなる減少傾向。
前年同月比では2017年4月以降はプラス圏が続いてはいるものの、5月は+2.76%となって6カ月連続で伸び率は縮小、2017年5月(+0.8%)以来、2年ぶりの低水準。
6カ月平均でも今年1月の750.95万件が過去最大となり、これ以降は減少傾向となり、5月は740.25万件で昨年10月(738.13)以来、7カ月ぶり低水準。

求人件数が失業者数を逆転したのが昨年3月、それ以降1年3カ月連続で求人数が失業者数を上回る状態が続いてはいますが、その差は昨年11月の160.8万件が過去最大。
今年2月には90.7万件まで縮小しその後は拡大も、過去最大更新は半年間なし。
なお、失業者数は4月に582.4万人まで減少し、18年4カ月ぶり低水準となった後は2カ月連続の増加で6月には597.5万人。

求人件数は過去最大付近で高止まりの状態からやや失速気味に、失業者数は18年ぶり低水準付近で下げ止まりの兆し。
いずれも歴史的な水準付近での推移が続き、労働市場の力強さを下支えする状態が続いていることを示す反面、さらなる改善の余地はあまり見込まれず、ピークアウトを警戒する状態も続いています。

NY金・日足チャート 2019/6/4 - 7/99日のNY金相場は+0.5ドル、0.04%の小幅高で3日ぶりの反発。ゆるやかなドル高と金利上昇が続いた時間外には調整の動きとなり、ロンドン時間には一時1390ドルを割れて1週間ぶり安値。雇用統計以来、7月の大幅利下げ観測は後退したものの0.25%利下げを織り込む状態には変わりなく、パウエルFRB議長の議会証言での利下げ示唆への思惑からも一方的な流れとはなり難い状態。NY市場にかけては1400ドルを回復するなど底堅さも見られるものの、1400ドル台では戻り売り圧力も強まる様子も。1380ドル台から1420ドルまでのレンジ内では下半分が主戦場にも。短期的な流れが調整局面入りしていることもあり、過剰な利下げ期待を牽制するような発言などがあれば20日移動平均線(1384.6)を下抜けて一段安、下値目安1360ドル台を目指す流れとなる可能性も。

NYプラチナ・日足チャート 2019/6/4 - 7/9NYプラチナは-5.3ドル、0.65%の反落。前日NY引け後に820ドルを割れると小幅に調整、NY朝には810ドル割れを試す場面も一時的にとどめ、先週末安値808ドルとで短期ダブルボトムを形成し、20日移動平均線(815.3)とも揉み合う形で下げ渋り。810ドルから820ドルまでの小幅レンジでの保ち合いを形成し、上方向へ抜け出せば7月高値850ドルを目指す流れにも。逆に810ドル割れへと下方ブレイクなら昨年最安値750ドル台までが下値目安にも。

ドル円・日足チャート 2019/6/5 - 7/9ドル円は10銭余りのドル高円安となって小幅に4日続伸。東京時間は前日NY終値108円70銭台から前日高値108円80銭台までの小幅レンジで揉み合う展開。欧州時間からNY時間にかけても材料不足ながらも方向感は上方向、上値を若干切り上げて108円90銭台へ、今朝の東京市場では109円台を試す勢いも。行き過ぎた利下げ観測後退の流れにサポートされての堅調推移となり、本日NY時間のパウエル議会証言と明朝のFOMC議事要旨を経て利下げ観測がさらに緩和されることになれば一段高へ。上値目標110円20銭台辺りを目指す流れ加速へ。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場7/9終値とチャート

10日の国内金価格は+12円、0.23%の続伸。高値保ち合い下限を5200円に切り上げる形となり、5280円台の高値までが目先の主要レンジに。短期サイクル的には調整方向優勢の状態にあり、背景的にも利下げ観測後退方向がやや優勢という状況でもあり、どちらかと言えば上値トライよりは調整進行の確率のほうが優勢か。5200円の節目を割り込んだ場合には調整幅拡大となって当面の下値目安は2月高値5090円前後辺りまで。

プラチナ価格は-5円、0.16%の小幅反落。今年安値となった6月18日の2970円から下値を切り上げ、上値も切り上げる状態をギリギリ維持する状態。この状態は3020円の節目を割り込んでしまうと崩れることになり、流れが変わる可能性。今年安値再トライの展開にも。
※参考:金プラチナ国内価格7/10とチャート

2019年7月10日(水)時点の相場
国内金5,226 円 7/10(水) ▲12(0.23%)
国内プラチナ3,031 円 7/10(水) ▼5(0.16%)
NY金1,400.5 ドル 7/9(火) ▲0.5(0.04%)
NYプラチナ815.1 ドル 7/9(火) ▼5.3(0.65%)
ドル円108.86 円 7/9(火) ▲0.14(0.13%)

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