金プラチナ短期相場観
0.5%は急低下、それでも利下げ織り込み100%が支える金価格
更新日:2019年7月8日(月)
6月雇用統計の結果を受けて、7月末FOMCでのFF金利予想としては、0.5%利下げを織り込む割合が29.2%から5.4%に急低下。その急低下分は0.25%利下げ予想にシフトされ、0.25%利下げの数値は70.8%から94.6%へと急上昇。
米10年債利回りは1.95%から2.03%へと急反発しましたが、7月利下げの織り込みは100%を維持しています。
これが金価格の高止まりを下支えしています。
20日移動平均線+2%乖離ライン(5228)を上回る水準での推移が続いていた国内金価格は、行き過ぎが是正されてようやくこれを下回り、通常レンジ内に戻ってきた状態に。20日移動平均線(5126)が当面のサポートとしても意識され、調整局面がやや拡大した場合には20日移動平均-2%乖離ライン(5023)が次のサポートにも。
7月の利下げ織り込み度が100%を維持する限り、金価格も5000円超を維持することになるのかもしれません。
8日の国内金価格は-37円、0.71%安で3日続落。雇用統計後のドル高金安の流れは一服状態の週明け、NY金は1400ドルの大台維持をかけた攻防が続き、為替は108円40銭台といずれもほぼ先週末水準。3日に126円の大幅上昇で高値更新後、3日間の下げ幅合計は76円。全戻しとはならず、上げ幅の60.3%とキリの良い水準に達したことからも下げ止まりやすい状況にも。ただし、短期的な流れは調整局面入りの様相にもなり、5150円から5280円台までのレンジでいったん保ち合い形成にも。
今週はパウエルFRB議長の議会証言やFOMC議事要旨、米6月消費者物価指数などをきっかけに動意づく可能性もあり、上方向に抜け出した場合には一段高の展開で5380円台辺りまでが次の上値目標に、下方向にブレイクした場合には5060円近辺までが次の下値目安にも。
20日移動平均+4%乖離ライン(3164)には少し届かず、しかし最近の安値圏(3000-3100)を超えたところでの保ち合いが崩れての急反落で20日移動平均線(3042)割れ。20日線が抵抗線からサポートラインに切り替わった可能性もあった状態からの逆転で、一時的な行き過ぎの可能性も。なお、長期的にも3000円前後の水準はかなり堅めのサポート水準のようにも。
プラチナ価格は-88円、2.83%の大幅続落。下げ幅としては3月5日(-89円、2.7%)以来4カ月ぶり、下落率では昨年8月16日(-162円、5.27%)以来11カ月ぶりの大幅安。反発後の小幅保ち合いから下方向へと抜け出した流れが急加速、下値目安の3030円台にもいきなり到達し、ややオーバーラン。NYプラチナも810ドル台では下げ渋り、週明けにはやや反発の兆しも見られることから、国内価格もさらなる下値トライは想定し難いところだが。
※参考:金プラチナ国内価格7/8とチャート
- 2019年7月8日(月)時点の相場
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国内金 : 5,205 円 7/8(月) ▼37(0.71%) 国内プラチナ : 3,022 円 7/8(月) ▼88(2.83%) NY金 : 1,400.1 ドル 7/5(金) ▼20.8(1.46%) NYプラチナ : 811.4 ドル 7/5(金) ▼32.2(3.82%) ドル円 : 108.47 円 7/5(金) ▲0.65(0.60%)
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