金プラチナ短期相場観

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街角景気悪化で円高地合いも進行中?

更新日:2019年7月9日(火)

内閣府・景気ウォッチャー調査とドル円 2019年6月内閣府が発表した6月の景気ウォッチャー調査では、現状判断DIが44.0となり、18カ月連続で節目の50割れ。2度めの消費増税先送りを決めた2016年6月(41.8)以来、3年ぶり低水準となっています。
先行判断DIは、2016年6月(40.8)以来の低水準となった5月の45.6から6月は45.8へとわずかに上昇。節目の50割れは7カ月連続。

「このところ回復に弱さがみられる」状態は3カ月連続となったものの、3年前と比較すれば、現状も先行き見通しもそれほど悪化してはいない水準でもあり、消費増税決定も妥当な判断と言えそうです。
ただ、3年前の時は6月1日に増税延期を発表後、月末にはブレグジットがあったことで先行判断DIやドル円は急落していました。ブレグジットがなければ現状とも、それほど大差ないレベルにとどまっていたかもしれません。

また、現状では米中対立に伴う米国や中国の景気減速懸念や世界景気への波及も警戒され始め、米国の利下げも喫緊に迫る市場のテーマとなっています。
この状況を背景にここまで円高傾向がやや強まり、街角景気とともに下方圧力が強まる状態となってきました。

足下では、ドル円の円高は一服となって反発方向へと動き始めたようにすら見えますが、7月末に米国の利下げが決行され、さらに追加利下げ観測が強まるようにでもなれば、再び円高圧力が強まり、もう一段の円高とともに街角景気のさらなる悪化もありそうです。

さらに、秋になって消費税が10%に引き上げられた際には、それ相応の街角景気の悪化と国内要因による多少の円高も予想されそうです。
前回、8%に引き上げられた2014年4月には、現状判断DIは前月の54.1から38.4へと急落していました。

NY金・日足チャート 2019/6/3 - 7/88日のNY金相場は-0.1ドル、0.01%の小幅続落。1400ドルの大台維持をかけた攻防状態からロンドン時間には1410ドル手前まで反発も、NY市場ではドル高と金利上昇優勢の流れに押されて1400ドル割れへと押し戻される展開に。先週末の雇用統計後の流れは週を明けて一服したものの、ゆるやかなドル高優勢地合いは続いている様子。1380ドル台まで水準を切り上げてきた20日移動平均線が目先のサポートラインとなり、1420ドル台までのレンジで高値保ち合いを形成しながら明日のパウエルFRB議長の発言、翌日の米6月消費者物価指数などから7月利上げの有無を判断することに。サポートを割れると1360ドル台までが次の下値目安に、上限を超えることになれば1450ドルが次の上値目標に。

NYプラチナ・日足チャート 2019/6/3 - 7/8NYプラチナは+9.0ドル、1.11%の反発。短期ダブルトップ形成後の急落では、ネックラインまでの値幅分だけしっかりと下落したことで一服。20日移動平均線(814.8)も下抜けたところから、ゆっくりと反発の展開となって上抜け、サポートラインとなる可能性を残して一時820ドル台まで上昇。810ドルから840ドル台までが目先の主要レンジとなり、やや反発方向優勢の状況も、利下げ観測後退が続けば株安・金安に追随する形で下押し圧力にも。レンジを上方向に抜け出せば5月高値890ドル台が次の上値目標に、下方向に抜け出した場合には大幅安で昨年最安値750ドル台までを試しに行く展開にも。

ドル円・日足チャート 2019/6/4 - 7/8ドル円は20銭余りのドル高円安となって3日続伸。日経平均の反落にも連れて戻り売り優勢となった東京時間午後には108円20銭台まで下押し。しかし、欧州時間以降はドル高と長期金利上昇の流れが再開、NY時間には108円台半ばの抵抗水準を上抜け、108円80銭台まで上昇。20日移動平均線(108.03)も下げ止まり、流れは円安方向へと向い始めた様子。パウエル発言やインフレ指標の結果を受けて腰折れとならなければ、4月につけた今年高値112円40銭台から6月安値106円70銭台までの61.8%戻しとなる110円20銭台辺りまでが当面の上値目標に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場7/8終値とチャート

9日の国内金価格は+9円、0.17%高で4日ぶりの反発。5150円から5280円台までの広めのレンジで高値保ち合いを形成、その中程に位置した状態でサイクル的には調整局面入り。5月安値から7月高値までの23.6%戻し(5172円)からレンジ下限までがサポート水準となり、調整サイクルをこの水準まででやり過ごすことができれば、次回の反発局面では高値更新再トライのチャンスも。利下げ観測再拡大の後押しも必要となるものの、そうなれば2015年の近年最高値5298円を超え、5300円台後半へと一段高の展開にも。

プラチナ価格は+14円、0.46%高で3日ぶりの反発。急落後の自律反発で元の下値目安の3030円台に後戻り。いったんは落ち着きやすく、3020円から3130円の上限方向への反発のチャンスをうかがう状態にも。3020円を割り込んでしまうと一段安の展開で今年安値2970円台までが下値目安に。
※参考:金プラチナ国内価格7/9とチャート

2019年7月9日(火)時点の相場
国内金5,214 円 7/9(火) ▲9(0.17%)
国内プラチナ3,036 円 7/9(火) ▲14(0.46%)
NY金1,400.0 ドル 7/8(月) ▼0.1(0.01%)
NYプラチナ820.4 ドル 7/8(月) ▲9.0(1.11%)
ドル円108.72 円 7/8(月) ▲0.25(0.23%)

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