金プラチナ短期相場観
米・独3月自動車販売は前年比4割減、金は前年比3割高
更新日:2020年4月7日(火)
米3月自動車販売台数は99万台となり、2月の137.3万台から急減、少なくとも2013年以降では最低水準。前年同月比-38.45%となり、減少幅でも2014年以降最大。
ドイツの3月自動車販売台数も23.8万台。2月の26.4万台からは急減、2018年9月(22.6)以来、1年半ぶりの低水準。前年同月比では-36.71%となり、2018年9月の-27.88%を大幅に上回り、減少幅は少なくとも2014年以降では最大。
なお、IFO経済研究所によれば、ドイツ国内の自動車輸出見通しは2009年3月以来、11年ぶりの低水準に落ち込んだ模様。
また、英国の3月新車登録台数は約25万台となり、これも前年比40%の大幅減。
主要国の3月自動車販売は、中旬以降のロックダウンや外出規制などにより経済停止状態となり、前年比4割減という厳しい結果となっています。
4月はまだ始まったばかりでどうなるかはわかりませんが、仮にまもなく感染拡大が小康状態となったとしても、経済が急速に復活することは考え難く、4月の自動車販売も引き続き停滞か、場合によってはさらに急減、という事態も否めません。
なお、2月分までしか発表されていない中国の自動車販売台数は、2月時点で31万台、前年比-79.08%と過去最大の落ち込みとなっていました。
ただし中国の場合、自動車工場が集まる武漢が2月は完全封鎖されて工場も休業。そして3月半ばから工事が順次再開し始めていることから、3月の自動車販売台数に明るい兆しが見られるかどうか、注目されます。
なお、この日NY金は1693.9ドルまで水準を切り上げ、1年前の4月5日、1295.6ドルからは+398.3ドル、30.74%の上昇。前年比3割高となっています。
6日のNY金相場は+48.2ドル、2.93%の大幅高で3日続伸。2日の急騰幅をわずかに上回り、3月24日(+93.2ドル、5.95%)以来2週間ぶり、今年4番めの急騰。水準としては2012年12月17日(1698.2)以来、7年4ヵ月ぶりの高値。NY州のクオモ知事が死者の増加数は頭打ちの兆しとの見解を示し、欧州でもドイツ、スペイン、イタリアなどで感染者数の伸びが鈍化の兆しとなったこともリスク回避の巻き戻しとなって欧米株は全面高の流れ。しかし、それを懐疑的に見る向きもまだまだ多いことを示すように、金買いも同時進行。欧州時間に節目の1660ドルを上抜けると上値トライへの勢いは加速、NY朝には1680ドルを超えて上値目標1680ドル台に到達。それでも勢いは止まらず午後には1700ドルの大台超え、NY引け後には1720ドルを超えて一時1740ドルまで急騰する場面も。株高と金高の同時進行はそれほど長続きはしない可能性が高く、どちらかが大幅調整となる展開にも。2011年の過去最高値から2015年12月安値までの76.4%戻し(1716.4)を達成したNY金には一服感も。
NYプラチナは+13.9ドル、1.94%の大幅反発。変動値幅20ドル台の小動きは5日連続となったものの、方向感は上。時間外に720ドルから730ドルへと水準を切り上げて揉み合い後、NY午後には730ドルの節目上抜けの兆し。NY引け後には金の急騰に追随する形で740ドル台へと一段高。小幅保ち合い上放れに伴い、当面の上値目標は2018年8月安値圏770ドル台。金との価格差は3月24日の959.1ドルを小幅に上回って961.9ドルへと過去最大を更新。
ドル円は76銭、0.7%のドル高円安となって3日続伸。トランプ米大統領とペンス副大統領が新型コロナウイルスの感染拡大に落ち着きの兆しが見られるとの楽観的な見方を示したことが好感され、東京朝の時間帯からダウ先物が堅調推移。国内での緊急事態宣言への好感ムードも株高円安をサポート。朝のうちに109円台を回復すると夕方には109円30銭台まで上昇。しかし、その後は伸び悩み、109円をはさんでの保ち合い推移。NY時間にはクオモNY州知事の新型コロナウイルスへの楽観発言を好感して109円20銭台まで上昇する場面もあったものの、やや上値も重くなってきた様子も。90日移動平均線(108.97)を上抜け、3月高値から4月安値までの急落の半値戻し(109.32)を達成したことに伴う一服感も。108円付近をサポート候補に若干の調整も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場4/6終値とチャート
7日の国内金価格は+164円、2.66%の大幅高で4日続伸。3月25日(+264円、4.33%)以来2週間ぶり、今年3番目の急騰となり、その3月25日(6356)以来の高値水準。今年何度か見られた円安・金高の流れで急騰のパターン。ただしこれまではドル需要逼迫によるドル高に伴う円安のケースが多く、今回はリスク回避の巻き戻しによる円安。相反する思惑からの金買いとの競合状態とも言え、どちらかの急反落パターンにも要警戒。ただし、目先は3月高値6356円超へと抜け出すことができれば勢いで今年高値更新へ、6400円台ワンタッチ、のような展開となる可能性も。
プラチナ価格は+65円、2.33%の大幅高で4日続伸。3月30日(2862)以来、1週間ぶりの高値。小幅保ち合い崩れからの適度な調整を終えて、ようやく元の保ち合い水準に戻ってきた状態。パターン的には再度保ち合い水準で失速して反落か、勢いをつけて今度は保ち合い上抜けへ。NY金の急騰とNYプラチナの堅調推移からは後者優勢のようにも。2870円台の節目を上抜けできればその流れが加速、3000円の大台回復トライへと向かう展開に。
※参考:金プラチナ国内価格4/7とチャート
- 2020年4月7日(火)時点の相場
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国内金 : 6,329 円 4/7(火) ▲164(2.66%) 国内プラチナ : 2,858 円 4/7(火) ▲65(2.33%) NY金 : 1,693.9 ドル 4/6(月) ▲48.2(2.93%) NYプラチナ : 732.0 ドル 4/6(月) ▲13.9(1.94%) ドル円 : 109.22 円 4/6(月) ▲0.76(0.70%)
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