金プラチナ短期相場観
リッチモンド連銀製造業指数も4月は過去最低、過去最大の急落
更新日:2020年4月29日(水)
3月にはマイナス圏予想に反して+2.0とプラス圏を維持していたリッチモンド連銀の製造業指数も4月には急落。市場予想の-41を大幅に下回る-53.0となり、これまでの過去最低だった2009年2月の-44.0を下回り、11年2ヵ月ぶりの過去最低更新。前月比では-55.0となり、過去最大の急落。これまでの最大、今年2月の前月比-22.0の倍以上の急低下。
主要構成指数では、出荷が-70.0、新規受注は-61.0、設備稼働率は-47.0となっていずれも過去最低。これら3指数のこれまでの過去最低は全て世界金融危機の時、2009年2月でそれぞれ-45.0、-48.0、-39.0。今回はいずれも大幅に更新。
雇用関連では、雇用者数が-21.0で2009年4月(-31.0)以来、11年ぶり低水準。週間労働時間は-28.0となって2009年3月(-33.0)以来、11年1ヵ月ぶりの低水準。
また、半年先の見通しは過去最低となった3月の-19から4月は-7へと上昇。
半年先の見通しについては、原油価格の暴落とコロナショックの二重苦となったダラス連銀が4月に過去最低となった以外、その他各地区連銀では回復基調を示し、見通し最悪期を一度は通り越した格好になっています。
それでも4月の景況感としては、総合指数ではNY連銀でも過去最低、過去最大の急落となり、フィラデルフィア連銀では過去3番めながら39年ぶり低水準となり、2ヵ月連続前月比-40ポイント超の急落。ダラス連銀も3月から2ヵ月連続の過去最低更新、カンザスシティ連銀でも4月は過去最低。
3月まで下げ渋っていたISM製造業景況指数も、さすがに4月には急低下が予想されます。
28日のNY金相場は-1.6ドル、0.09%の小幅安で3日続落。時間外は調整局面継続、1720ドル台での揉み合いもそこそこに東京午後の時間帯までに1710ドル割れ。欧州時間には軟調推移となっていたNY原油が10ドル割れ目前で反発、これをきっかけに株高とともにドル安も急進した流れに反応してNY金も反発、NY朝には一時1730ドルを回復。しかし、米株の一段高に押される形で失速するとこの日の安値1704ドルまで急反落。その後4月消費者信頼感指数とリッチモンド連銀製造業指数がいずれも予想を下回る悪化となったこともあり、米株も急ブレーキ、NY金は1720ドル台へと反発。小幅レンジでの乱高下となり、サポート候補の1700ドル付近まで下げて下ヒゲ長めの十字線に近い足型を形成、20日移動平均線(1702.6)にもサポートされて下げ止まりの可能性も示唆。1680ドル台から1750ドルまでのレンジ半ばでの一服状態にも、FOMCや米GDPなどをきっかけに波乱の展開も。
NYプラチナは+18.6ドル、2.39%の大幅続伸。3日連続760ドル台半ばで下値を支えられた次の日は770ドル台を維持して反発へ、欧州時間に780ドル台へと水準を切り上げるとNY市場では790ドル台へ、NY午後には一時800ドル台も。節目の790ドルをしっかり上抜けたことでNY引け後にも再び800ドルトライの動きとなって上値トライへの様相に。当面の上値目標は830ドル近辺まで。
ドル円は30銭超のドル安円高で5日続落。3月16日(105.91)以来、1ヵ月半ぶりの安値水準。東京午後には原油安への警戒感から円高優勢の流れとなって107円の攻防ラインへ、その後NY原油が反発に転じるとリスク回避の巻き戻しではドル安が急進、107円前後の攻防ラインを割り込むと急落の展開となって106円50銭台まで下落。欧州・NY時間にかけてはユーロドルなどでドル売りの巻き戻しが急速に進行し、ドル円も反発の流れへ、しかし抵抗線に切り替わった107円ラインを超えることができずに失速。今朝の東京時間には再び106円50銭台の安値攻防に。重要な攻防ラインを1ヵ月半ぶりに下抜けたことで当面は下値トライ優勢の展開が予想され、下値目標は104円台半ばまで。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場4/28終値とチャート
- 2020年4月29日(水)時点の相場
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国内金 : 6,429 円 4/28(火) ▼75(1.15%) 国内プラチナ : 2,895 円 4/28(火) ▼23(0.79%) NY金 : 1,722.2 ドル 4/28(火) ▼1.6(0.09%) NYプラチナ : 795.6 ドル 4/28(火) ▲18.6(2.39%) ドル円 : 106.89 円 4/28(火) ▼0.36(0.34%)
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