金プラチナ短期相場観

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新規失業保険申請件数4ヵ月ぶりの増加で金価格は最高値トライ

更新日:2020年7月24日(金)

米・新規失業保険申請件数と継続受給者数 2020年7月18日までの週7月18日までの週の新規失業保険申請件数は141.6万件となり、市場予想を11万件程度上回り、前週からは10万9千件の増加。
急増した3月28日までの週の686.7万件をピークに、その翌週から15週連続で減少していた新規失業保険申請件数は4ヵ月ぶりに増加に転じました。
7月に入ってからは、新型コロナウイルス感染再拡大による規制や店舗閉鎖再開などにより、レイオフ第2波加速への警戒感が高まりつつありましたが、いよいよ結果となって表れた形です。

7月11日までの週の失業保険継続受給者数は1649.7万人となり、前週からは100万件余りの減少となっていますが、減少ペースとしてはこれまでの新規申請件数に比べるとゆるやか。
新規申請件数がほぼ2週の急増でピークをつけ、その後は前週まで15週連続の減少(急減から最近は鈍化)となっていたのに対し、継続受給者数は8週かけてピークに達し、その後は9週連続でゆるやかに減少中。ピーク水準から最新週までの減少率では、新規申請件数が79.38%に対し、継続受給者数は34.98%にとどまります。

コロナ前の過去最大と比較すると、最新週でも新規申請件数は2倍以上、継続受給者数は2.4倍。
新規失業保険申請件数の増加は、今回に限り一時的にとどまる可能性も否定はできませんが、今後しばらくは減少ペースが鈍化することは予想されます。
新規申請件数の動向は、少し遅れて継続受給者数にも影響しやすくもなることから、目先しばらくは、失業者数の減少ペースがなかなか上がらない状況にも陥りそうです。

今回の結果を受けて、NY金価格は過去のピーク水準に向けて一段高、過去最高値トライの展開となっています。

NY金・日足チャート 2020/6/18 - 7/2323日のNY金相場は+24.9ドル、1.34%高となって5日続伸。終値ベースで過去最高値となった2011年8月22日(1891.9)以来、8年11ヵ月ぶりの高値。5日続伸以上は2月以来5ヵ月ぶり、今年3度め。ヒューストンの中国総領事館閉鎖への対抗装置として、中国は武漢市の米国総領事館閉鎖をほのめかし、米国側ではサンフランシスコの総領事館も追加閉鎖の可能性も報じられるなど米中対立エスカレートへの警戒感は高止まり、米国内でのコロナ感染者数は累計400万人を超え、新規失業保険申請件数は予想外の増加となって米株主要3指数は揃って反落。しかし、リスク回避の流れというよりも高値トライへの勢いが止まらないNY金は時間外から1870ドル台を試す展開となってもみ合いながらもNY市場では1880ドル台へ、一時1897.7ドルまで上値を伸ばすも1900ドルの大台ラインが意識されると失速。NY午後には終値ベースでの最高値水準を維持できず、1890ドル割れへと反落の兆しも。急速に水準を切り上げてきた状態で週末を迎えることからも上値トライ一服となり、大台トライとザラ場ベースでの過去最高値トライは次週以降へ持ち越しか。調整目安としては20日移動平均+2.5%乖離ライン(1855)、少し行き過ぎれば20日線(1810)辺りも。

NYプラチナ・日足チャート 2020/6/18 - 7/23NYプラチナは+6.4ドル、0.67%高で5日続伸。2月24日(974.2)以来5ヵ月ぶり高値水準での一段高。5日続伸は2ヵ月ぶりで今年2度め。金に追随する展開で時間外から揉み合いながら水準を切り上げるも970ドル台前半までで上値を押さえられ、940ドル台を下限にレンジ幅30ドルでの上下動を繰り返す展開に。結果、急騰後にほぼ十字線を形成して調整を示唆する足型となり、NY引け後には960ドル割れ。サポート候補としては900ドルの大台ライン、その下には200日移動平均線(873.5)、3月安値からこの日の高値までの23.6%戻し(873.5)も同水準。

ドル円・日足チャート 2020/6/19 - 7/23ドル円は33銭のドル安円高で0.31%の反落。107円10銭近辺での小康状態が東京・欧州時間と続いた後、NY朝には失業保険申請件数の結果を受けてドル安へ。直後にはムニューシン米財務長官の「安定したドルを望む」発言などで持ち直す場面もありながらも支えきれず。株安とドル安、米10年債利回り低下の流れにも連れてNY午後には一時106円70銭台まで下落。いったんは106円80銭台まで戻して終えたものの、今朝の東京時間には久々に「東京休場の日の円高」急進。106円半ばへと急落の展開となっており、このまま保ち合い下限106円80銭を回復することができなければ、ドル安円高トレンドスタートの可能性。現状、3月安値101円10銭台から戻り高値111円10銭台までの50%戻し(106円40銭)付近に位置し、この付近でサポートされなければ61.8%戻し(105円20銭)辺りまでが目先の下値目安に。さらに勢いが増す展開となれば76.4%戻し(103円60銭台)近辺までが第2目標にも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場7/23終値とチャート

2020年7月24日(金)時点の相場
国内金6,908 円 7/22(水) ▲63(0.92%)
国内プラチナ3,309 円 7/22(水) ▲112(3.50%)
NY金1,890.0 ドル 7/23(木) ▲24.9(1.34%)
NYプラチナ963.8 ドル 7/23(木) ▲6.4(0.67%)
ドル円106.86 円 7/23(木) ▼0.33(0.31%)

7/23(木)のその他主要マーケット指標

ドイツ製造業PMIは1年7ヵ月ぶり50、ユーロ圏PMIも急回復 7/25(土)

新規失業保険申請件数4ヵ月ぶりの増加で金価格は最高値トライ 7/24(金)

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金ETFも買い支え、NY金は高値圏での一段高 7/22(水)

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