金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

金ETFも買い支え、NY金は高値圏での一段高

更新日:2020年7月22日(水)

金ETF(SPDR GOLD SHARES)と金価格 2020年7月21日ゼロ金利時代となって俄然、安全資産としての地位が高まってきたような状態で、ポートフォリオ分散としても、リスク回避の流れでも、ドルの代替通貨としての位置づけとしても、純粋に金そのものの価値なども含め、様々な理由で買われるようになった昨今の金は、価格高騰がとまりません。
少なくともFRBの金融政策の転換が示唆される(予想される)までは、金価格の高止まり状態は続きそうな勢いです。

金ETFでも、金価格を買い支えています。
金ETF大手、SPDRゴールド・シェアの21日時点での保有量は1219.75トン。2013年3月28日(1221.26)以来、7年4ヵ月ぶりの高水準となってきました。
1ヵ月前、6月19日時点での保有高は1159.31トン。この1ヵ月で60.75トン、5.24%の増加となっています。
この間、NY金価格は1753.0ドルから1843.9ドルまで、90.9ドル、5.19%上昇してきました。

NY金の90日移動平均乖離率は、1ヵ月前の+4.61%から、+7.49%まで上昇してきましたが、最近のピーク水準+12%にはまだまだ余裕。
金ETFの90日移動平均乖離率は、1ヵ月前の+13.13%から、+12.47%へと逆に縮小。6月末には+13.92%まで拡大していました。少し前の5月15日には+15.59%まで拡大したこともありました。

金ETF保有量の90日移動平均乖離率から見ると、ピーク水準に近づいてはいますが、まだ伸びしろはありそうです。
金価格の90日移動平均乖離率から見る過熱感は、ほぼありません。

NY金・日足チャート 2020/6/16 - 7/2121日のNY金相場は+26.5ドル、1.46%高で3日続伸。2011年9月9日(1859.5)以来、8年10ヵ月半ぶりの高値。東京時間、EU首脳会議で復興基金は補助金部分を3900億ユーロに縮小し、残り3600億ユーロを低利融資とする形でようやく合意。ユーロの小幅上昇に同調し、上げ渋っていた1820ドルを上抜けると堅調推移の展開へ。その後のユーロ売り局面には追随せず、欧州・NY時間にかけてあらためてリスク選好となってのユーロ買い再開でドル安進行、この流れにサポートされる形でNY朝に1830ドルを超えると1840ドル台へと急騰。NY午後には1845ドル付近まで上昇し、短期上値目標1840ドル台にしっかり到達。2011年8月22日につけた終値ベースでの過去最高値1891.9ドルも視野に入ってきた状態ながら、短期的には調整も必要に。1ヵ月後、ちょうど9年ぶり、となる頃までにはトライ可能な状況にも?

NYプラチナ・日足チャート 2020/6/16 - 7/21NYプラチナは+61.0ドル、7.11%高となって3日続伸。4月14日(+69.9ドル、9.32%)以来3ヵ月ぶり、今年3番めの急騰。水準としては5月20日(934.5)以来2ヵ月ぶりの高値。時間外から金の堅調推移に追随、NY朝の急騰局面では880ドルを超えて910ドル超へと大幅上昇。この日はパラジウムも3ヵ月ぶり高値で2200ドル台へと急騰し、シルバーは6年4ヵ月ぶり高値となる21ドル台へと急騰。連日の貴金属全面高に押し上げられた格好にも。短期上値目標870ドル付近を大きく突き抜けてなお上げ止まらず、NY引け後には一時930ドル台を試す勢い。時に予想以上の急騰となったり、想定を超える急落となりやすいプラチナは大幅調整も警戒される反面、行き過ぎの展開で5月高値940ドル台までの上昇も。

ドル円・日足チャート 2020/6/17 - 7/21ドル円は45銭のドル安円高で0.42%の反落。東京午後にはEU復興基金案合意を受けてのユーロドル上昇後の反落の流れでドル高優勢となり、円安の流れも107円30銭台の抵抗水準まで。欧州時間以降はユーロの買い戻しやリスク選好の株高の流れが強まり、ドル安・円安の流れとなり、ドル円ではドル安が勝ってジリジリと円高方向へ押し込まれる展開となり、一時106円70銭割れ。NY終盤にかけての戻り局面でも106円80銭台までにとどまり、短期サポートとなっていた106円90銭を割り込む形に。くじら幕状態の保ち合いは下方向へと崩れ始めた可能性。当面の下値目標としては3月の急落後の戻り水準104円台前半まで。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場7/21終値とチャート

22日の国内金価格は+63円、0.92%高で3日続伸。2日連続、7月に入って6度めの過去最高値更新となり、短期上値目標6890円近辺をクリアし、若干のオーバーラン。1ヵ月程前、国内金価格がまだ6500円台前半だった頃に想定した「国内金価格の長期上値目標=6954円?」がまんざらでもない状態に。ただし、NY金の目標到達後の調整も予想され、連休明けの国内価格には大幅変動リスクも。6月安値からここまでの上昇幅(435!)の23.6%戻しでも6805円。
週間ベースでは+117円、1.72%の反発。

プラチナ価格は+112円、3.5%高で4日続伸。上げ幅としては5月18日(+120円、4.13%)以来2ヵ月ぶり、今年5番めの急騰。短期上値目標3220円台を突き抜けて3月4日(3320)以来、4ヵ月半ぶりの高値。その短期上値目標であり、コロナショックでの急落後の戻り高値でもあった5月21日の3227円を大きく上抜けてきたことにより、中期的な地合も改善方向へ。しかし、急騰後の急反落には要警戒、という状態にも。3月安値からここまでの23.6%戻しで3100円。
週間ベースでは+178円、5.69%高で4週続伸。
※参考:金プラチナ国内価格7/22とチャート

2020年7月22日(水)時点の相場
国内金6,908 円 7/22(水) ▲63(0.92%)
国内プラチナ3,309 円 7/22(水) ▲112(3.50%)
NY金1,843.9 ドル 7/21(火) ▲26.5(1.46%)
NYプラチナ918.9 ドル 7/21(火) ▲61.0(7.11%)
ドル円106.81 円 7/21(火) ▼0.45(0.42%)

7/21(火)のその他主要マーケット指標

90日移動平均1600ドル超後の金価格推移:2011年と2020年 7/23(木)

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