金プラチナ短期相場観

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8月ユーロ圏PMI失速でユーロドルも失速、ドル高で金も失速

更新日:2020年8月22日(土)

ユーロ圏・独・仏・米製造業PMI 2020年8月速報ドイツの製造業PMIは8月速報値で53.0。市場予想を上回り、7月の51.0からも2.0ポイント上昇し、2ヵ月連続で節目50超を維持。4ヵ月続伸となり、2018年9月(53.7)以来、1年11ヵ月ぶりの高水準。オランダやオーストリアなどと抜きつ抜かれつの首位争いを演じながらユーロ圏を牽引していた頃以来の高水準となり、再びユーロ圏首位争いにドイツが加わってきそうな水準にもなり、復活を印象付ける状況にも。

ただし、サービス業PMIが低調で市場予想を大幅に下回る50.8にとどまり、7月の55.6からも大幅反落、なんとか2ヵ月連続50超を維持した状態に。
サービス業の大幅反落はフランスも同様で57.3から51.9へと急反落。この結果ユーロ圏のサービス業PMIも50.1と低調に。
しかし、フランスでは製造業PMIも予想外の低調となり、3ヵ月ぶりの節目50割れとなる49.0。結果的にユーロ圏の製造業PMIも独仏の間をとって51.7、7月の51.8からはわずかに低下。

ユーロ圏でも夏のバカンスが裏目に出て、ここにきて新型コロナウイルスの感染者数が急増しているようです。とりわけ、観光地として人気上位2ヵ国、フランスとスペインでの7月以降の急増が目立ち、いずれも春のピーク並に。英国では先週末からフランスからの入国者に14日間の自主隔離を義務付けるなど、規制の動きも出始めているようです。
ユーロ圏での夏場の景気回復継続への足を引っ張ることにもなりそうです。

なお、ドイツでもフランスやスペインほどではないにしても、感染者数は急増しており、足下では4月末以来の1500人超の水準まで増加し、警戒感は高まりつつあるようです。
ドイツでもこの夏場は正念場になりそうです。

米国の製造業PMIは53.6で1年7ヵ月ぶりの高水準。ユーロ圏の数値を上回るのは4ヵ月ぶり。感染者数が桁違いに多くても、景況感の回復基調は力強く、感染者数が桁違いに少ない日本での景況感回復は大きく出遅れた状態が続きます。

PMIの強弱関係逆転に連れるように、これまでのユーロ高ドル安の流れも逆転。ユーロドルの失速に伴い、ドル高によって金価格高騰の流れも失速状態となってきました。

NY金・日足チャート 2020/7/20 - 8/2121日のNY金相場は+0.5ドル、0.03%の小幅高で3日ぶりの反発。前日高値1963.1ドルがこの日も上限となって上値の重い展開に。アジア時間こそ1950ドル台での小幅保ち合いとなって下げ渋るも、ロンドン時間には下値模索。8月ユーロ圏PMIが予想を大幅に下回ったことでユーロ売りドル買いの流れが強まると金も連れ安、前日までの2日間のダブルボトム1930ドル前後を割り込むと一段安、短期下値目安1910ドルから1900ドル近辺に急接近、一時1916.6ドルまで下落。しかし、急落局面では押し目買いも入りやすく、1900ドルの大台が意識されると底堅さも。NY市場では急速に買い戻され、米国の8月PMIが予想以上の好結果となって一時的に反落する場面もありながら、一時1950ドル台まで上昇。引けにかけては1940ドル台後半、前日終値付近に収束。ドル安の巻戻し優勢となりつつあり、引き続き上値の重い展開も予想され、1940ドル台が目先のサポート。これを割り込めば再度1910ドルから1900ドル近辺までの下値トライの展開にも、上方向には1960-70ドルが抵抗水準候補。
週間ベースでは-2.8ドル、0.14%の小幅続落。

NYプラチナ・日足チャート 2020/7/20 - 8/21NYプラチナは-0.8ドル、0.09%の小幅安で3日続落。前日NY引け後の930ドル台が高値となり、金に追随する形で戻り売り。ロンドン時間に急落となって前日安値910ドル半ばを下回ると一段安、NY朝には一時903.5ドルまで下落し、下値目安900ドル前後に到達。7月30日(894.3)以来、3週間ぶり安値となる大台付近まで下げたことによる達成感もあり、NY午後にかけては金の買い戻しに追随、920ドル台を回復。下へ行って来いとなり、7月30日の下ヒゲとでダブルボトム形成への可能性を残し、920ドル台が目先のサポート候補にも。
週間ベースでは-33.0ドル、3.44%の続落。

ドル円・日足チャート 2020/7/20 - 8/21ドル円はわずかに3銭程度、0.03%のドル高円安となって小反発。前日の戻り売りの流れは東京時間から欧州時間序盤まで継続。105円70銭台を中心に小幅揉み合い推移の展開は東京午後には崩れて軟調推移、ユーロ圏PMIが低調となったことによるユーロ安によってドル高の流れが強まるも、ドル円での初期反応としては円高となって105円40銭台まで下落。保ち合い下限でしっかりサポートされると、ドル高の流れに少し遅れてドル高円安へと転換、NY時間には一時106円台を回復。しかし、保ち合い上限となる106円10銭を超えることはできず、106円台維持もできずに105円80銭まで反落。結果的に保ち合い下限と上限の堅さを確認し、下げ止まりつつある20日移動平均線(105.83)付近に収束。目先、ドル高の流れが続くようなら保ち合い上抜けの可能性も、その場合には107円台前半までが上値目標に。反落で保ち合い下抜けの場合には104円台前半までが下値目標。
週間ベースでは-78銭、0.73%の反落。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場8/21終値とチャート

2020年8月22日(土)時点の相場
国内金7,263 円 8/21(金) ▲63(0.88%)
国内プラチナ3,449 円 8/21(金) ▼23(0.66%)
NY金1,947.0 ドル 8/21(金) ▲0.5(0.03%)
NYプラチナ926.1 ドル 8/21(金) ▼0.8(0.09%)
ドル円105.82 円 8/21(金) ▲0.03(0.03%)

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