金プラチナ短期相場観
高値再トライか調整幅拡大か、ジャクソンホールが分岐点
更新日:2020年8月24日(月)
今週27-28日に開催されるジャクソンホールでのカンザスシティ連銀主催の年次シンポジウムは、時節柄オンライン開催となったものの、27日にはパウエルFRB議長講演もストリーミング配信予定となっています。
9月半ばのFOMCで金融政策の枠組み見直しも想定され、インフレ目標2%を平均的に達成するために一時的に2%を超える状態を容認する方針を明確化する可能性があり、これに関して何らかの示唆発言が今回の講演に含まれる可能性も?と警戒されています。確率的にはその可能性は低いかもしれませんが、それだけに逆に示唆されるようなら市場反応は比較的大きくなる可能性も。そうなれば、ドル安金高の流れが強まりそうです。
国内金価格の日足・一目均衡表でも、ジャクソンホールへの警戒感が暗示されています。
3月安値から8月7日の最高値までの23.6%戻し(7197)近辺でサポートされる状態が続く国内金価格は、現状水準付近で横ばい推移が続いた場合、27日(7137)から28日(7262)にかけて遅行線が価格ラインにぶつかります。
遅行線が価格ラインにぶつかって跳ね上がるか、それとも価格ラインを下抜けて調整幅拡大へと向かうか、ジャクソンホールがその分岐点となる可能性は高まります。
24日、週明け時間外のNY金は1940ドル台前半、為替は1ドル=105円70銭台といずれも前週末水準からわずかに軟調気味にスタート。国内金価格は-55円、0.76%の反落。上値の重い状態で迎えた週明け、またしても7月末以降の下値サポート7200円近辺で下支えされた格好にも。しかし、21日移動平均線(7314)を下抜けた9日移動平均線(7283)に上値を押さえられるように主要レンジ上限を7260円台に切り下げ、下押し圧力は一段と強まる様子も。ただし週半ばまでは様子見状態からの小康状態も予想され、週後半に7260円超へと切り返す展開となれば、短期上値目標は7320円台辺りまで。7200円の下限割れへと向かうようなら短期的には7150円近辺までが下値目安に。
国内プラチナ価格も3月安値から8月高値までの23.6%戻し(3364)が目先のサポート候補となりそうな状況に。
現状水準付近で横ばい推移が続いた場合、遅行線は27日(3415)に価格ラインにぶつかります。遅行線が価格ラインにぶつかって跳ね上がり、強気相場を維持して高値圏再トライへと向かうのか、価格ラインを割り込んで調整局面がもう一段進行するのか、プラチナ価格の分岐点もジャクソンホールのタイミングに。
プラチナ価格は-70円、2.03%の大幅安で3日続落。8月3日(3370)以来、3週間ぶりの安値水準となり、短期下値目安3430円近辺を突き抜けて一段安。目先は調整一服とはなりやすい状況ながら、金価格が下方向へと向かえば一段安を余儀なくされる展開にも。6月安値3018円から8月高値3655円までの半値戻し(3337)から7月末押し目水準3327円辺りまでが下値サポート候補にも。
※参考:金プラチナ国内価格8/24とチャート
- 2020年8月24日(月)時点の相場
-
国内金 : 7,208 円 8/24(月) ▼55(0.76%) 国内プラチナ : 3,379 円 8/24(月) ▼70(2.03%) NY金 : 1,947.0 ドル 8/21(金) ▲0.5(0.03%) NYプラチナ : 926.1 ドル 8/21(金) ▼0.8(0.09%) ドル円 : 105.82 円 8/21(金) ▲0.03(0.03%)
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