金プラチナ短期相場観

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NFP急増でコロナで失われた雇用は残り570万人

更新日:2021年8月7日(土)

非農業部門雇用者数(NFP)の推移 2021年7月ADP雇用リポートが下げたハードルの遥か上を行く、想定以上の好結果となった米7月雇用統計。雇用者数の大幅増以外の好調を示す指標も含めてのポジティブ・サプライスは、タカ派傾斜中のFOMC勢力図をサポートする強力な支援材料となり、当面のテーパリング協議における前倒し支持者の根拠の一つとして有効活用されることになりそうです。

NFPの前月比の伸びが昨年8月以来の高水準となり、過去2ヵ月合計で11.9万人の上方修正となったのに加え、失業率も6月の5.9%から昨年3月(4.4)以来1年3ヵ月ぶり低水準となる5.4%へと急低下。広義の失業率を示すU6失業率も6月の9.8%から9.2%へと急低下、昨年3月(8.8)にあと0.4%と迫る好結果。さらに黒人の失業率も9.2%から8.2%へと急低下、これも昨年3月(6.8)以来の低水準へと改善。
労働参加率は6月の61.6%から61.7%へと小幅上昇にとどまったものの、半年超の失業者、長期失業者の割合は6月の42.1%から39.3%へと低下、7ヵ月ぶり低水準となって今年3月(43.4)をピークに低下基調が進行し始めた様子。
人口に対する雇用率も6月の58.0%から58.4%へと上昇し、昨年3月(59.9)以来の高水準。

雇用者数(NFP)の総数では、昨年2月に152.5百万人まで増加した後、4月には130.2百万人まで、2200万人超の雇用が失われ、今年7月には残り570万人まで回復。
今後の増加ペースが毎月+50万人の場合でも、あと12ヵ月でコロナ前の水準を回復することになります。その時期は2022年7月。
労働省発表の雇用者数ベースでも、クラリダFRB副議長が「22年末まで」とした利上げに必要な条件を十分満たす可能性はありそうです。

ただし不確定要素として、デルタ株以降の影響が今回の雇用統計にはおそらくほとんど含まれていない可能性が、懸念材料の一つとなりそうです。

NY金・日足チャート 2021/7/2 - 8/66日のNY金相場は-45.8ドル、2.53%の大幅続落。今年の平均騰落値幅12.2ドルの3.8倍、今年4番めの大幅下落となって終値では4月14日(1736.3)以来、3ヵ月半ぶりの安値。ポジティブ・サプライズと言える7月雇用統計の好結果を受けてNY朝に米長期金利急騰、株高にドル全面高の流れとともに急落。1800ドルの大台を割り込んで短期下値目安1780ドル近辺まで20ドル超の急降下、その後も下げ止まらずNY午後には1760ドル台へと一段安、安値では一時1759.5ドルまで下げて自律反発も1760ドル台半ばまでと限定的。40ドル超の大陰線を形成し、6月末安値1750.1ドルからの二番底、6月18日安値1761.2ドルを含めると逆三尊を形成し、3月につけた今年安値(1673.3)から6月高値(1919.2)までの61.8%戻し(1767.2)も達成。下値トライ一服でいったん下げ止まるには都合の良い水準。
週間ベースでは-54.1ドル、2.98%の反落。

NYプラチナ・日足チャート 2021/7/2 - 8/6NYプラチナは-33.5ドル、3.33%の大幅安となって4日続落。今年の平均騰落率1.55%の2倍で今年8番めの大幅下落となり、連日の今年安値更新で昨年11月30日(965.9)以来、8ヵ月ぶりの安値。1000ドルの大台付近での攻防から戻り売り、時間外には990ドル付近まで売られてロンドン時間に一度は大台回復も、戻り売り圧力優勢。NY朝には990ドル付近での攻防から雇用統計後の急落局面で970ドル台へと一段安。安値では一時968.7ドルまで下げて自律反発では980ドルが上限となり1970ドル台半ばに収束。9ヵ月ぶりに100週移動平均線(977.4)付近にも到達し、NY金の下げ止まりに同調する可能性も、もう一段の下値警戒水準としては昨年3月から今年高値の半値戻し(955.1)。
週間ベースでは-76.2ドル、7.27%安で3週続落。

ドル円・日足チャート 2021/7/5 - 8/6ドル円は45銭のドル高円安、0.41%高となって3日続伸。7月26日(110.38)以来、2週間ぶりの高値。前日終値水準109円70銭台を中心に小幅揉み合い推移の展開から、NY朝の米7月雇用統計の好結果を受けてドル全面高の流れとなって急騰。110円10銭近辺まで30銭程の急上昇後もジリ高推移、米10年債利回りが3週間ぶりに1.3%台へと上昇し、ユーロドルが1.18ドルを割れて4ヵ月ぶり低水準へと一段安となった流れにも連れて110円30銭台まで上昇。109円80銭の節目をしっかりと上抜けたことでドル高円安方向への一定のトレンド形成へと向かい始めた可能性も高まり、当面の上値目標として今年高値111円50銭台を目指す流れに。
週間ベースでは+51銭、0.46%の反発。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場8/6終値とチャート

2021年8月7日(土)時点の相場
国内金6,957 円 8/6(金) ▼19(0.27%)
国内プラチナ3,865 円 8/6(金) ▼60(1.53%)
NY金1,763.1 ドル 8/6(金) ▼45.8(2.53%)
NYプラチナ972.2 ドル 8/6(金) ▼33.5(3.33%)
ドル円110.23 円 8/6(金) ▲0.45(0.41%)

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