金プラチナ短期相場観

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失業保険継続受給者数は急減、あと1年でコロナ前回復も

更新日:2021年8月6日(金)

米・新規失業保険申請件数と継続受給者数 2021年7月31日までの週7月31日までの週の新規失業保険申請件数は2週連続での減少となり、7月半ばまでの停滞感から再び改善傾向を示す状態にもなってきました。これを好感する形でドル買い・金売りがやや優勢にもなりつつあります。

失業保険申請件数のトレンドを示す4週移動平均は39万件台でやや足踏み状態とはなっていますが、コロナ前の水準21万件程度と比較すると、その差は18万件程。
4週移動平均での前週比を10週平均で見ると、前週までの-1万件台から7月31日までの週では-6450件へと減少ペースが鈍化しています。
今後、週6千件ペースで申請件数が減少した場合、18万件/6千件=30週=7ヵ月。
新規失業保険申請件数は、2022年2月にもコロナ前の水準を回復する可能性はかなり高いかもしれません。

新規申請件数に比べて回復ペースがやや鈍化傾向となっていた、失業保険継続受給者数は7月24日までの週で293万人となり、前の週からは36.6万人の大幅減。ここに来て回復ペース急加速の兆しとなっています。
継続受給者数の4週移動平均は318.8万人となり、コロナ前の水準170万人と比較すると、その差は148.8万人。
4週移動平均での前週比を10週平均で見ると、6月以降の-3万人から-6万人台での推移から-10万人へと急加速。
6月以降の最低レベル、週3万人ペースで継続受給者数が減少し続けた場合、148.8万人/3万人=50週=12ヵ月。
失業保険継続受給者数が、2022年7月までにコロナ前の水準を回復する可能性もかなり高そうです。

「利上げに必要な条件は22年末までに満たされる」としたクラリダFRB副議長の思惑は、失業保険動向から見ても条件を満たすことになりそうです。
そして、先日「10月には緩和縮小着手」とタカ派スタンスを示したウォラーFRB理事がこの日、「今回と翌月の雇用統計はいずれも非常に高い数字」と期待感を示したとおりの結果となる可能性も、まんざらでもないかもしれません。

NY金・日足チャート 2021/7/1 - 8/55日のNY金相場は-5.6ドル、0.31%の反落。時間外はゆるやかに上昇する90日移動平均線(1811.0)に下値を支えられながらも保ち合い下限をわずかに下回る1810ドル台前半での小幅揉み合い推移。ロンドン時間とNY朝にかけての二度の上値トライでは1810ドル台後半までにとどまり、新規失業保険申請件数が2週連続で改善傾向を示したことも好感されて米株高とともに米10年債利回りが1.2%台へと再浮上した流れに押されて軟調推移。90日線を割れると一段安となって一時1800ドルの大台割れ、自律反発では1810ドルと90日線が抵抗水準に切り替わる形となってNY引けにかけては1800ドル台半ばに収束。雇用統計前日は雇用改善を期待する向きが優勢となり、1810ドル台の節目割れに伴う短期下値目安1780ドル近辺を目指す流れがジワリ進行。予想外の悪化とならなければ軟調推移継続で目標水準トライへ、想定外の結果に切り返す展開となれば1820ドル台が目先の抵抗水準。これも突破するようなら流れ好転で上値トライへ、1860ドル台の上値目標を目指す流れへ。

NYプラチナ・日足チャート 2021/7/1 - 8/5NYプラチナは-15.6ドル、1.53%安で3日続落。終値ベースでは2日連続で今年安値を更新、昨年12月1日(1003.9)以来、8ヵ月ぶりの安値。NY引け後には1000ドルの大台も割り込んで今年最安値も更新。時間外早々に前日終値水準1020ドル近辺から1000ドル台前半へと売り込まれ、NY朝までは1010ドル台前半までのレンジで保ち合い推移。金の軟調局面に連れて再び売り圧力が強まると、いったんは1000ドルの大台ラインを維持して下げ渋ったものの、NY引け後に力尽きた格好に。行き過ぎ警戒水準と見られた大台ライン付近にいきなり到達したものの、タイミング的にも流れ的にも安易に自律反発を期待できる局面にはなさそう。さらなる警戒水準としては昨年3月コロナショックでの安値(562.0)から今年高値(1348.2)までの半値戻し(955.1)。

ドル円・日足チャート 2021/7/2 - 8/5ドル円は30銭のドル高円安、0.27%の続伸。前日の反発の勢いで東京朝には109円70銭台まで上昇も、109円80銭の抵抗線に上値を押さえられ、欧州時間には米10年債利回りの低下基調にも連れて109円40銭付近まで下落。しかしNY朝には米10年債利回りの反発と失業保険申請件数の改善傾向と株高の流れにも連れて堅調推移となり、再び109円70銭台へと反発。ここでも109円80銭の節目との攻防のままNYを終了。今朝の東京市場ではこれを上抜けつつあり、雇用統計前に好結果を期待してフライング気味に買い優勢の展開に。ADPの下振れによりハードルが下がった雇用統計が市場予想どおりの好結果なら若干のサプライズで上値トライ継続へ。ドル高円安方向への流れがもう一段続く可能性が高まり、当面の上値目標は今年高値水準111円50銭台辺りまで。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場8/5終値とチャート

6日の国内金価格は-19円、0.27%の反落。上昇軌道を維持する90日移動平均線(6951)超えはなんとか維持したものの下向きの9日移動平均線(6970)を再び下抜け、収束する移動平均線の狭間で保ち合いレンジを縮小。方向感はほぼ中立状態で上下どちらかへそれなりのトレンド形成へと向かう前触れを示唆し、その行方を雇用統計に委ねる状況に。6980円に切り下げた保ち合い上限を上抜けると上昇トレンド形成へ、当面の上値目標は7110円台辺りまで。好結果を受けて6930円台の下限割れとなれば下落トレンド形成へ、6月安値圏6820円近辺までが下値目標。
週間ベースでは-66円、0.94%の反落。

プラチナ価格は-60円、1.53%安で4日続落。1月12日(3819)以来、7ヵ月ぶりの安値。さらなる下値警戒水準、1月末安値圏3870円近辺にもいきなり到達。RSIは13.7%となって昨年3月のコロナショックの時以来、1年5ヵ月ぶりの売られ過ぎ状態。それでもNYプラチナに下げ止まりの兆しが確認されない以上はさらなる売られ過ぎをも警戒する状況に。昨年11月安値(3096)から今年高値(4798)の半値戻し(3947)を前日に下抜けており、次なる節目水準としては61.8%戻し(3746)近辺も。
週間ベースでは-194円、4.78%の大幅安で3週続落。
※参考:金プラチナ国内価格8/6とチャート

2021年8月6日(金)時点の相場
国内金6,957 円 8/6(金) ▼19(0.27%)
国内プラチナ3,865 円 8/6(金) ▼60(1.53%)
NY金1,808.9 ドル 8/5(木) ▼5.6(0.31%)
NYプラチナ1,005.7 ドル 8/5(木) ▼15.6(1.53%)
ドル円109.78 円 8/5(木) ▲0.30(0.27%)

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